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【新刊】Seel Vol.39 テーマ 「紙」について

こんにちは、Seel編集部です。日に日に寒さが増していく今日この頃ですが、みなさんいかがお過ごしでしょうか。

前号はほぼオンライン上での制作でしたが、今号制作にあたってSeelではリモートでのミーティングに加えて少人数での対面ミーティングも徐々に再開し、新刊の制作を進めてきました。今までは画面上でしか顔を見ることができなかった新入部員達とも直接会って作業できる機会が増え、嬉しい限りです!

そんな中発刊された最新号のVol.39、テーマはずばり「紙」です。

朝の通勤電車は電子書籍で新聞や雑誌に目を通すサラリーマンで溢れ、漫画や小説などの娯楽的なコンテンツもスマートフォンやパソコンで簡単に楽しめてしまう時代になりました。しかしそれにも関わらずSeelは創刊以来、愚直なまでに紙媒体での発刊というスタイルを貫いています。それはなぜか。紙は、確固とした形を持ってこの世界に残るからです。

「紙」という形で情報を発信することは、この世界に満ち満ちている膨大なデータの荒波に飲み込まれて消え去ることのない、確固とした形を持ったものを世に送り出すということでもあります。だからこそ、そこにはこの世界に残す価値のあるものを創り出すという責任や矜恃が生まれるのです。少し大風呂敷を広げすぎたかもしれませんが、そのようなモチベーションを持って僕たちは日々Seelを作っています。

もちろん、デジタルな媒体の存在価値を否定したいわけではありません。保管や持ち運びの手間を大幅に省略できる携帯性は、21世紀を生きる僕たちの暮らしを大きく変革しました。コンテンツ面に目を向けても、乗り換え案内アプリやwebで閲覧できるニュースの記事、今晩の献立に煮詰まった時に頼りになるお手軽レシピサイトなど、僕たちは生活のありとあらゆる場面でデジタル媒体が与えてくれる利便性という大きな恩恵に浴しています。デジタルという概念は僕たちが生きる現代社会を支える屋台骨であり、もしこの柱が崩れ落ちれば僕たちの生活は根本から崩壊してしまうでしょう。

しかし、デジタル媒体がこれほど大きな需要や存在価値を持っているにも関わらず、紙媒体はいまだにしっかりと現代社会に根を張っています。書店は消えることなく街のあちこちに点在し、図書館には老若男女が紙媒体を求めて足を運びます。機能面ではデジタル媒体にはるかに劣る紙媒体が、今もなお人々に支持され受け入れられているのはなぜなのか。その理由を、Seelでは紙にしかできないことがあるからだと考えます。

紙ならではの手触りや色・匂いを直接感じられること、書き込んだり折り曲げたりできること、スワイプやピンチイン・アウトをせずに情報に一度に目を通せること、これらは紙でしかできない体験です。人類が紙とペンを発明して以降、脈々と受け継がれ、また発展してきたこの体験は、僕たちが思っている以上に深く、強く文化と結びついています。僕たちが今号で「紙」を「カルチャー」として取り上げた意義はそこにあるのです。

そんな今号では、紙にしかできないこと、紙だけが持つ可能性をインタビュー・座談会・紙の特性を活かしたコンテンツの紹介など、様々なアプローチから探っていきます。

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