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美しきアスリートたちの人生模様

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東洋経済オンラインやOCEANS、AlpenGroupMagazine、キングギア などの媒体に寄稿しているスポーツライター、瀬川泰祐が取材活動や、日々の執筆活動の中で感じたアス… もっと読む
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2018年10月の記事一覧

起き上がるチカラ

起き上がるチカラ

「倒して勝つ」

彼らは強い口調でこう言った。

僕は過去に2度ほどタイトル防衛戦を前にしたボクシング日本王者を取材したことがある。

角海老宝石ボクシングジムの大橋健典選手と、ワタナボクシングジム所属の久我勇作選手だ。

彼らの特徴は、2人とも、ハードパンチャーであるということ。踏み込みが早く、一発で倒せるパンチを持った魅力的なボクサーだ。

そして奇しくも、彼らは、同じ言葉を使った。

ただ「

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為末大に学ぶ継続のコツ

為末大に学ぶ継続のコツ

自己管理をどうやって行うか。

これは、目標を達成しようとする多くの人が持つ最大の課題の一つだろう。僕自身も、自己管理が出来ず、目標を途中で投げ出してしまったことが何度もある。小さな話で言えば、早めに仕上げようと思っていた原稿が、ギリギリになってしまうことなんて、日常茶飯事だ。しかも、そんな日常的に起きている小さな失敗の場合、その過程のどこに問題があったのかなんて、検証すらしない。大抵は、自分自身

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言語化するチカラがもたらすもの

言語化するチカラがもたらすもの

先日、電車に乗っていたら、刺激的なフレーズが飛び込んできた。

「この9年間、後悔の質を上げてきた」

このフレーズは、プロ入り9年目で初優勝を遂げた西武ライオンズの菊池雄星投手がスポーツ紙に寄せた手記に書かれていた言葉だそうだ。

菊池は、鳴り物入りでプロ入りするも、コーチとの確執で世間からのイメージは明らかに悪くなった。今シーズンもそうだが、これまで、調子の浮き沈みに苦労したシーズンも多かった

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ヒーローに憧れた男が真のヒーローに変わるとき

ヒーローに憧れた男が真のヒーローに変わるとき

1年前に行われたフェンシング歳末感謝祭の時、僕が彼をはじめて見た印象はこうだった。

雰囲気がある選手だな。

彼のことを知っていたわけではない。ましてや、自分のすぐ目の前にいる男が、その年の7月にドイツのライプチヒで行われたフェンシングの世界選手権で、銀メダルを獲った男だったということは、フェンシングに全く縁のなかった僕には、知る由もなかった。

西藤俊哉。

彼の佇まいと、自信に満ちた表情は、

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ドリブルの入り口とフウガドールすみだの入り口

ドリブルの入り口とフウガドールすみだの入り口

フウガドールすみだというチームの育成コンセプトの一つに「EMOTION」というキーワードがある。

僕はこのコンセプトに惹かれて、息子をフウガドールすみだのスクールに通わせた。

小学校5年生の時に、埼玉のド田舎から、電車を乗り継ぎながら、1時間半近くかけて、週2回もフットサルスクールに通うのを横目で見て、我が子ながら、息子もよく通っているなと思っていた。

当時の息子の課題と、スクールの育成方針

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一歩を踏み出すきっかけ

一歩を踏み出すきっかけ

「インスタ映えしそうだねぇ」

ある方が、インディ鈴木氏(42)の写真をみて、こう言った。

奇抜な髪型とさわやかな笑顔に、カラフルな衣装。

確かに風貌はその通りだなと思った。

でも、インディ鈴木の真骨頂は、自由な発想とオープンなマインドにある。と僕は思っている。

何でこんなにもフランクに人と接することができるんだろう、とずっと思っていたが、その秘密の一部を、彼が月に1回必ず実施している「月

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