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美しきアスリートたちの人生模様

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東洋経済オンラインやOCEANS、AlpenGroupMagazine、キングギア などの媒体に寄稿しているスポーツライター、瀬川泰祐が取材活動や、日々の執筆活動の中で感じたアス… もっと読む
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元サッカー日本代表GK・南雄太選手取材のウラ話

元サッカー日本代表GK・南雄太選手取材のウラ話

この企画はある男の依頼から始まった37.5歳からのファッション・ライフスタイルマガジン「OCEANS」で掲載された、横浜FCの正ゴールキーパー、南雄太選手のノンフィクション。

SNSを中心に拡散していただき、多くの人に届けることができたのだが、この取材が実現したのは、ある男からの依頼がきっかけだった。

その男とは、ヴァンフォーレ甲府やロアッソ熊本で活躍した元Jリーガーの宇留野純だ。

2018

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使命感を持つ強さ

使命感を持つ強さ

「昨日、新しい抗がん剤治療に入ること、再び入院するため少しの間チームから離れることを、チームスタッフやチームメイトに伝えてきました」

挨拶を済ませると、彼は真っ先にこういった。

僕はいきなり強烈なパンチを食らったような衝撃を覚え、一瞬、耳を疑った。

もちろん、彼がガンという大病と戦いながら、国内最高峰のフットサルリーグで、フットサル選手を続けているということは知っていた。

だが、取材申請に

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起き上がるチカラ

起き上がるチカラ

「倒して勝つ」

彼らは強い口調でこう言った。

僕は過去に2度ほどタイトル防衛戦を前にしたボクシング日本王者を取材したことがある。

角海老宝石ボクシングジムの大橋健典選手と、ワタナボクシングジム所属の久我勇作選手だ。

彼らの特徴は、2人とも、ハードパンチャーであるということ。踏み込みが早く、一発で倒せるパンチを持った魅力的なボクサーだ。

そして奇しくも、彼らは、同じ言葉を使った。

ただ「

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為末大に学ぶ継続のコツ

為末大に学ぶ継続のコツ

自己管理をどうやって行うか。

これは、目標を達成しようとする多くの人が持つ最大の課題の一つだろう。僕自身も、自己管理が出来ず、目標を途中で投げ出してしまったことが何度もある。小さな話で言えば、早めに仕上げようと思っていた原稿が、ギリギリになってしまうことなんて、日常茶飯事だ。しかも、そんな日常的に起きている小さな失敗の場合、その過程のどこに問題があったのかなんて、検証すらしない。大抵は、自分自身

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言語化するチカラがもたらすもの

言語化するチカラがもたらすもの

先日、電車に乗っていたら、刺激的なフレーズが飛び込んできた。

「この9年間、後悔の質を上げてきた」

このフレーズは、プロ入り9年目で初優勝を遂げた西武ライオンズの菊池雄星投手がスポーツ紙に寄せた手記に書かれていた言葉だそうだ。

菊池は、鳴り物入りでプロ入りするも、コーチとの確執で世間からのイメージは明らかに悪くなった。今シーズンもそうだが、これまで、調子の浮き沈みに苦労したシーズンも多かった

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ドリブルの入り口とフウガドールすみだの入り口

ドリブルの入り口とフウガドールすみだの入り口

フウガドールすみだというチームの育成コンセプトの一つに「EMOTION」というキーワードがある。

僕はこのコンセプトに惹かれて、息子をフウガドールすみだのスクールに通わせた。

小学校5年生の時に、埼玉のド田舎から、電車を乗り継ぎながら、1時間半近くかけて、週2回もフットサルスクールに通うのを横目で見て、我が子ながら、息子もよく通っているなと思っていた。

当時の息子の課題と、スクールの育成方針

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自分を知る

自分を知る

近い将来をすごく楽しみにしているアスリートがいる。

フェンシング女子フルーレ日本代表の宮脇花綸選手だ。

身長も高いわけではないし、突出したスピードもパワーも持ち合わせていない。にも関わらず、彼女が世界と戦えるのには、ワケがある。

彼女は、誰にも負けない明晰な頭脳や、試合の流れを読む力、駆け引きなどを駆使して、持てる力を最大限に発揮する。

当たり前のことのようだが、徹底して自己分析ができてい

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信じる

信じる

「よしっ、今日も自信をつけていこう!」

フットサル元日本代表の諸江剣語選手は、フィジカルトレーニングを始める前に、自分自身を奮い立たせるかのように、こう言った。

僕は、いつの間にか、「正解」が大好きになり、いつの間にか、「間違い」を悪と捉えるようになり、間違いを嫌う大人になった。今では、「正解」だけを信じ、「正解」を求め続けて生きている。

だが、アスリート達を見ていると、間違っていてもいいん

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