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ピスコ葡萄(非芳香種)について

先の記事にも書いた通りペルーにおいては『ピスコ』と認定されるためには規定の葡萄品種で生産されなければなりません。その葡萄品種は8種類あり、非芳香種と芳香種の2種類に分けられます。今回はその品種一つひとつをご紹介していきたいと思います。

ケブランタ(QUEBRANTA)
ペルー産ピスコの中でも一番生産の多い品種の葡萄
葡萄の特徴:
ペルーの土地に順応した葡萄でネグラ・クリオージャ種が変化し順応したものではないかと言われている。ペルーにブドウが持ち込まれた際のかなり初期から栽培されていたとされる。赤ブドウであるが少し青みがかった色の薄めの葡萄で薄い皮が特徴。甘みが強く品種となっている。
ケブランタ種のピスコの特徴:
グラスを近づけた際に強いアルコールを感じながらも、柔らかな葡萄の香りも楽しめる。空気に触れることによりその香りがさまざまな果実が広がっていきます。バナナ、リンゴ、スモモ、ライムに加えて、干しぶどう、ピーカンナッツ、干し草のような若々しさも感じることができる。
口の中には葡萄の爽やかな甘みとアルコールの力強さを感じながら、新鮮な果実の爽やかさを感じることができる。

ネグラ・クリオージャ(Negra Criolla)
「ネグラ」は黒の意味。その名の通り色の濃い黒葡萄。「クリオージャ」は伝統的なの意味。古くから用いられていることも理解できる。
葡萄の特徴:
スペインの入植の初期に持ち込まれた葡萄品種の一つで、果実は小粒で綺麗な形を形成し、房全体も円柱形をする黒葡萄。ケブランタ種よりも甘みは少ない。
ネグラ・クリオージャ種のピスコの特徴:
グラスを近づけた際の香りは、リンゴ、洋梨、スモモを感じながら蜂蜜やコーヒー、チョコレート、香草のような深い香りも感じ取れる。
口の中に含んだ時に感じられる甘みとアルコールの存在感とともに、香りで感じられた果実やコーヒーなどの深い味も感じられる。

モジャール(Mollar)
葡萄の特徴:
素焼きの焼き物のような赤オレンジっぽい色の葡萄で、おそらくケブランタ種の変異したものでないかと言われている。ケブランタよりも大きめの実をつけ茎は太めでしっかりしたもの。皮は薄く、糖度の高い葡萄となっている。
モジャール種のピスコの特徴:
グラスを近づけた際の香りは、リンゴ、カリン、洋梨、バナナ、スモモのような新鮮な果実の香りを感じさせる。さらに蜂蜜や若草のような深い香りも感じ取れる。
口の中に含んだ時に感じられる甘みとアルコールの存在感はケブランタ種に似たものとなるが、少し強めのフルーツの甘みが広がるのがケブランタとの違い。

ウビーナ(Uvina)
ピスコ葡萄の中でも特別な品種でイカ県ルナワナ地方のパカランとスニガ(カニェテ渓谷)で生産されたものしかピスコ認定を受けない。もちろんピスコの生産についても少ない。ピスコ葡萄の中でも最後に認定された品種。
葡萄の特徴:
実は大きめなのに対して房は小さく色の濃い黒葡萄。その色の濃さからワイン葡萄のアリカント・ブーシェと間違えられることが多かった。
ウビーナ種のピスコの特徴:
グラスを近づけた際の香りは、グリーンオリーブのような爽やかな香りが広がる。
また、ビワ、マンゴー、スモモといった少しクセのある甘みの強い果実から新鮮なリンゴ、バナナ更には若草のようなフレッシュな香りも楽しめる。
味わいもフレッシュなオリーブや若草を感じながら、鼻腔から新鮮な果実の甘みが広がる。

今回は非芳香種の特徴を書き出してみました。
次回は芳香種4種の特徴について書きたいと思います。


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