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鉄道博物館

 世界最長7416キロに及ぶシベリア鉄道を擁するロシア。

 広大なロシアの大地において、鉄道は都市間をつなぐ生命線です。

 モスクワには、ロシア鉄道(РЖД)の管理する鉄道博物館が二か所にあります。パヴェレツキー駅の隣に位置する「モスクワ鉄道博物館」は、ロシアの鉄道史が中心。

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19世紀末頃の一等客車のジオラマ。ラウンジっぽさがイイ。

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駅長室のジオラマ。なにげにイケメンの駅員氏。

展示の目玉はU127蒸気機関車の実物展示。1924年、レーニンが死去した際に霊柩列車を牽引した機関車と、遺体が安置されていた客車です。

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後年退役後に保存・展示されることになり、以降今日までほぼ常に屋内にあったので、保存状態は抜群。キラッキラです。

ただ、こちらの施設は展示品数そのものは豊富とは言えず、はっきり言って物足りない。

歴史館:115114, Москва, Кожевническая, д. 2 / Kozhevnicheskaya ulitsa 2
開館時間:水~土10~19時、日10~17時45分、月火休館
参照URL:http://mzd.rzd.ru/static/public/ru?STRUCTURE_ID=4303&layer_id=3290&refererLayerId=3290&id=2230 

 リジスキー駅隣(というかほぼ駅内)の「鉄道技術史博物館」は、屋外に実物車両67両が並ぶ迫力の展示。

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最も古い車両は、入ってすぐの場所にある蒸気機関車Ov-841、1903年製。

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ソ連の旅客用蒸気機関車の最終形、P-36蒸気機関車。1954年から56年まで生産され、「赤い矢号」などの高速列車を牽引しました。

計13両の蒸気機関車が展示されていますが、改めて見ると、それぞれフォルムが大きく異なり、私のような素人でも、その異形に進化と試行錯誤の歴史に感嘆します。

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1949年から55年まで生産され、モスクワ近郊線を含む多くの路線で活躍したディーゼル機関車、TE2型。写真ではかなり色あせていますが、最近、こちらを含む多くの車両が塗りなおされたようです。HPの写真を見る限り、あまり綺麗になっていないような…いやまあ、いいでしょう。

展示は当然ながらソ連製が中心ですが、中にはソ連で運用されていたハンガリーのGanz-MÁVAG製、チェコスロバキアのCKDやシュコダ製の車両もあります。

いずれも私たちには縁の薄い車両で、見る機会は中々ありません。客車も、古いものでは1913年製などがあり、状態も良好。中に入れないのが残念!

面白いのは、貨物列車でおなじみの有蓋車や無蓋車やタンク車などの貨車が展示されていること。思えば、機関車などの展示は数多くあれども、貨物車両を間近で見る機会は希少です。

しかし最大の変わり種は、保線車両。線路などの整備・保守は極めて重要ですが、これらの作業に従事するのが保線車両です。ひたすら裏方に徹するストイックなヤツら。

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中でも、軌道やバラストの整備・清掃に用いるバラストクリーナー、UM1は、巨大で複雑で、禍々しいまでの迫力がステキ。

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かっこいい…(ウットリ)

同型ではありませんが、よく似たUM-Sというバラストクリーナーの映像。

かっこいい…(ウットリ)

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雪国ロシアで忘れてはならない、除雪車両。写真はTsUM-3型ラッセル車。こちらは1930年代に製造されたもので、小屋をポン付けしたような姿がかわいらしい。

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敷地は広大。ゆっくりのんびり見学できるのが嬉しい。

展示スペースのすぐ横はプラットフォームなので、アナウンスや生の走行音をバックに見学できる、贅沢(?)な環境です。

入口正面の建物は、鉄道模型の展示室。入場料は別途必要です。総面積61.7㎡の精巧な鉄道ジオラマや、最新車両の大型模型は模型ファン必見。売店にはロシア製の鉄道模型もあり、思わず財布の紐も緩みそうに(値段を見たら締まりました)。


追記のような記事↓ 鉄分補給にどうぞ

車両展示場:129272, Москва, пл. Рижского вокзала, д. 1  / Rizhsky railway station, ploshad Rizhskovo vokzala -1
開館時間:水曜~日曜 10時~16時 月火休館
参照URL:http://mzd.rzd.ru/static/public/ru?STRUCTURE_ID=4303&layer_id=3290&refererLayerId=162&id=2229


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