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畑本に書いた動画や農法についての追記

植物と畑の話題だけのブログを作りたいと思いつつ、どんなテンプレがいいかな~などと考えていたら半年くらい経ってしまったので、しばらくは気にせずあちこちに書き散らかして行くことにしました。
この記事もそのような記事の一部です。

畑本に書いた参考動画について補足

※以下は畑本(同人誌)に書いた内容についての補足記事です

冒頭で参考動画や本を色々書いたけど、自分の中での畑の楽しさや草のかわいさのイメージと最も近い動画が、

自然農と島暮らし。https://www.youtube.com/channel/UCxSKlNeTchv0JDxKlxjTJ1Q

かなと思っています。
この女性が畑1年目の初心者という事や、手がけている畑の面積が近いので、親近感を感じるのもあるかもしれません。
私の畑はこの半分位の面積で、スタートも耕作放棄地ではなかったので、羨ましい(あこがれる)部分もあります。自然農の立場からだと 耕作放棄地=地力が充実した良い圃場 となる事が多いようだからです。
また、草ボーボーの所を畑にしていくのは大変だろうけれどおもしろそうで、そういう場所でしか試せない事も色々あり、いずれ必ず自分でもやってみたいと考えている事の1つなので。

畑の技術や知識面では、上の女性の師匠の方のチャンネルで詳しく解説されていて、参考にしています。

ちなみに師匠(島の自然農園さん)が就農時、農業研修に通った研修先であるという有機農家さんのチャンネルもありました。
このチャンネルは、いにしえのインターネットのノリがあって、見れば見るほどクセになります(野菜作りについても参考になる!)。

中谷自然農園
https://www.youtube.com/channel/UCZLY8i9KnvwiuNgmHNWIyew
ささげ豆とぜんざい 31年目の自然農法
https://www.youtube.com/watch?v=Z6Qf8xI3lqU
(おいしそう…)

農法について

挙げてる動画が自然栽培系のものが多いので、そういう信条の人っぽく見えるかもですが、特段そうという訳でもない感じです。

今の自分をとりまく諸条件から考えると、楽しくやれそうという部分(遠い畑に自転車で肥料をもちこんだりしなくてもよくて楽とか)の条件が合致していたのが自然農だったので、必然的にそこを中心に参考にする事になっているのかなと思います。(いや、わからん。)

畑をやりたかった動機は、衝動で買い集めたタネや、ベランダでタネ取りして蒔く場所がなくたまっているタネ、冷蔵庫の野菜からとったタネや育てた苗を植える場所がないのがストレスだったからというのが中心でしたが、
「自然農の栽培法を実地で試してみたい」
というのも、多分にふくまれてた気がします。

自然栽培は広く言えば有機農法の一種ですが、詳しく見ていくと提唱者によって様々な流派があります。
私が畑作りの参考にしている農法は主に「自然農」で、このあたりは畑本にもすこし書いたところですが、川口由一さんという農家さんが提唱されたものです。無農薬・無肥料・不耕起・草生栽培が基本となっています。一般的な有機農法や自然栽培とはまたちがった所のある、独特な栽培方法です。

既存の農法をざっくり脳内で整理すると、以下のような感じです。

慣行農法
農協等の指導のもと、規定量の肥料、農薬、除草剤を使用する。
大型機材やハウスを使用し、広範囲の面積で単作量産する農家さんが多い印象。でも、慣行農家さんの中にも、言ってないだけで実は農薬かけてないとか、草生やしてるとか、色々な人がいそう。

有機農法
有機認証された農薬と有機肥料を使用する。
耕すし、除草(除草剤ではなく手や道具で)もするケースが多そう。
大型機械やハウスをつかって栽培する農家さんも中には多そう。
少量多品目栽培の農家さんが多い印象。
有機農家さんも、実際はかなり人によって栽培方法が違いそう。

自然栽培
無農薬・無肥料・草生栽培。
土を耕す・耕さないの方法論は、特に定義されていなさそう。
大型機械やハウスをつかって栽培する農家さんもいる。
少量多品目栽培の農家さんが多い印象だが、ある作物を中心的に栽培してブランド化されてる農家さんもいると思う(木村秋則さんのりんごとか)。

自然農法
無農薬・無肥料・草生栽培・不耕起(土を耕さない)
苗づくり、畝立て、支柱立てなども、提唱者の福岡正信さんの考え方をラジカルに捉えた場合は、基本的にはしないという事になりそう。
福岡さんの、
「なにもしない事が最高の農法になる」
が、自然農法の有名なキャッチフレーズ。
文明とは、わざわざ作りだした不便を解消するために便利といわれる発明品があるだけ、まず先に不便を作り出す事を止めればほとんどの問題は解決する、わざわざ高層ビルを建て、階段を上らなければ部屋に行けない不便を作り出し、その不便を解消するためにエレベーターを作る、ほとんどの事はそのような成り立ちである、というのが、福岡さんの考え方。
大型機械やハウスなども同じなので、基本的にそういうものは使わないという方向づけになる。

ただ、福岡式自然農法は、福岡正信さんが植物についてエキスパートすぎて?(農家出身、学校も農学科、農業試験場勤務をへて実家の農家を受け継ぐ)、農法の説明がフワっとしており、他の人が真似しようとしても中々同じように再現できなかっために、あまり広がらなかったというのはあるのだろうか。
福岡さんがその農法で上手く作っていた事は、映像や証言などからも伝わってくるのだけど、現在、全く同じ様に福岡式自然農法で、できてる人がいるのか? という部分がよくわからない。
お弟子さんも、他の農法(農業全書を参考にした江戸農法や、川口さんの方法論など)を同時に取り入れる事で、安定した栽培を成立させているようにも見える。もしかしたら私が知らないだけで、福岡さんのをまんま再現できてる人もいるのかもしれないけど。

私の考えでは、いつか福岡式農法を多くの人が安定的に再現できる環境が整う時が来るかもしれないけど、今の社会環境下では、しばらくは難しいんじゃないかと思う。

自然農法は福岡正信さんの他に、宗教系の人が提唱した流派もあって、それはまた別な内容らしいけど、そっちはよくわからない。

また、別な話として、流派関係なく、無肥料・無農薬の栽培方法全般を指して「自然農法」と呼ばれているケースも多そう。そちらのほうが一般的にはなじみが深いかもしれない。

【2023.03.09追記】
2022年に川口由一さんが福岡さんについてこのように言及されてるのを読んだので参考用に追記しておきます。リンク先の【いろいろな代替の農業について】の項目です。

自然農

無農薬・無肥料・草生栽培・不耕起(土を耕さない)。
その場や条件に応じて苗立てや、補い(上手く育たない場合にのみ行う、刈り草・米ぬか・油粕などの表面施肥)などは行う。
畝立てや支柱たて、苗床作りなども条件に応じて行う。
大型機械は使わない、という部分では福岡さんの考え方を受け継いでいる。でも、機材をつかう事自体を否定している訳ではなさそう。
小型のハウスや草刈り機をつかっている人は自然農でもよく見かける。
多品目栽培の農家さんや、自給を目的とした家庭菜園の人が多い。
単作量産の人はあまりいない気がする(多分)。

自然農は自然農法のように方法論として何か定めるのではなく、条件に応じて臨機応変に対応する農の営みのありかたがあるだけだとして、川口由一さんという農家さんが自然農法から「法」をとる形で命名し、提唱した考え方らしい。川口さんは奈良で農業塾を開いていて、1年目から収穫可能な方法をわかりやすく解説されてる。
ご本人やお弟子さんが本を出していたり、お弟子さんたちがそれぞれyoutubeチャンネルやwebサイトでの情報交換、個別で圃場の見学会を開いたりされてる効果もあってか、営農している人も福岡式自然農法よりは多そう。再現性が高く、1年目からよくできる方法として広がったらしい。

川口さんは慣行農法時代に体調を崩されたのをきっかけに、福岡農法への移行を決意したとの事。福岡農法を再現しようと10年くらい(だったかな…)がんばったが上手くいかず、苗立てや、苗が幼い頃の除草(草管理)などをとりいれて、やっと作物が安定して出来るようになったらしい。
また、福岡さんの哲学の矛盾する部分を補完するような考え方についても著書などで体系化されてる。

私としては、大枠以上のような区分けで認識しています。
また色々知って行く内に、理解が変わるかもしれません。

上にも書いたように私自身は、最初、
「自然栽培で本当に野菜ができるんかいな」
という疑いの気持ちと、好奇心から畑をはじめた部分が多分にあります。(youtubeで出来ている映像をいくら見ても信じられない)

まだ始めて3か月ですが、単に畝をつくって草の中にタネをまいただけで、毎週食べるに余るていどの野菜は収穫できてきているので、自然栽培で問題なく野菜ができる、という部分は、確かな事だとは思いました。

巷ではこの辺りの意見が真っ向から対立しているのをよく見かけます。
「そんな方法では野菜はできない派」が圧倒的多数で、「できる派」が小さくなって細々と生きている印象です。
私も畑をはじめた当初は他の区画の人から、
「消毒をしなかったら虫に食べられてみなダメになってしまう」
と何度も忠告を受けました。
実際には、できるできないというより目的をどこに定めるかや栽培条件による事なのだろうと思います。

少しだけど着手してみた感想としては、草がポイントなのではないかとは思いました。

無農薬・無施肥だけど草は無し、という人も見かけるのですが、養分がどこから供給されるのかという部分で単純に疑問を感じました。

どこかから、ふんだんに落ち葉が飛んでくるなどあれば、落ち葉が分解される際に養分が供給されるかもしれませんが、それがない場合、養分切れを防ぐためには、肥料が必要になってくるような。
肥料なしで育てるには、草を生やして、刈った草や残渣はその場に敷いて、徐々に分解される事で養分になり、人工的な施肥が必要なくなり、無肥料栽培が成立するというのが仕組なのかなと。

ただ、まれなケースとして、草の生えない水田で肥料も入れず、藁もかえさず毎年田植えと収穫だけして米が出来続けている例もあるみたいなので、もしかしたら畑も、あるバランスに到達すればそういう事ができるようになるのかもしれません。
https://www.youtube.com/watch?v=o9lDfjjGEKc

それか、自然栽培で、草なしで植える方法論も、私が知らないだけで、もしかしたらどこかで提唱されているかもしれません。

ちなみに、草マルチをして雑草を残している私の区画も、すべてが順調に育っているという訳ではないです。種まきした分の2~3割位は育たずに消えてしまっていると思います。

原因は、そもそも発芽しなかったり、発芽後に豪雨で湿気が停滞して対策が遅れたり、苗が小さい内に霜に当たって消えたり(要は適期に、適切な環境で育苗できなかった事)などが、私の圃場の場合は多かったように思えました。

一部、養分が足りないせいで大きくならなかったかな、と感じられるパターンもありました(種から育てたゴボウや玉ねぎなど)。

草なしの無施肥の区画の人は、虫や鳥にやられた(食べられたというよりカラスがイタズラするのだと聞きました)ケースが多かったみたいです。ツルツルの地面に小さな芽が生えてるから目立つので、狙われやすいのかなという風にも見えました。

ちなみに、自分の畑も、他と隣接している部分は草を刈ってあるし、草マルチもほぼしていません。
試しにその部分に植えたらどうなるんだろうと思って種まきしてみたのですが、草のない場所だと発芽しても上手く育たない、というか、種まきからやったものはほぼ全て消えてしまいました。
現在は間引きした白菜を移植したものが2株ほど残っているだけです。
さすがに極端な結果なので、周囲の人がそこを通路だと思って頻繁に歩いてるとか、別なオチがあるかもです。
このあたりは、もうしばらく観察を続けてみようと思いました。

【2023.03.09追記】
周囲の人がそこを通路だと思って頻繁に歩いてるとか、別なオチがあるかもです。
歩いてました。

ただ私の中では育つ・育たない以前の問題として、あるていど草の生えている畑の方が癒されるし、居心地がいいというのは、結論としてできあがってしまいつつあるかもしれません。草の生えてない畑で作物を育てたいという気持ちは、ほぼ無くなってしまいました

草があると、土がむきだしになっている場所より歩きやすく、地べたに坐っても、泥だらけになりません。色々な花や虫が生きているので、観察していても面白いです。野菜を食べるタイプの虫もいますが、その虫を食べる地蜘蛛などの天敵もいます。そういうのを観察するのはおもしろいです。

もしかすると夏になって蚊が増えてきたら、蚊取り線香をぶらさげて歩くようになるかもしれないですが。
私が畑を始めたのは10月で、虫が大人しい秋~冬にかけての畑なので、その辺りは経験してみないと何とも言えない所なのかなとは思いました。

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