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【三色菫 /絵 かよんちゃん◆詩、散らかるお話し 青紗蘭◆朗読 麻衣ちゃん+青】

【 三色菫 】
何と朗読つき!(笑)麻衣ちゃん忙しい中ありがとう!


どこからか声が聞こえた。
よくよく聴いてみれば泣いているようだった。そこには愛らしい純白が俯いていた。

【もし、あなたは何故ないているのですか?】

私は、そう声をかけた。



「旅の方…御覧下さい。ここ一面に咲く花々は、みな美しく色を授かっています。私には色がないのです。。消えてしまいそうです」

【ああ、そうだったのですね。君のそれは透き通る美しい白なんだよ。】

「私は、皆のような色を持たないことが辛いです…」

【そうか…】

私は、そっと花弁に祝福のキスを三度添えた。すると純白が、三色の艶やかな色に染まった。今までにない美しい姿になった。

驚いた純白は、今にも愛らしいステップを踏んでしまうような笑顔になった。

【どうです?君の願いは、叶いましたか?

「はい!私のなりたかった姿です」

純白は、その身に纏った色を嬉しそうに見つめていた。


私は、ほほ笑みまた旅にでた。
幾日かたち、旅の帰りに純白の元を訪れた。

歓びの中にあったはずの純白は、また、俯いてしまっていた。純白は、私の気配に気がついた。

【おや?また、俯いてどうしたのです?】

「ああ…旅の方…。私は、わからなくなってしまったのです。色があって嬉しい。みんなのようになれて嬉しい。だのに、なんだか…欠けてしまったような悲しい気持ちに…。」

純白は、涙に流されてしまいそうだった。
私は、そっと一輪を差し出した。

「この花は…?とても美しいですね。きらきらしていて、色は一つなのに凛としてる。とても眩しいですね…。私は…」

純白から涙が零れ落ちた。

【ふふ、泣かないで。これは染まる前からもっていた君の美しさだよ。
こちらの一輪に移させてもらっていたんだ。君が歓びにあるとき、君は輝く。純白になる。これはね…君にしか生み出すことができない美しさなんだ】

「私にしか…?」

【ええ。そうですとも。染まることも美しい。けれど、自分を信頼することから生まれる美しさに、勝るものは無いと想いますよ。

君は、周りの花たちを引き立てることもできるし、凛と輝く一輪であることもできる。

それは、とても素敵な命の在り方だと思うけれど。君は…どう感じるかな?】


純白は、今までで一番美しく花弁を揺らした。


純白(わたくし)は、それから。

自身を愛し、また染まることも愛した。
何を得て、染まり、纏おうと。
自分を信頼しなければ浮いてしまうから。


【君はね、美しいんだよ。すでにね。】



旅人は、純白のわたくしをそっと撫で歩み去っ行った。


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https://note.com/y_kayon

かよんちゃんに、私の気持ちを汲み取っていただきながら、絵を描いて頂きました。
かよんちゃんの世界から舞い降りてきてくれた表現たちに、息をのみました。
豊かな心の土壌がなければ、このそっとふれていたい透明感にはならないのだろうなと、一人で一献しておりました(笑)


さて、今回のお話しのテーマは、【自分にとって心地良いこと】です。流行廃りはあるものですが、それを追いかけてばかりいては疲れてしまうでしょう。まして自分の心地良いと感じることから、かけ離れてしまえばなおのこと。

上手く言葉に出来なくともそれでいい。
五感(+α)のどこかに、ピンとくるものがあったならぜひ大切にして欲しいなと思いました。

【自分らしさ】というのは、なかなか厄介なものかもしれません。【自分】というものをどう捉えるかにもよりますが、考え出したら切りが無いのだろうとおもいます。

私達は、生ものです。
常に変化しています。

過去に好きだったものを送り出すときもあれば、苦手だったものを好きになったりする。

変化し続ける中でも、ずっと宝物であるものもある。

自分にとっての大切なこと。
自分にとっての心地良さ。安心。

比べることは、良くあることで必要なことでもあります。ただ、いま述べてきた【自分らしさ】においては、ただ感じたままに自由に心地良く過ごしてゆければ良いのではないかと感じています。

皆さんは、どう感じたでしょうか?ヽ(^o^)丿🍎✨

✨スペシャルThanks✨
かよんちゃん、きよんちゃん、まいちゃん!

麻衣ちゃん、いつもありがとう!
朗読も忙しい中、渾身の一撃で決めてくれました(笑)そんな彼女はこんな人!👇



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