心に残る言葉

心に残る言葉を、呟いたりしていたけれど、
こちらに残していこうと思う。

人類はつねに、自然に由来し、遠くにあって理解しがたい原因よりは、「社会的に意味があり、人間が干渉して変更させることができる」原因、言いかえれば犠牲者のほうを好んできたのであった。(『身代りの山羊』織田年和・富永茂樹訳、法政大学出版局)


食欲と排泄欲はともに生理現象ではあるが 、食物摂取と排泄を較べると 、前者にてインプットされるモノには身分階級差 、個人差が顕著に表れるのに対して 、後者にてアウトプットされるモノは基本的に変わりばえしない 。この人類共通の 、いや生きとし生けるもの共通の普遍性を確認する喜びゆえにわれわれは笑うのではないだろうか 。
-米原万里『魔女の1ダース』-


「悪い民族というものはない。悪い人がいるだけよ」
-アナトーリイ・イグナーチエヴィチ プリスターフキン-『コーカサスの金色の雲』-


「写真は、選択の連鎖で成り立つメディアアートである。カメラとレンズを、感光材料を選ぶ。被写体を選択する。広がる空間の部分を選んで切り取る。日時を定め、光や風を選ぶ。対象との距離を選び、アングルを選ぶ。そしてシャッターチャンスを選ぶ。コンタクトプリントから数点選んで引き伸ばし、更にその中から一点を選んで、展示作品ができあがる。写真家は、医師のように治療せず、学者のように分析もせず、神父のように支えない。落語家のように笑わせもせず、歌手のように酔わせない。ただひたすら見るだけ。見ることと選ぶことに終始するのが写真家である。」-東松照明-

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