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SEXに基づいた女性の権利を守る

                                            

これは、2021年5月15日、*WDI(Women’s Declaration International )で、シーラ・ジェフリーズさんによって行われたスピーチ原稿です。

Men's sexual rights versus women's sex-based rights

*WDIはSEXに基づく女性の権利を守ることを目的とする国際女性組織


第1回 *性的権利*男性のセックスの権利*性革命*変態性欲の解放
第2回 *ペドフィリア*変態の増加*ブレスプレイと首絞め*おむつフェ
     チ*トランスベスタイトの権利運動
第3回 *女性の生物学的性を基礎にした権利運動に与える脅威*反撃

                    第2回

ペドフィリア(小児性愛症)

   ペドフィリアは、変態性欲がどのように正常化されていくのか、その理論的枠組みを示してくれている。男性による子共の性的利用を非犯罪化する運動は60年代の性革命とゲイ解放運動から生まれた。男性による子供の性的利用に歯止めをかける同意年齢が設けられているが、1970年代までに、引き下げもしくは撤廃する運動が多くの国で巧妙に進められてきた。アメリカ、イギリス、オランダ、フランスだ。このキャンペーンはゲイ男性が中心となり、左派に広範囲に支持された。左派はこれを進歩的だととらえたからだ。多くのペドフィリアグループの主なものの一つはイギリスのPedophile Information Exchange (ペドフィリア情報交換)、短縮してPIEで、少年を利用するには、東南アジアへ行くように勧めている。この団体は、イギリスの主要な人権組織National Council for Civil Liberty(市民自由議会、今はLiberty)と数年にわたって連携しているが、それが特に問題だとされていない。イギリスとアメリカのフェミニストたちは抗議活動を行ってきた。私たちはいくつかのグループを立ち上げ、同意年齢の廃止や引き下げの動きと闘ってきた。私は1978年、イギリス、リーズにあるグループの一つで活動していた。私たちは、彼らのねらいを打ち砕き、ペドフィリアは子供に対する暴力だと明らかにすることに成功した。1980年代の初めPIEの多くのメンバーは子供と性的行為をしたことで告訴されたのである。その結果、グループは1983年解散した。70年後半から80年初めころまで、ペドフィリア運動は社会に受け入れられていたのである。今日、もう一つの男性の権利運動であるトランスジェンダーの運動が受け入れられてしまったように。ペドフィリアとの闘いの当時も、フェミニストたちは男性の要求に反対したが、左派(the Left)はこれを支持した。この点で、反トランスジェンダーの権利運動と興味深い類似性があるといえよう。

   ペドフィリア推進運動は、短い停滞期があったが、1990年代までに再び動き出した。子供の性的虐待の非犯罪化はインターネットの普及とともに、加速度的に進行した。彼らを支持するネットワーク、利害の一致する組織やオンラインの児童ポルノ産業が産み出された。今日、この運動は、社会的に容認されることにかなり成功を収めているが法改正にはまだ成功していない。ペドフィリア活動家たちは、未成年者に惹かれる人々、という用語への変更を実現し、犯罪学の分野で、完全に認知されている「善良な」ペドフィリアたちというカテゴリーを設けた。「善良な」ペドフィリアは非接触型のペドフィリアと定義されている。たとえば、彼らは子供とのセックスを夢想し、疑似行為するために子供のセックスドールを購入するかもしれないが、実際の子供は使用しないことになっている。彼らは自らを、同性愛者と同じ性的指向を持っていると語り、ペドフィリアに生まれついたからどうしようもないのだ、だから虐げられた性的マイノリティなのだ、と同情を要求する。「善良な」ペドフィリアはネット上にサポートグループを持っていて、そこで自分の経験を話し合うことができる。グループには女性はまったくいない。


変態の増加

   性の解放を推進した次の性的“変態”、言い換えるとパラフィリアはサドマゾヒズムである。他者に肉体的、心理的な暴力を行使する性的実践に執着することは、性革命以前は、DSM(精神疾患の診断・統計マニュアル)ではパラフィリア、すなわち性的変態の一形態とみなされていた。1970年代、サンフランシスコから始まったゲイ主導の運動はサドマゾヒズムの名のもとに、性暴力を非犯罪化することを求めた。今日、それは、一般的には、BDSM(拘束責め、調教、サドマゾヒズム)という包括的な用語に含まれているが、要は、“性的変態”のことだ。この運動はトランスベスティズムやペドフィリアのような他のパラフィリアの運動と同じ形態をとった。

  この運動の支持者たちのほとんどが男性で、サポートグループの組織化、集会、催物、展覧会を通して、彼らの実践を宣伝し、正常化を求めた。運動の重要な側面は、彼らの実践の精神医学診断を変更するよう求めることだ。それは、どんな形であれ、精神病と結びつけられるのではなく、ふつうのセックスの形態として見られたいからである。彼らはこのことを実現した。さらに、自分たちの行為が犯罪とみなされないように、また、子どもの親権を基に差別だとみなされないための法改正の運動へと移っている。後者の点では、彼らはまだ完全には成功していない。

  サドマゾヒズムが正常化すれば、女性の健康、安全、権利にきわめて有害な影響を与える。なぜなら、異性愛の関係では、この実践の犠牲になるのは圧倒的に女性だからだ。女性たちは暴力と支配を経験する。性暴力から自由になる女性の法的権利に悪影響を与える。法改正によって、深刻な影響の可能性を容認するなら、法律の保護を受ける女性の権利を脅かすことになる。女性は虐待されることに「同意」している、と、男性は主張することができるし、実際に主張している。性暴力の正常化は、女性のセックスの経験に無視できない影響をもたらす。アナルセックス、首絞め、その他多くの痛みを伴う暴力的行為は、日常のセックスの要素となっていく。


ブレスプレイ(breath play ) と首絞め(strangulation )

   正常化されているもので、死亡につながる危険性の高いのが、首絞めで、BDSMでは婉曲表現で「ブレスプレイ」と呼ばれている。「ブレスプレイ」には、喉を締め付ける、あるいは首絞めのみならず、頭巾などを使って、窒息させることも含まれる。その活動は、セックスの危険な形態として受け入れられていて、女性雑誌にそのやり方の記事がいたるところに掲載されている。2016年のWomen’s Health(女性の健康) にその行為についての記事があり、それによると、危険度の低いBDSMを取り入れると、魅力が半減してしまうので、プレヤーは、喉締めを使って、レパートリを広げていくことができるという。「もし目隠しやロールプレイで、あなたやパートナーにとって、ありきたりな領域に入り込んでも、並外れて異様だとみなされるセックスの手段はまだたくさんある、喉をしめるなどだ。もちろん、緊張するが、息を制御し、スカーフイング(息を締め付けるためにスカーフを使うこと)で試してみることは、ある人たちにとって、爽快な経験となる。」と書かれている。「Choking as a Sex Move- Is it for you?(セックスの手段としての窒息―あなた向け?)」というタイトルの記事の中では、多くの読者はそれが気に入っている、と書かれている。記事はなぜこの実践が女性にとって興奮するのかセックスセラピストの言葉を引用している。セラピストいわく、「あなたの首に男性の手を回してもらうと、ファンタジーの中に、また恍惚のなかにはまっていく。あなたは彼をエロティックに支配していると感じる・・・」そして、「あなたのドーパミンの受容体が全力で動き出すのである。」

   もちろん、実際、首を絞められていく女性に支配するパワーなどない。死亡事故が起こると、その件数は増えているが、セックスゲームに失敗したという弁解が利用される。イギリスで、女性が男性に殺される事件の29%が、この方法によるものだ。

  絞殺から生き延びた女性がその影響を語っている。「とてもつらくて、呼吸できないのは極度の恐怖だった。10秒から15秒意識を失った。脳に酸素が行かなくて、軽い脳のダメージが起こった。さまざまな影響が長期につづく。気管や咽頭が押しつぶされることや、内出血、めまい、吐き気、耳鳴り、耳からの出血、顔面や瞼の垂れ下がりを引き起こす神経損傷、記憶喪失、何か月か後、血栓が脳卒中を引き起こすこともある。」男性が女性に行うサドマゾヒズムの行為は有害であり、死亡事故につながる。

  変態に包括されるそのほかの男性の行為がある。それほど破壊的な影響力はないが、女性を性的召使として、利用するものだ。ナッピイ(おむつ)フェティシズム、すなわち、大人赤ん坊症候群がその一つで、そのやり方は、自分本位で、屈辱的で、吐き気を催す。


ナッピイフェティシズム(おむつフェチ)

   BDSMの範囲は広がり続けている。今日、男性の多種多様なフェティシズムが含まれている。その実践に共通しているのは、権力関係のエロス化とむすびついていることだ。あきらかに女性に悪影響をもたらす新たな男性の性倒錯が作られ、正常化されつつある。その良い例は、医学的にも趣味の範囲でも定まった名前がまだついていないが、ナッピイフェティシズム(おむつフェチ)とか、大人赤ん坊症候群とか、年齢認識障害(age identity disorder)、幼稚症、その他、さまざまに呼ばれている。成人男性がおむつをはいたり、赤ん坊や幼児のようにふるまったりする。赤ちゃん言葉で話したり、女性に汚れたおむつを替え、お尻を洗うように要求したり、特別な大人“赤ん坊”の服を着用する。彼らは、家庭で、たまに、あるいは常時このようなこと行う。また、人前では、いつもの服装の下におむつを身に着けている時もある。おむつフェチは、個人でこっそりと行わないという点で、他のフェティシズムと似ている。たいてい、家庭、職場で、女性や子供に観察させ、あるいは参加するように強要する。この実践者の中には、妻に自分のフェチに仕え、いつも赤ん坊でいられるように要求する者もいるし、自宅に特別な育児室を作って、自分の世話をするように要求するものもいる。

   女性や子共への影響はきわめて深刻だ。このような男性たちはほかのフェティシストと同様に、気乗りのしない女性たちに協力をもとめ、自分の思いを演じて見せる。おしめフェチは、女性の大学講師やソーシャルワーカー、旅客機のスタッフに汚れたおむつを替えてくれるように要求して、セクハラするケースもある。女性セラピストには、自分のフェチ(崇拝する行為,もの)を見せびらかすために、実際はとても満足しているのに、助けを求めるふりをする。妻には自分を赤ん坊のように扱うように求め、赤ん坊の名前、たいてい女の子の名前を使うように要求する。というのは、おしめフェチはふつうトランスベスティズムと結びついて現われるからだ。男性たちは女の赤ちゃんのふりをして、女性の名前やピンクのよだれかけを用いる。このようにして、無力さを示す二つの形(女と赤ちゃん)が一緒になると、この上ない興奮を感じるのである。

   もう一つのフェティシズムの有害な形は、肥満フェティシズムだ。男は、女性パートナーがかろうじて動けるくらいの肥満になるまで、食べさせることで、性的満足を得る。女性は命の危険にさらされる。もう一つはdronification(ドロニフィケーション)で、ほとんどが男性、たいていトランベスタイトだが、体をラテックスで覆い、ガスマスクを装着し、無機質でメカニックな従順な召使ごっこをする。このような装備を売る多くのビジネスがオンライン上に存在する。フェティシズムのもう一つの形態は四肢欠損性症で、腰を骨折させ、四肢を切断するなどして障がい者になりたいと望む男性のことだ。この性倒錯もまたトランベスタイトと強いつながりがある。四肢欠損性症は別のパラフィリア、身体欠損性愛とつながっていて、四肢を欠損した女性に性的に興味をもつ男のことだ。このような男たちは障がい者の権利のための大会があると、その周辺にうろつき、手足のない女性に近づいたり、メールオーダー花嫁のルートで手足のない女性との結婚をもとめる。かれらは義足を愛撫する。

トランスベスタイト(女装性倒錯者)の権利運動

  トランスジェンダーの権利運動があることはおそらく多くの人に知られているが、それが男性の性的権利運動であり、私が上で概略したが、その運動は、男性が性的自由を求めてきた歴史にぴったりあてはまることは知られていない。トランスジェンダリズム、言い換えると、私はここでトランスベスティズムと呼んでいるが、パラフィリア(性的倒錯)から成っていることは全く知られていないだろう。トランスジェンダリズムと他の運動と異なっているのは、世界規模で、驚異的に広がり、法律を手に入れ、政策を変更させ、現在、女性という言葉の存在そのもの、フェミニズムのいかなる発展も脅かすに至っていることである。トランスジェンダリズムは性とは何の関係もないと見せかけることで、これらすべては成し遂げられてきた。運動を指導しているトランスベスタイトたちはまぎれもなく自分は女性だと言う。彼らの主張の根拠は「ジェンダー」という社会に深く浸透した概念の存在である。「ジェンダー」は、言い換えると、生物的な性を基に、人々に影響を与える性のステレオタイプのことである。女性とは化粧をし、ハイヒールを履くことに興味があり、それが自然なことだと、多くの人は思っている。トランスベスタイトたちは、このステレオタイプが女性の中に自然に存在をしていると信じている。そして、なんらかの生物学的な不運のために、男性に変わってしまうことがあると思い込んでいる。しかし、そんなことはない。女性の脳が存在しているという証拠は全くない。

   トランスベスタイト、言い換えるとトランスジェンダーの権利運動は、私がここで述べてきた性的倒錯の他の運動とまったく「同じ方法」を用いたといえる。活動家たちはキャンペーンを展開し、医療の専門家たちにDSM(米精神医学会精神診断)の分類を変更させ、自分たちの実践を正常なものとした。数えきれないほどの支援組織やビジネスをオンライン上に立ち上げ、ポルノ産業の特に収益性の高い分野を発展させた。さらに、具体的に彼らの権利を承認させるために法律を変えさせた。彼らがほかの運動と異なっているのは、文化や政治を作り変えることに驚くほど成功していることだ。すなわち、他の性的倒錯の運動は、自分の性的興奮のために協力を強いる妻や子供、女性のケアラーたちや専門家たちを傷つけるが、すべての女性や少女の権利や機会に影響は与えることはない。しかし、トランスベスティズムは全てに影響を及ぼす。なぜなら、彼らの執着するものは特に女性を抑圧することで興奮することから成っていること、そのため、彼らはあたかも自分が女性であるかのように法的にも政策的にも尊重されるべきだと主張する。女性が関連するスペース、法律、政策の全ては生物的な性の女性に基づいたものである。女性は差別されているがゆえに、アファーマティブ・アクション、反差別の政策が必要なのであり、抑圧者の暴力から守られなければならないのだ。性的な動機を持った男が女性の領域に侵入するとき、フェミニストが何十年にもわたって、実現してきた全てがひっくり返されてしまう。性はジェンダーに置き換えられる。女性差別的なステレオタイプが法律や政策で守られ、促進される。女性はトランスジェンダーに吸収されていく。

  実は、こうした男性の大多数は異性愛の男性で、性的マゾヒストなのだ。早期に、ふつう11歳ごろから、性的興奮を得るために、たいてい姉や妹の下着や服装を身に着けるのである。男性優位の下では、女性は従属階級であるので、女性らしさとみなすものを取り入れると、貶められるという心地よい興奮をもたらしてくれるのである。このことは彼らのポルノや研修プログラム、オンラインのブログ、フェイスブックをみると明らかである。彼らは性的フェチで、女性の衣服、体のパーツ、態度、妊娠や生理といった生物学的機能に異常に執着し崇める。自分は性自認が女性だと主張する男たちの中で、その少数者はゲイなのだが、それに満足できず、異性愛の女性として見られたいと思う。男たちの大多数は異性愛で、自らをレズビアンとみられたいと思っている。これが性的に興奮するので、妻にレズビアンのふりをさせようとする。レズビアンの出会い系アプリやクラブに潜んで、レズビアンに自分とセックスするように圧力をかける。相当数の男性がホルモンを服用し、手術も何度も受けているかもしれないが、一般的にはペニスを温存している。ペニスを失うと、性的興奮を得るのに問題となるからだ。多くは髭もたくわえている。

  性自認が女性であると主張する男性の大多数は、女性を怖がらせるという性的な動機をもった昔からある服装倒錯者にすぎない。新たに生まれたタイプなどではない。著名な性科学者(性行動の研究)のなかには、理論的研究と、このような男性を扱ってきた膨大な経験から、彼らは「オートガイネフィリア」という自分自身のなかの女性を愛する性的倒錯であると証明している。このような男性たちは様々な形で女性を真似る。オートガイネフィリアの一つのグループは女性用だとみなしている服装を身に着けることだけに関心がある。女性の下着を身に着けたいと思い、フリルのついた窮屈な下着を普段の仕事着の下に身に着けることもある。あるいは、ポルノスターさながらに、人前にでて、歩いてみることもある。このグループの中には、10代のころ、マスタベーションをするために女性の下着を盗んでいた者もいる。別のグループでは女性がするものだとみなす活動、たとえば、編み物に従事するのを好む者もいる。このグループで、「売春」女性のもとを訪れ、露出の多いフランスメイドのコスチュームを身に着け、自分に家事を「強要」するよう求めるのである。しかし、このような男たちは自宅では家事は一切しないであろう。なぜなら彼らは家事を価値の低い女の仕事だと考えているからだ。オートガイネフィリアのもう一つのグループは女性の生物的身体を真似ようとする。ナプキンと赤インクを使ったり、女性用トイレで使用されたタンポンを探し出して、お尻に詰め込んだりして、生理になっているふりをすることを好む。また、ゴム製の女性の体のパーツ、外陰部や体全体のボディスーツを身に着ける。おそらく、鏡の前で、例えば、ゴム製の乳房を愛撫するのであろう。最も熱心な男性はホルモンを使用して、恒久的な体の変化を求める。中には、ほんの一握りだが、自分の生殖器を切除する。このタイプはかつてトランスセクシャルとよばれていた人たちである。このような男性はほとんど例外なしに、彼らの行動の背後に性的動機があるという含意の一切を否定し、公的に禁じること求める。なぜならそうであれば一般の人々の同情もさめてしまうだろう。

  男性たちの性的な動機をしめす最もよい証拠は、彼ら向けの大量のポルノグラフィそのものだ。トランスジェンダーポルノは、数年を遡っても、この産業の10%を占めるが、今ではさらに増えているだろう。ポルノでは、男性がむりやり女性に変えられるストーリを映像で表現するのが定番だ。そこには、男性が授乳したり、妊娠したり、幼い少女になったり、おむつをしたりするポルノグラフィが含まれる。トランスベスタイトの比較的新しいポルノはSissy Hypnos(シシ―ポルノ)で、催眠術の一種だ。男たちはナレーションにのってポルノを鑑賞し、自分がスクリーンの中の女性であると錯覚していく。ソーシャルメディア、特にRedditにあるおびただしい数のsissy討論サイトの男性たちは、このポルノから得た性的興奮について語り、今、自分が女性なのかどうかを問いかける。トランスしたいという高まる感情について語る。

  トランスジェンダーの少数派はゲイで、その動機はオートガイネフィリアというより、自己憎悪である。トランス活動家が作ったトランスジェンダリズムの思想と実践は女性にまで広がっている。ほとんどがレズビアンであり、子供であり、ほぼ同性に惹きつけられる。女性や子供をトランスジェンダリズムのなかに含めてしまうことは、トランスベスタイトにとって都合がいいだろう。なぜなら男性の性的な動機をあいまいにできるからである。女性と子供はトランスジェンダー権利運動の巻き添え被害を被っている。女性や子供たちは全く異なった理由でトランスしているのである。


第3回

SEXを基礎にした女性の権利運動に与える脅威

  トランスジェンダーの権利運動は、1990年代から性自認に基づく男性の性的権利のためのキャンペーンを始め、めざましく成功している。この要求は徐々にエスカレートしてきている。国際機関、各国の立法機関、多くの地方自治体が彼らの活動に圧倒され、屈服してきている。一つの理由は、製薬会社が提供する巨額の資金であり影響力である。製薬会社は、多くの場合、子どもを生涯薬漬けにして利益を得ている。例えば、アマゾンはトランスジェンダリズムに批判的な多くの書籍を全面的に禁止したり、影をかけたり、部分的に禁止したりしている。それはおそらく、2019年以来、製薬産業に参入して、病院やクリニック向けの医薬品や医療機器の主要な供給先となろうとしているからであろう。トランスジェンダリズムによってつくられた巨大マーケットに批判を向けることは、アマゾンの商業的目的と反することだ。トランスベスタイトの億万長者の慈善家は、トランスの積極的行動主義に資金を提供している。多くのレズビアン、ゲイ、人権の非政府組織も資金を得るためにトランスの権利問題を取り上げ、大きな影響力を行使することが可能となっている。

  フェミニスト組織は、トランスベスタイトが持つ影響力にすこしでも対抗したいが、十分な工作員も資金もない。しかも、最近まで、ほとんどは、何が起こっているのかわからなかったのである。なぜなら、トランスベスタイトのキャンペーン活動は意図的に目立たぬように実行されてきたからである。

  トランスベスタイトが大成功をおさめた政策は、まず、自分たちを法的に女性だと認めさせることであった。そして、男性優位下で、女性にもたらされる深刻な不利益や暴力を軽減するために設けられた女性専用のスペース、スポーツ、機会に参入することを可能にすることであった。人権は人間の尊厳に基づいている。女性のスペースは女性の尊厳とプライバシーを守るために設けられている。トランスベスタイトはこのスペースに参入し、女性の身体の安全と福祉に深刻な脅威を与えることに成功している。今、多くの国で、彼らは女性用トイレ、更衣室(ロッカールーム)、刑務所やシェルターを利用することができる。女性の平等を確保するために別枠で設けられている参加の機会や賞にも挑みがかっている。彼らは大学からプロ、オリンピックに至るまで、女性スポーツに参入してきている。女性や少女が男性と競争しなければならないスポーツは公平であり得ない。男性は女性が手にするべき賞を奪っている。さらに、女性の文学賞をめぐる競争にも参入し、女性から機会を奪っている。女性のものであるすべてに参入することは世界規模で行われており、それはほぼ完成間近だ。

  しかし、それで終わらない。彼らの帝国はさらにもっと拡大する。今、医学、教育、政治、法律の領域から、SEXとしての女性に適応される言葉を排除することに成功している。彼らからすると、こうした言葉から自分たちが排除されていると感じるからである。そういうわけで、妊娠している女性は、妊娠している人となり、breast feeder(母乳を与える人)はchest feeder (胸を与える人)となる。女性が独自に求める健康のニーズを実現するためにフェミニストたちが何十年にもわたって積み上げてきた成果をすべて危険にさらすものであり、特に女性にかかわる医学の領域から女性がかき消されてしまう。性別によって人を特定する法的な力は犯罪統計学からはすでになくなっている。メディアは、レイプ、殺人を犯す男性を、女性の代名詞を使って呼び、あたかも女性がこうした犯罪に責任があるかのように報じている。多くの権限を有する法廷で、暴行された女性たちは、加害者に女性代名詞を使わなければならない。男が女性たちを「彼女の」ペニスを使って襲ったとあえて言わなければならない。

    多くの人々に有害な帝国が、トランスジェンダーの権利運動から四方に広がっている。男たちは、結婚生活を何年も続け、子供も儲けた後、突然自分は女性だと言い、今はレズビアンになったので、妻に自分とはレズビアンセックスをするよう求める。この男たちに、彼らの妻や女性パートナーたちは傷つけられる。男たちが性的倒錯に執着することで、妻や母親、子供たちに深い悲しみを引き起こしている。

  ビジネスが収益を求めて、子供の性転換をすすめ、(そのほとんどが若いレズビアン)それが加速していくとき、子供たちへの害は深刻である。子供たちは薬を投与され、結果、思春期を遅らせ、脳や骨の発達を妨げられ、性的な快感を得る機能を破壊され、生殖機能を壊されるかもしれないのだ。レズビアンへの深刻な害をもたらす。外科的切除と生涯にわたる薬の投与で男になれると説得される子どもたちだけでなく、女性パートナーのガールフレンドが性転換して、異性愛の男になるとき、レズビアニズムは壊される。またトランスジェンダーの男たちは、レズビアン出会い系サイトに紛れ込み、トランスフォビアと批判されたくなければ、ペニスの挿入をみとめるよう圧力をかけ、レズビアンを傷つける。

  トランスベスタイトの活動のもう一つの影響は脅迫といやがらせで、女性の表現の自由を制限することである。この脅迫がトランスベスタイトの権利運動とほかの権利運動の違いを示すよい例である。これは殺害の脅迫にまで広がる。英国トランスジェンダー連合は2021年2月、あらゆる権利運動はその目的の実現のために暴力を行使しなければならない、という考えを述べ、「あらゆる公民権運動は結局、流血をもたらした。ある集団が地位を譲り、やむなく従うのではない。一旦Terfたちが殺害され始めたとき、法律は変わるだろう。」Terfはトランスジェンダー活動家が考案した言葉で、自分たちに同意しないフェミニストのことだ。彼らが準備しているもう一つの脅迫はスペインの副首相であるCarmen Calvoに向けられている。提案されている性自認法に批判的だったからだ。2021年、2月19日、International Women’s Dayにちなんで名づけられたSantiago de Compostelaという町の中央広場の木に彼女に擬せた人形が吊るされていた。人形の首の周りのメッセージから、その場所とともに、彼女がフェミニストとして標的にされていることがわかった。

  多くの女性議員や著名な女性たちが‘トランスフォビア’であるとして、嫌がらせや脅迫を受けている。英国カンタベリーの下院議員、Rosie Duffieldは「女性だけが子宮頚部を持っている」とツイッター投稿した後、生命を脅かされ、「心底恐怖を感じた」と通報している。トランスジェンダー活動家をなだめるために採用した表現、子宮頚部を持った人々という言葉に対し、公的な言説から女性を消していくやり方に反論する投稿をしたのだ。

反撃

  男性が性的権利のキャンペーンに大成功できる理由の一つは、女性たちは何が起きているのか知らないからだ。私たちは知る必要があると心から思う。たとえその事実が、不安を掻き立てられ、この上なくうんざりさせられるものであっても。何が起きているのか知ることは、反撃することができるということなのだ。フェミニストは、女性や子どもを傷つける男性の性的権利の行使と闘ってきた。私たちはレイプ、買春、ポルノグラフィ、ペドフィリア、サドマゾキズムとの闘いに一定成功してきた。トランスジェンダー権利運動に対して、新たな闘いを手にしている。この闘いにおいても、男性の自由、特に性的自由を制限しようとする私たちの理念が引き起こす男性の怒りと闘うことになるだろう。しかし、私たちはかなり成功してきている。過去数年で、多くの女性組織が立ち上がり、彼らの女性自認を法的に正当化することに対して闘い、私たちの批判を「ヘイトスピーチ」として全面禁止する動きとも闘っている。私は2019年、a Declaration on Women’s Sex-Based Rights (女性の性に基づく権利に関する宣言)を作成した「女性人権キャンペーン」にかかわっている。この目的は、ジェンダーに基づいて性を自認する男性が、法律上、女性の範疇に入ることに、世界規模で、異議申し立てをすることである。133か国の女性たち、16000以上の署名が集まっている。世界中で、数百人もの活動家が参加している。特に英国で、訴訟や政策の変更に多くの勝利を獲得している。私たちは、1970年代に、ペドフィリアに反対して行動したように、運動を展開している。私たちには資金もないし、有給の活動家もいない。しかし、私たちには、女性の怒りのエネルギーがある。

  私たちは、男性の性的抑圧の重圧をはねのけるため闘っているが、いつも、後手に回っているようにみえるときもある。女性解放運動の時代にそうしたように、女性のコミュニティや女性の文化を築くことに集中でき、女性と少女のために本当のオールターナティブを創造できれば素晴らしいだろう。その時代が再びやってくるだろう。しかし、まず、男性が自分たちの性的なファンタジーの承認を求め、人権である女性の権利に挑戦し、抑制し、廃止を求めること、これらの要求は正当だという思想を根絶しなければならない。私たちの究極の目的は、エロス化した男性権力と女性の従属化を基礎にした男性支配のセクシャリティを解体することである。私たちはセクシャリティの平等を作り出す必要がある、と考えている。(おわり)




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