北海道警察では、毎年夏ころから冬にかけて
柔道大会、剣道大会、逮捕術大会
なるものが年一で開催されます。

まず先陣を切ったのが柔道大会、毎年柔道から剣道、逮捕術と開催されていきます。
その間に各方面本部でのけん銃大会。
ちなみに北海道警察の各方面本部は
〇札幌方面
（これはキャリア組のお偉いさんが全国の警察本部長をぐるぐるまわっているので、札幌方面は本部長が頭、ただのお飾り警視監です。）
（階級の警視総監は全国で1人、のこりの各都道府県警本部長はその一個下の階級警視監なので、本物の警察トップは1人だけです。）
〇旭川方面本部
（私がいた当時で、ノンキャリアの現場たたき上げのすんげー人が巡査から旭川方面本部長にまで駆け上がったと言われていた方面）
（旭川方面管内をまとめる本部です、旭川、足寄、稚内とか）
〇釧路方面本部
（旭川と同じく釧路方面の各警察署をまとめる本部、釧路方面本部長がいます）
〇函館方面本部
（同上、函館方面本部長がいます、ここの本部長は過去に女性の本部長がいてちょっと話題になった場所です）（あと不倫Dragon Ball事件があった場所）

この４方面がそれぞれ時期をずらして方面にいるけん銃自慢の計警察官を集めて大会を開きます。
ちなみに大会を開く理由ですが、
こんな大会でもなきゃけん銃を撃つ機会がないのです。
警察学校でけん銃の授業はありましたが、それ以外撃ったことありましぇん、という警察官がまあ多い
けん銃大会はいちおう警察署単位で開催され、警察署の代表数名が選出されて大会に臨みます。
選出方法は、警察学校の成績と、過去のけん銃大会の記録
警察学校でけん銃へたくそな警察官はもうこの時点でおそらく一生けん銃をうつことはないでしょう。
警察学校を卒業したらけん銃大会でしかけん銃を撃ちませんので。
大会で優勝から3位までは賞状をもらえます。いちおう優勝すれば警察署の名誉ですからね。

あと大きな声では言えませんが、けん銃を撃つにも予算というものが存在します。
都道府県警察をめとめる警察庁というところが国から金を引っ張ってくるのです、けん銃の玉買うから金くれって、けん銃訓練するにも税金です。
ただ訓練しない、玉撃たないでは予算が削られますので、定期的に消費して「やってまっせー」と国にアピールして予算を最低限削られないようにするのです。

話はずれましたが、こんな感じで各大会が毎年あります。
私は、全部の競技をかじっていたので、毎年術科半分仕事半分でした。
ただ刑事でしたので、術科の訓練が終わったから帰りますでは仕事になりませんので、術科が終わってから書類をまとめたり張り込みいったり、鬼の体力を保っていました。
つまり、仕事100、術科50　の150％でした、そのかわりプライベートは２くらいでしたね。

新人は、まず若いから選出されるのと、元気だからという理由で選出され、例にもれず私も柔道大会の道に足を突っ込みました。
同期はというと、若いけどやる気ない元気ない陰キャでしたので、術科とは縁がなかったですね。

柔道大会の選出は8名、大会選手は５名、補欠３名（そのた練習相手と雑用係のため）でした。
監督っぽい人がいて、大会の前日まで選手は決めないから、みんな前日まで気を抜くなと言われました。なるほど

メンツはみんな体がデカい
刑事課２人（一課と二課の人）生活安全課1人、警備課1人、地域課2人（私含め）、交通課1人、警務課１人
でした。
さあ、訓練だ
まず新人はこやつらの面倒の見方を指導されます。
日々訓練が始まる前に用意すること、最中の水分補給、訓練後の清掃片付け
雑費を預かり、テーピングやドリンクの補給・・・
なるほど、雑用がほしかったのね。

実力で全員ぶち抜いてやる。（当時は警察学校で始めて柔道を始めた程度の実力です）

一応黒帯を腰に締めていて段位は初段
警察学校では同期を2人ぶん投げたら初段やるよーってシステムでした。
しかしこれは講道館という柔道の公式みたいな場所の認定ではなく、警察内部での初段の効果しかなく、例えば一般の柔道大会には白帯を締めなくてはならないという決まりがありました。
当時、同期の1人に負けたので警察学校では白帯でした。
私は悔しくて教官にチャンスをくれとお願いしたら、「じゃあ、講道館の公式で黒帯取得にいくか？」と言われ公式のチャンスを頂きました。
公式だからその条件は厳しく、5人の勝ち抜き戦でした。
その日に５人ぶん投げたら初段、負けたらさよならでした。
まじか・・・

相手は高校生以上の柔道黒帯未満・・・
結論は、柔道やっています、高校生柔道部、大学柔道部ですという丸坊主5人をすべて内股でぶん投げてオール1本勝ち
で公式で初段をもらいました。
教官はなぜか腹を抱えて笑っていました、のちに笑っていた理由を聞くと「本当に5人投げやがったすげー」だそうです。
あの時はゾーンに入っていたのでしょう。勝てる気しかなかったです。