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メディア芸術祭へ。


原稿でバタバタしていて少し間があいた話なのですが、一週間ほど前、日本科学未来館で行われたメディア芸術祭の授賞式に行ってきました。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー日本科学未来館には数年前に一度訪れたことがある。

二階フロアの常設展示を眺めていたところ、突如子どもたちの歓声が沸き起った。驚いて振り返ると、壁の隙間から場違いな宇宙飛行士が飛び出してきた。

一瞬ギョッとしたが、よく見たらそれはアシモであった。
本田技研が作った二足歩行ロボット「アシモ」である。

少し高めの可愛い声で自己紹介するアシモ。
体全体を使いスムーズに動いているんだよと自慢してくるアシモ。
言葉通りなめらかに踊るアシモ。
なんとなく重心を腰の下に据えて味のある小走りをするアシモ。


遠目で眺めながらも興奮し、その一挙手一投足を見逃すまいと眼球は右往左往。自然とショーが行われているスペースへ近づいていく。司会の女性の号令と軽快な音楽とともに躍動するアシモ。
「これはとんでもねえヤツがあらわれた…」
いつしか私は子どもたちと一緒に、手を振り声を上げ熱狂していたのです。
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「アシモはまだ踊っているんだろうか」

それが数年ぶりに日本科学未来館を目の前にして思ったことです。


展示内容は担当の編集さんとメディア芸術祭の展示担当さんとで決めていただきました。
私家版の「きつねとたぬきといいなずけ」の本やキャラ表。また、カラーの絵をパネルにしたりなどして飾っていただきました。
ありがたいことです、本当に。

ジャケットに立派な胸章をつけてもらう。こんなの初めてで少し恥ずかしかったんですが、受賞者みんなつけてたので徐々に慣れてしまった。

社会人になって人生で賞をもらう日が来るとは思ってもみなかった。
トロフィーと賞状を壇上で受け取る。平気そうな雰囲気を出してますが、極度の緊張を和らげるため頭の中ではアシモが踊り狂っている。


授賞式は無事に終わりました。
その後、担当編集さんと合流。控室でトロフィーと賞状を受け取って家路につく…予定でしたが、せっかくなんで一杯やりましょう!となりました。

中華屋で担当さんにトロフィーを見てもらう。
想像より重いしデカい。スゴイスゴイ!と喜んでくれる担当さん。こちらも嬉しい。
自分は壇上などに立ったり受賞席などでかしこまって座っていたので、上記の写真の殆どは担当さんが撮影してくれたものです。普段も、また、こうした特別な日もいろいろとお世話になっています。

授賞式の数日前に友人と話をしたとき、「メディア芸術祭も夜ふかし大賞も、出版社の営業の力なのかと思ってたけど、そうでもなさそうやね」などと言われたことを酒のツマミがてら話しました。
笑いながら「そんなことできるわけないですよ~」とのこと。

「そうですよね」と相槌を打ちながらも、かといって受賞が実力に見合っているかと問われたら…、なんとも言えない気持ちになる。
メディア芸術祭では受賞作品以外に「推薦作品」ということで沢山の漫画作品が並んでいました。全てを読んではいないですが、素晴らしいものが本当にたくさんありました。どれが受賞してもおかしくないし、改めて考えてみて、自分が受賞してるのが不思議に思えるくらい。
 
運が良かった。それもあるでしょうし、何らかの意図・基準があったのかもしれません。実際のところは全くわかりませんが、受賞したことを真摯に受けとめ、やれるところまでがんばるぞと前向きに思いつつ、ふらふらと家路についたのでした。



それはそうと、結局アシモは今も踊っているのか。
気になって調べたところ、残念ながら今年のはじめに卒業していました。

好評につき実演日の追加などもされていたようで…。
たくさんの人に感動を届けてきたのだろうなアシモ。
20年なんてすごいな。


日本科学未来館で開催中の文化庁メディア芸術祭、今月26日まで。
アート、映画、漫画とまとめて見られる展示会です。
お時間あればぜひ。

トキワセイイチ


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