見出し画像

1 最高のマニキュア

昨年の3月、最高のマニキュアを見つけてしまった。
旅先で私の目を離せなくさせたそれを、店頭で塗り、購入して塗り、帰宅してからも絶えず塗っている。

気がつけば同じ色を塗りつづけて1年になった。

それはピンク色なのだが、光の当たり方で色合いが変わるところがいい。
爪に塗ると照り焼きのようにペカーとしたピンクで、そのまま手を傾けると、ピンクと青とオレンジのラメを輝かせながらベージュを帯びてゆく。言葉で表しきれないのが本当にもどかしい。

さらに傾けると透明になり、元の爪と同化する。この同化する性質のためか、剥げてしまっても目立たない。半分くらい剥げたら、付け足すように塗るだけだ。ムラになっても綺麗なので、別に塗り足さなくてもいい。

爪を傾けている間は時を忘れる。そしてなぜか、太陽が沈むときの輝きを思い出す。

太陽が沈む途中の、全てを照らすようなまばゆさから、完全に地平線の下に入った後の嘘のような静けさまでの、永遠のように感じる一瞬を思う。

仕事中にちらちらと光るラメが目に入ると、それだけで少し救われた気分になる。
気分なんて簡単に変わるものだ。

様々な色が光るものといえば、例えばイルミネーションがある。
しかし人混みの中への遠出より、このマニキュアを見れば満足できるのだと、声を大にしたい。

だってルミナリエはこの手の中にある。(会社の人からは、1回でもルミナリエ行けばそんなこと言えないはずだと言われた。うーんさすがにそうか) それでも最高のマニキュアにはちがいない。

espoirのglimmer glam

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?