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きみの話を聞かせてくれよ

計7つのストーリーでは、
葛藤、よくある勘違い、自分に対する評価など、
中学生という年齢特有の心情の揺れ動きが丁寧に描かれていて、
共感する場面がたくさんありました。

その中でも、やはりキーパーソンとなっているのが
「黒野良輔」でしょうね。
言ってみれば、脇役です。
でもこの本の主人公とも言えるキャラクターです。
特定の部活に入らずにふらふらと立ち回っているのも、
「人間ほどおもしろいもの、ほかにないですよ。」と言うのも、
ちょっとした数々の仕草も、
すべてが読者に対する伏線になっていて、
改めて読んだとき、面白さが倍増しました。
あと、全ての友達の名前をフルネームで呼んでいるのが珍しく、
多少の違和感を持ちながら読み進めるのですが、
その点も、「たぶんこういうイメージを読者に与えるためなのかな?」と
意味づけられる面白さも味わえました。
自由に立ち振る舞い、友達思いのこの人物、
とっても印象に残りました。

                         書いた人:H.K

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