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中山土建株式会社(鳥取市天神町)

昭和52年2月の創刊時から連載されていた、山陰の事業所を紹介する『事業所めぐり』をnoteで順次紹介。今回は昭和52年8月5日号より、中山土建株式会社の記事をご紹介します。
※地名、会社名など各種名称、役員、事業内容・方針、広告内容等記載内容は掲載当時のものです。


【事業所めぐり35】中山土建株式会社(鳥取市天神町)


 
“総合建設業者”として県内では、常に業界のトップ・クラスにあり、県東部を中心に県内全域をエリアとして一般土木、一般建築、舗装工事、いずれにも力を入れている。

昭和24年4月、現会長の中山牧蔵氏が中山土建林業㈱を創立したのが同社の始まり。同年10月19日に建設業の知事登録を許可される。26年5月1日には、現在の中山土建㈱に商号変更し、27年6月28日、建設大臣の許可を得て総合建設業者としての歩みを始めた。その後、厳しい業界環境の中にありながら「受けた仕事は、最後まで責任を持って完遂する」という仕事に対する誠実さが評価され、順調に業界での地歩を築き上げてきた。また、高度経済成長期には、業界の上伸とともに業績を伸ばし、増資を繰り返しながら現在のトップクラスに。

48年以降、業界を取り巻く環境はますます厳しくなる一方で、低成長期を迎えた現在、高度成長期のような「待っていても注文がくる」という時代は終わり、今は限られた仕事量を各業者でわけ合っている状態。その上、近年は県外大手企業が進出、地元中小企業の存続を脅かしており、厳しさに拍車をかけている。

同社も48年以前に比べれば、受注量は減少傾向にある。しかし、数十年ものキャリアを持つ現場監督が十数人、それぞれ自らが社長の代理として責任の全面的委譲を受け、工事に全力投球しており、さらに、これまでに着実に積み上げてきた同社の実績などにより、確実に年間完工事高10億円程度の受注量を、ここ数年確保、維持している。昨年は11億6500万円の完工事高だった。

現在、戸倉峠の道路拡張工事、鳥取市の湖東中学校校舎改築、明豊のほ場整備工事を手がけるなど、ことしは完工事高12億円以上を目指す。なお、不足人員は公示ごとに充足している。

「これからは、昔と違って企業が発展、進歩するためには、若い人の教育が重要で、社長と社員という立場を考えず、社員も社長になった気持ちで経営に参加し、一致団結して会社内容を充実させることにより、企業も伸び、経常も成り立つ」(社長)というモットーの下に、各社員にそれぞれ責任を持たせ、社長の立場で仕事を進めるように努めさせるとともに、社長と社員がなんでも話し合える円満なふん囲気が社内に生まれるよう心がけている。
公共工事の前倒し発注も掛け声ばかりで、実際には内容が薄くあまり期待できないため、ことしも昨年と同様に厳しい環境が予想される―とみており、こうした業界を生き抜くため、これらの経営方針の下に優秀な社員を育成して行かねばならない、としている。

また、同社は「他人に迷惑をかけず、世話にもならない」の精神で、受けた仕事は自力で全うすると自信のほどがうかがえた。(昭和52年8月5日号)



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