宇津峰の決戦|岡田峰幸のふくしま歴史再発見 連載123
南北朝時代の西暦1352年(南朝・正平7/北朝・文和2)3月24日、奥州の南朝大将・北畠顕信が南朝皇子の守永王を伴って宇津峰に入城した。宇津峰は郡山市と須賀川市にまたがる標高677㍍の独立峰である。この時点ですでに奥州で南朝に味方するのは、宇津峰を含む田村地方の領主・田村氏のみ。しかし田村氏は孤立無援ながら、居城の守山(郡山市)のほか四方八方に10カ所以上の城を構築し守りを強化する。さらに阿武隈川を越え、西岸の佐々河城(郡山市笹川)も確保した。佐々河には宇津峰へ直通する道と