スクリーンショット_2019-08-04_22

台湾の公式医療系アプリ「MY HEALTH BANK」を使ってみた

今回は最近使ってみたアプリについてご紹介したいと思います。

台湾のユニバーサルヘルスケア制度

画像10

台湾では「全民健康保険(National Health Insurance)」と呼ばれており、1995年から実施され、基本的に台湾で戸籍を持っている人全員が、強制加入する制度となっています。

納付者は加入申請を行なった後、定められた保険費用を毎月一定額納付し、「全民健康保険カード」(2004年1月よりICカードに変更)を発行してもらえます。

日本と同じく、病院やクリニックで医療サービスを受ける際に、カードを提示することで医療費及び処方費の一部を納付し、不足分は病院が健保局に対し支払い申請を出すシステムとなっています。

電子システム化が進んだ台湾の医療

台湾の健康保険は電子システム化が進んでおり、保険証もICカード仕様になっています。また、個人の受診記録やお薬などの情報がクラウド上に保存されており、医療機関や個人が、一定期間内に複数の医療機関を受診した履歴データなどを、オンライン上で閲覧することができます。

そこで今回は、2014年より台湾の衛生福利部中央健康保險署がサービス提供を開始した、医療情報系アプリ「健康存摺(My Health Bank)」(日本語に直訳すると、健康通帳)を、実際に使ってみることにしました。

画像1

アプリを実際に使ってみた

まずはログイン画面。身分証番号(マイナンバー)と、あらかじめ設定したパスワードでログインします。

とても重要な個人情報を扱っているため、端末認証をしないとログインできないセキュリティ対策が取られています。

方法は2つあって、台湾現地の4Gのデータ通信を使ってログインするか(Wi-fiではダメ)、もしくは健康保険証を、USB経由のICカードリーダーなどを使って認証をするかです。

構成要素-02

ログインが完了すると、このように9マスのアイコンが表示されますが、今回ご紹介するのは、そのうちの1つ「HEALTH BANK」についてです。

タップすると、よく使う機能が6つ表示され、これは後ほど自分で設定して変更ができます。

構成要素-03

左上のハンバーガーをタップすると、メニューの機能一覧が表示されます。

情報を管理&閲覧するにはアプリを使う本人以外にも、18歳未満のお子さんや、成人で他人にヘルスバンクの管理権限を依頼した場合(夫婦やパートナーなど、個別に窓口で申請が必要)は、他人の情報を管理&閲覧することができます。

構成要素-04

機能一覧を、日本語で整理してみました:

構成要素_アートボード 1

主な機能をざっくりまとめて見ると、

・受診記録(大きく分けて西洋医・漢方医・歯科)
・入院や手術をした記録
・お薬手帳
・次回の受診日のリマインド機能
・様々な測定結果資料(エコー検査、胃カメラなど)
・予防接種情報
・がんの予防
・健康啓発の記事や施策

複数の病院やクリニックで受診した記録や、個人の予防接種記録各種検査の結果など、クラウドに保存されていることからこそ、このアプリ一つで一元管理&閲覧ができるようになっています。

構成要素-05

▲(左)直近の受診記録 / (右)ここ3年かかった西洋医の病気ごとの受診回数を表したグラフ

構成要素-06

▲(左)お薬の種類別の数を表したグラフ / (右)お薬を処方した病院の一覧

構成要素-07

▲(左)身体基礎データの入力 / (右)入力画面

構成要素-08

▲(左)次回受診日のリマインド機能 / (右)肝臓がんリスクの簡易的な予測が可能

使ってみた感想

サービスが始まって5年ほど経ちますが、このサービスを知ったのがちょうどここ1年くらいで、こんなに自分の知りたい体についての情報が詰まったアプリがあったんだ、、というのが正直な感想でした。しかし台湾ではまだあまり広く認知、活用されていないように感じています。今後の課題ですかね。

まだこのアプリのすべての機能を使いこなせていませんが、個人的に使ってみた感想をまとめてみました:

いいと思った点
・様々な自分の体や健康に関する情報が、一つのアプリで管理できる
・お薬のデータなどを勝手にグラフにしてくれるので、一目でわかりやすい
・自分が生まれた時から受けた予防接種の一覧が見れる(←これものすごくいいなと思いました)
・様々な医療に関する煩雑な手続きが、アプリで済ませることができる
●改善が必要だと思った点
・これほど膨大な情報と機能を扱う「HEALTH BANK」は、このアプリから切り離して、独立した一つのアプリにしたほうがいいと思った
・アプリ内に出現するHEALTH BANKのロゴの書体にばらつきがある
・UI全体の色の整理が成されていない
・至る箇所でパーツが変形していたりと、デザインの完成度があまり高くない

今回ご紹介したのは、このアプリの一部分にすぎませんが、そのほかにも国民健康保険の各種手続きや、保険料の支払い、それから病院の検索などにも使えます。

それでは、また!

この記事が気に入ったら、サポートをしてみませんか?気軽にクリエイターを支援できます。

2

Seikyo Jo

デザイナー。日本と台湾のハーフ。国立台湾科技大学商業デザイン学科を卒業後、東京のデザイン会社に就職。 台湾やアジアのデザインについて語ります。 http://seikyo-jo.com/
コメントを投稿するには、 ログイン または 会員登録 をする必要があります。