疲れている時の食べ方

疲れている時や、なんとなく調子が悪い時の食べ方 - 養生大意抄04

今回は食事の取り方と、食後にするとよいことについて。

1.忙しくせわしい心のまま食事をすると、身の養いにならない

【原文】
食は細(こまか)に嚼(かみ)緩(しつか)に咽(のむ)を法とす。細にかめば化(こなれ)やすく緩(しづか)に咽(のめ)ば滞らず。よく食物胃府(いのふ)に落着て気血と成てよく身をやしなふ。心忙くせわしく食すれば滞り易く化(こなれ)がたくして身の養にならず。却て害あり。此故に凡食事は万事をやめて心静に食すべし。故に聖人も食するときは語(ものが)たりしたまわずと郷党篇に見へたり。

【意訳】
食べものは細く咀嚼して、しずかに飲み込むべきである。細かく咀嚼すれば消化しやすく、しずかに飲み込めば滞らないので、食べ物が胃に落着いて、気血となり、うまく身をやしなうのである。心忙しく、せわしく食事をとると、滞りやすく消化しづらく、身の養いにならない。かえって害がある。そもそも食事は万事をやめて、心静かにとるべきである。だから「聖人も食するときは語(ものが)たりしたまわず」と『論語』に記載されているのだ。


2.食後はベルトをゆるめ、姿勢をよくして息を深く吐き出す

【原文】
食後には帯をゆるめ腰をのべ、気をのびやかにもちて、静にいきをぬくべし。食気とどこほらず。

【意訳】
食後には帯をゆるめて腰を伸ばし、気をゆったりとさせて、静かに息を吐くとよい。食気が滞らない。


3.ひとこと - 疲れている時や、なんとなく調子が悪い時の食べ方として

 よく噛んでゆっくり食べると体によいというのは、まあ誰でも知っている。ただ、早食いが習慣付いてしまっている人にとっては、これはものすごく難しい。私は食べるのが早い方で、今までよく噛んで食べる試みを何度もしてきたが、続いたことがない。

多分これは絶対に直せないものだとあきらめているが、『養生大意抄』の今回読んだ部分では「早食いをすると身の養いにならないどころか、かえって害がある」とあるので、また少しは気にしてみようかとも思った。とりあえず、体調の悪い時だけでもやってみよう。

皆さんも、ちょっと疲れている時などは、体を癒すために、腹八分目にしてゆっくり食べてみてはいかでしょう。


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