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地ワインの未来

始めて食べたワイン用ブドウの’’ピノ・グリ’’。意外と甘酸っぱくておいしい。だが実が少なく種もあるので、食用には適さないのだろう。

逢瀬ワイナリーは創業4年目を迎える。

三菱商事が立ち上げたワイナリーで、福島産のブドウ・もも・りんご・梨を使ってお酒を造っている。ブドウは福島の13軒の農家さんが栽培した各品種を使って醸造していて、まだ発展途上ではあるが農業王国の福島で作るブドウには大きな可能性が秘められている。

ワインの味はほぼ、ブドウで決まる。

ワインの製造工程は、同じ醸造酒である日本酒と比べてシンプルだ。簡単に言うと、ブドウを潰してジュースにし、酵母で発酵させて濾過したら出来上がる。
だからこそ、ワインはブドウ作りから始まり、農家さんと協力してより良いブドウ作りに取り組んでいるのだ。
フランスをはじめとしたヨーロッパでは紀元前のローマ帝国時代からワインが作られていて、その土地に合ったブドウの品種が栽培されている。例えば、ボルドーならカベルネソービニヨンやメルロー、ブルゴーニュならピノノワールと言った具合だ。
日本のワイン用ブドウでも、山梨県の甲州という品種は日本で1000年以上前から栽培されている、山梨県の気候にあった品種だ。不思議と、その土地の料理にも合うのがお酒の不思議。

ここ逢瀬ワイナリーでは、この土地に合う品種を現在模索中で、圃場で各品種を試験栽培している。当たり前だが、ブドウ作りは木から始まる。ワイン用のブドウは、よく見る食用ブドウとは異なり、棚吊りでは無く垣根上に栽培される。1年目に上に伸ばし、2年目に横に伸ばす。3年目からやっとブドウが実る。つまり、4年目の逢瀬ワイナリーはスタートラインにたったばかりなのだ。この郡山の地に相応しいブドウ品種はどれなのか、お楽しみだ。

ぼくは今だからこそ、地元の個性が必要とされていると思う。

福島県では、復興事業にも関連してワイン造りが始まったようだ。しかし、地元のワイナリー造りは単なる復興と町おこしという意味しかないのであろうか?
なぜこれほど物流網が発達して、安価でおいしい外国製ワインが手に入る環境で、あえて一からワイン造りをするのか?

食材や食べ物を例に取ると、今や日本各地で美味しいものを食べられる。地物の名物と言われている料理や地元の名店も、全国各地へ広がっている。例えば、福岡のモツ鍋屋さんは仙台にもある。仙台の牛タン屋さんは福岡にもある。
では、その土地に行かなければ食べられないものは何かと言えば、その土地で取れる新鮮な野菜やお肉、海産物だ。東京を筆頭にした、各地のオールスター食材で作るジャイアンツ(プロ野球チームね)のような料理も良いと思う。が、その土地で取れた食材で調理された料理は、そこでしか味わえない。

お酒は不思議な飲み物で、その土地で料理と合わせると最高のマリアージュを起こす。
北海道に行けばサッポロビール、沖縄に行けばオリオンビールがうまい。旅行あるあるで、お土産で持ち帰るとごく普通だった、という経験はよくあるでしょう。

日本酒も不思議とその土地の料理と合うし、ワインだって同じ。

これだけ食が多様化し、話によっては本場並にイタリアンやらフレンチが食べられる日本で、日本のワインが飲めるようになり、発展を続けるということは喜ばしいこと。
さらに、それぞれの土地で作られたブドウのワインが飲めるということは、さらにうれしいことだ。

日本のワインは、個人的にはまだまだ発展途上であると思うが、みんなで育てていくことが大事なのではないか。まずは地元のワインを買って飲んでみることから始めよう!

これからの時代のキーワードは、・・・

物流網・交通網が発達し、人の移動も世界中でほぼ自由に出来る現代において、逆説的に「地元」「地域」「個性」が大切になってきた。

これって、ワインだけに言えることじゃないと感じます。

ふくしまワインフェス、とっても楽しく勉強になりました、うぃっ!!


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