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願成寺白水阿弥陀堂(福島県いわき市)

福島県いわき市には国宝がある。
平安時代末期である永暦元年3月(西暦1160年)、奥州藤原清衡の娘である徳姫が建立したお寺だ。
徳姫は、現在の「いわき市」の名前の由来となった磐城国の国主 磐城太夫則道の妻であった。
夫の死後、仏門に入り阿弥陀堂を創立した。
白水という名称は、徳姫の故郷である奥州平泉の「泉」の字を上下分けて名付けたと言われている。

今から850年近くを経た木造建築物とは思えない美しくしっかりとした佇まいであり、年期の入った木の渋みが良い。


内部に入ることができ、「阿弥陀如来像」と「天王像」が平安時代より鎮座する。

御像の前で正座をする。歴史の中で幾重にも重ねられた祷りが伝わるようで、何かを感じざるを得ない。

現今は車で容易に至るが、見渡せば深山幽谷。その昔は修験の場だったのであろう。


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