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塾のママ友との関係がわずらわしい。どうしたら?『中学受験 親のお悩み相談室』(#13)

少子化にもかかわらず、中学受験者は年々増加しています。中学受験は親と子がタッグを組んで取り組むものだからこそ、さまざまな悩みや壁にぶつかることも…。本連載では、子どもの中学受験を控えた親御さんの悩みに、教育ジャーナリストの中曽根陽子先生が答えます。

質問:塾でのママ友との関係がわずらわしいです。とはいえ付き合わないわけにもいきません…。うまくやる方法を教えてください。

回答:塾のママ友との付き合いは、「距離感」が重要。仲良くなろうとせず、あえて適度な距離を保ってみましょう。


うまくやろうと、無理をしていませんか?

塾でのママ友の関係に悩んでいらっしゃるんですね。そもそも、ママ友と言っても受験塾のママ友って、友達ではないですよね。まぁ、単に同じ塾に通わせている保護者同士という間柄です。

うまくやる方法と書いていらっしゃいますが、あえてうまくやるために無理しなくてもいいと思います。わずらわしいと思う付き合いは、なるべく避けましょう。

「付き合わないわけにはいかない」ということは、ママ友付き合いに積極的な方がいらっしゃるんでしょうか。

あるいは、お子さんの関係で付き合いをしないわけにいかないというのであれば、最低限の付き合いに留めて、それ以外では積極的に関わらないようにしていいでしょう。

そもそも受験は競争ですから、同じ立場だと、ライバルでもあるわけです。

自分の子どもの成績を周りと比べて一喜一憂したり、どこを受けるのか、受験校が気になったり、「うちの子全然勉強しなくて、困っちゃう」「入れるところに行ければいいの」と言いながら、家でかなりやらせていたり、塾でのママ友は本音で話しづらい関係になりがちです。

付き合わないと情報がもらえなくなるから、ママ友との付き合いを断れないという方もいらっしゃいますが、そもそもママ友のお喋りの情報は、噂話レベルに過ぎないはず。

ひどい場合は、マウントの取り合いや、自分の安心のために探りを入れてくるなんてこともありますよね。

どんな情報でも、一次情報から取ることが大切ですが、受験の場合、お子さんの様子を相談できるのは塾の先生でしょうし、学校情報も自分で足を運んで確認するのが一番だと私は思います。

挨拶だけしっかりすれば、距離があってもいい

中学受験の過程で一番悩むのが、成績や子どものやる気、学校選びでしょう。

ママ友と付き合うときには、本当に困ったときにそのことを打ち明けて相談できる人なのかどうかをちゃんと見極めましょう。

私の場合は、次女が家の近所の小規模塾に通っていたため、同じ小学校のお子さんも通っていて、保護者会で顔を合わせることが多くありました。

そのため、塾のママ友とも普通に挨拶をして世間話はしていましたが、それ以上のお付き合いはあえてしていませんでした。敵対するのではなく、適当な距離を保つことが大切です。

最初は、付き合いの悪い人と思われるかもしれませんが、そのうち気にされなくなりますよ。

もちろん出会ったときには、明るく挨拶することは忘れずに!


中曽根陽子(なかそねようこ)
教育ジャーナリスト。マザークエスト代表。出版社勤務後、女性のネットワークを生かした編集企画会社を発足。「お母さんと子どもたちの笑顔のために」をコンセプトに、数多くの書籍をプロデュースした。現在は、教育ジャーナリストとして、紙媒体からWEB連載まで幅広く執筆する傍ら、海外の教育視察も行う。20年近く教育の現場を取材し、偏差値主義の教育からクリエイティブな力を育てる探究型の学びへのシフトを提唱。「子育ては人材育成のプロジェクトであり、そのキーマンのお母さんが探究することが必要」とマザークエストを立ち上げた。常に自身の最新学習歴の更新に務め、お母さんの気持ちがわかるポジティブ心理学コンサルタントとして、エンパワメントサークルも主宰している。著書に『1歩先いく中学受験 成功したいなら「失敗力」を育てなさい』(晶文社)などがある。