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コラムニスト・石原壮一郎の新刊『押してはいけない 妻のスイッチ』先行公開(#4)

妻が突然黙り込んだ、不機嫌になった、当たりがキツくなった……。夫なら誰しもそんな経験があるのではないでしょうか。理由もなく、妻が不機嫌になることはありません。もしかすると、われわれ夫は気付かぬうちに「押してはいけない妻のスイッチ」を押してしまっているのかもしれません。コラムニスト・石原壮一郎氏の新刊『押してはいけない 妻のスイッチ』(青春新書プレイブックス)が2月16日に発売されるのに合わせて、内容の一部を先行公開いたします。

【スイッチ④】

ご飯を食べさせている子どもが遊んでばかりいる

「ほら、またママに怒られるよ」


子どもというのは、基本、こっちの言うことを聞いてくれません。思うように動いてもくれません。かといって、いちいち声を荒げて叱るのは避けたいところです。

そんな状況で言ってしまいがちなのが、このセリフ。一瞬、ママを立てているようにも聞こえますが、実際はママに悪者役を押しつけているだけです。ママだって、子どもにとって怖い存在になりたいわけではありません。しつけだと思って仕方なく叱っているだけです。

こっちがご飯を食べさせている横で、たとえば片付けものをしているママがこのセリフを聞いていたら、「なにそれ! 自分ばっかりいい子になろうとしないでよ!」と、さぞ腹が立つでしょう。

このセリフからは、悪者役を押しつけようというズルい姿勢だけでなく、子どものしつけをする主体はあくまでママで、自分に責任はないというスタンスも透けて見えてきます。

子どもの父親としても夫としても、一気に信頼をなくしかねない危険性を秘めたセリフと言えるでしょう。

妻を感動させる行動
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「おお、上手に食べられたね」などとおだてながら、最後まで根気よくご飯を食べさせる


石原壮一郎(いしはらそういちろう)
1963(昭和38)年三重県生まれ。コラムニスト。1993年『大人養成講座』(扶桑社)がデビュー作にしてベストセラーに。以来、「大人」をキーワードに理想のコミュニケーションのあり方を追求している。『大人力検定』(文藝春秋)、『父親力検定』(岩崎書店)、『夫婦力検定』(実業之日本社)、『大人の言葉の選び方』(日本文芸社)、『無理をしない快感』(KADOKAWA)、『失礼な一言』(新潮社)など著書多数。故郷を応援する「伊勢うどん大使」「松阪市ブランド大使」も務める。