ドラゴンゲーム!ミクロ経済学から専門用語を3つ取り出して合成する!情報の非対称性と税金

こんにちは。クリアファイルの天命です。今回はドラゴンゲームをしてみたいと思います。ドラゴンゲームと聞いてピンとこない人のためにゲームの説明をしたいと思います。

ドラゴンゲームは「ドラゴンが生態系に与える影響」というゲームのことで、ドラゴンという存在しない生き物が実際に存在したら生態系はどう変化してしまうのか、というテーマのゲームです。ルールは簡単で関連性の無さそうな3つの言葉を組み合わせるというものです。

その3つの言葉が例えば、月とリンゴと太陽ならば、月とリンゴから連想するもの、一つの例として重力となり、重力と太陽を組み合わせたものとして一つは物理学となります。この例では月とリンゴと太陽という日常生活に存在する身近なものを合成しましたが、今回は科学の専門用語を混ぜ合わせたいと思います。

まず、経済学、特にミクロ経済学の教科書が目に入ったので、それについてゲーム実況してみたいと思います。まず、リスクプレミアムとレモン市場とピグー税について合成していきたいと思います。一つ一つの専門用語の解説も付け加えていきたいと思います。

リスクプレミアムと聞いて、アナタは何を思い浮かべますか。株式投資をしていれば、リスクプレミアムという専門用語を耳にするかもしれません。リスクプレミアムとは簡単に言ってしまえば、アナタがある企業の社長でリスクを取らず必ず年収1億円もらうか、リスクを取ってでも1億円+αもらうかの選択をする時、+αがいくらならリスクを取るかということです。

このリスクプレミアムという考え方は、他の2つの専門用語と同じように適当に選んだ単語です。次に、レモン市場という、もう一つの専門用語について解説していきます。

例えば、アナタが中古車を売りたい時、中古車ショップに行くとします。アナタは中古車の買い手として気に入った中古車を見つけます。パッと見で外からの印象は良いですが、もしかしたら欠陥のあるレモン(欠陥のある中古車の意)かもしれません。アナタは中古車の売り手から、どのようにその車の品質について話を聞き出しますか。

この場合、中古車に関する情報が買い手から売り手に渡る時、情報は対称であると言います。一方、買い手からの情報がない時、情報の非対称と言います。情報の非対称の場合だと、高品質な中古車でも低品質な中古車でも同じような値段が付けられて中古車市場に流通します。高品質な中古車の売り手からしたら、欠陥のある低品質な中古車と同じ扱いを受けるのは不満であると言えます。そのため、高品質な中古車は売られることなく市場に流通せず、低品質なレモンばかりが市場に流通する事になります。

このことを「悪貨は良貨を駆逐する」といいます。昔は金貨一枚で決まった価値がありましたが、金貨を削って金貨がすり減っても一枚の金貨として扱うしかない場合もあったでしょう。完全な一枚の金貨と、削られた不完全な一枚の金貨では同じ価値があるとは言えません。同じ価値であると認めたら、そこら中に削られた金貨が出回ることになります。そのことを悪貨は良貨を駆逐すると言ったのですね。

ここで、保険市場についてもレモンについて考えてみましょう。保険は一定の保険料を課しています。保険料は病気で入院する可能性が高い人と低い人で同じ金額だとします。保険会社は不健康な人と健康な人を見分ける術を持たないとします。情報の非対称性ですね。そうであれば、健康な人は不健康な人と同じような保険料を払うのは馬鹿らしいので保険の契約は不健康な人ばかりになります。これもレモン市場の例の一つですね。

ここで、中古車市場と保険市場のポイントをまとめてみましょう。中古車市場はレモンは売る側にあり、中古車を一回だけ売ります。一方、保険市場は買う側にレモンがあり、長い期間契約が続きます。ここで、レモンを防ぐための戦略を考えてみます。

中古車は日本であれば車検のような車の点検があります。あるいは、免許証にゴールドカードなどの色分けのリスク表示があります。そのため、売り手と買い手の間に「政府」を挟むのも一つの手です。

また、政府が介入できない場合は、1年間のアフターサービスとして売り手の中古車販売金額から一定額を担保として貯めておき、一年の間で中古車に不調があれば、その担保から修理費や損害金を払うという手も考えられます。この場合、中古車は担保サービスのため本来の売却額より高値で取引されるはずです。この担保の部分が言わばリスクプレミアムとなります。

一方、保険市場では、政府が介入する場合、日本では健康保険証などにより入院歴や来院歴を調べる手もあります。病院にかかりやすい人は多めの保険料を取るということも可能です。あるいは、1年目の保険料を多く取る。時が進むに連れて保険料を下げていく、ということも考えられます。ここで少しトリッキーですが、反対の考え方も可能です。つまり、1年目の保険料が少なく、時が経つに連れて保険料が高くなっていくというパターンです。

この根拠に年をとるに連れ医者にかかるリスクが高くなることが挙げられます。不健康のリスクか、高齢化のリスクか。入院しそうな人をあぶり出すか、年齢に相当する保険料を取るか。ここでも、リスクプレミアムが見えます。

さて、最後の専門用語であるピグー税について見ていきます。ピグー税とは例えば、ある鉄工所が鉄を生産していて近くの川に廃棄物を流す時、漁業者に損失を与えているとします。この時、漁業者に損害分のコストを支払うことで、公害を市場に内部化します。つまり、公害を市場で取引する。

ピグー税では鉄工所が漁業者の損失を穴埋めする場合と、政府などにより鉄工所に補助金を与えて鉄の生産量を減らしてもらう場合と、があります。今回の場合、先のレモン市場で言うと鉄工所が買う側、漁民が売る側となります。関係性は一回限りの取引ではなく、長い期間での取引です。

今回の解決策の一つは、鉄工所と漁業者の2者でだけ交渉して解決を目指すというコースの定理ではなく政府を間にはさんだ川の使用権という形で解決が図られたらイイと思います。おそらく汚染されている川は自治体か国の所有物なので、政府の介入する余地があると言えます。その川の使用権により得た収入の一部を川の清掃や汚染を緩和する機械の設置に当てれば話は進みます。さらに漁業者の損害にも川の使用料の一部を提供できるのです。

僕は単純に情報の非対称性を税金と絡めて分析したら面白くなりそうだなと思いました。根拠となる数字があれば情報の非対称性はなくなるのではないでしょうか。所得税における収入額のように。

こんだけ書いて2600文字オーバーでした。結構長くなったなと思ってたのですが、まだまだですね。そういうわけで、ドラゴンゲームは可能性を感じます。今回はミクロ経済学という狭い範囲での話ですが、例えば経済学、物理学、コンピュータ科学とそれぞれの分野から専門用語を一つずつ持ち寄ってドラゴンゲームをしたら楽しそうですね。もちろん、ドラゴンゲームに著作権はないので、みなさんもぜひ試しに遊んでみてください。面白い結果がまっているやもしれませんよ。ではでは。


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