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新年に変な出身高校の卒業生たちを結集させた話

アルムナイ。
最近日本だけではなく世界的によく聞く言葉になってきたと思う。
アルムナイ=卒業生や出身者のことを指すことの言葉ですが、
大学や企業でその組織がつくられ、
同窓会だけではないネットワークとしての強さを活かす場所が普及しつつあるという。

私は慶應義塾大学に所属する学生なので
身近なところに、慶應のアルムナイ組織である「三田会」がある。
聞いたところによると、日本で最強のネットワーク(しばしば、コミュニティとしてもみられるつながり)として存在している。
最近になって、僕自身もその強さの恩恵の偉大さを感じる機会があった。
春学期にSFCで開講した「ミネルバの森」という授業を履修し、卒業生の想いの強さを深く感じた。
慶應のアルムナイたちが強いといわれることの訳を身をもって経験することとなったのだ。
「ミネルバの森」は、いい意味でも裏切られた授業だった。具体的なことは、また別の機会にしたいと思うが、この授業がよかった理由の一つに卒業生の過去に浸らないことかもしれない。

「昔の時代は、こうだった。」と、自慢げに語る大人は沢山いるが、
ミネルバの森に携わっていたSFCの卒業生は、過去の経験に陶酔してたり、すがっている人はいなく、常に未来を向いていたと思う。それが、かっこよくも想えた。
アルムナイが、出身組織と関わりをもってお互いに刺激を与えられるということがその学期で学べて良かったことの一つだ。
そこからも、以前からもずっと構想していた僕の出身高校の卒業生ネットワークをつくろうという強い想いに変わっていった。


さてさて本題に戻って、
先日、1月6日に渋谷で出身高校のミートアップを催した。
そこでの、気付きやこれからをここにまとめていきたい。

このタイミングの開催になったのは、
これもまた、慶應SFCが開催するORFでのある出会いが起点となった。(また、話が本題ではなくなりそうだが、大事な始まりの物語なのである)

大学をさぼりまくっている僕ですが、ORF2019は出展することになっていました。(春学期に自分で企画書を書いたからです。)
セッションを担当する私は、他の研究会と一緒に前半後半と2部構成でセッションを企画することとなった。(この様子も、記事でまとめるべきなのだろう。)
僕は、後半のセッションのコーディネートとモデレーターとして、当日のオーディエンスを巻き込んだ議論に発展させるべく準備をかさねた。

当日、前半のセッションにオーディエンスとして参加し、次のセッションを前に緊張する中で、私の母校の先生が登壇しているのに気が付く。(とは、書いてるものの以前からいらっしゃることは聞いていた。こうやって書く方がかっこいいと思って)
その先生は、その高校を退職されたそうで、僕らと同じ「卒業生」になったことをしる。

その場に、意外にも同じ高校を卒業したSFC生や現役の高校生が居合わせたので、思わず集合写真を撮った。(今後、すごく貴重な一枚になることを期待したい)
その数日後、その先生と食事連れていただけることになった。
そこで、卒業生のネットワークの話をすると(僕的には)とても盛り上がった。そして、ネットワーク立ち上げに力を貸してくれると約束してくれた。

それから、数週間。

知り合いからたまたま、渋谷で無料で使える会場があることを教えてくれたのでとりあえず、その場所に問い合わせてみた。そこで、とりあえず年始に母校の卒業生集めたら面白そうだと思い、「卒業生ミートアップ」を開催することした。そこで、先生にも連絡をするのだった。

すると年始は、1月6日が空いているとのことで、先生にも聞いてみるとたまたま予定が合うことでこの日でミートアップを開催することが決まった。年末クリスマスらへんにやることが決まったのだった。

さあ、やろう。

誘う。

広報はいつも苦手でよく疲れてしまうことが多い。今回は、Facebookのあまり動いていない卒業生グループで告知した。他にも、これから卒業生になる高校3年生にも招待送ると、彼らがまた招待をして参加者を増やしてくれた。高校3年生の後輩たちは、僕とかぶっていた世代なので顔が利く人たちだが、先輩がたからすると、よくわからない(じぶん)奴がド年始になにしているんだ、あやしいなと思われるイベントだったと思う。僕が使えるセールスポイントは、こないだおやめになられた先生がくることだった。それを言いまくった結果、当日まで人が集まるか不安だったが、何とか15人くらいを迎えることになった。

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待ち受ける。

会場を手配するのは、いろんなサービスが出来てきたとはいえ思っている以上に疲れることだった。イベントやるのに、会場の環境を整えることは非常に重要だ。これまでの経験からそう言えるが、イベントの性質やコンテンツ内容などで場所の向き不向きは必ずあるといえる。今回、無料で使える場所での開催で決断しなかったのは、今回のミートアップの性質と合いそうになかったからである。幸い、その場所のオーガナイザーもよく理解されていて、SpacemarketやSpaceeなどの会場サイトの存在をアドバイスいただき、今回の場所を見て回った。

渋谷にすると来やすくなるだろうという軽い期待があった。(僕の家が中華街でアクセスの良さもあり、渋谷で探すことにした。)
渋谷だと、いろんな場所がある。使用料金が高い場所も安い場所も。今回のイベントは参加しやすい、誰に対してもオープンであることを意識して1000円で抑えることを決めていた。なので、なるべくコストを抑えて、今回の企画の趣旨と一致するような場所を探す。

結果、場所は渋谷駅から徒歩3分ほどの「B1-A」というレンタルスペースにした。

1時間4000円弱で、予算ギリギリだったが、ここの良さは、「白い空間」だった。

会場は思った以上に白く、非日常感がとても詰まっていた。感覚的だが、何が起こるかわからない感じで、汚すこともできそうで、余白が満載の場所だった。

thumb_GR椅子ありメイン

会場の真ん中にテーブルが横断し、そこで横に座っていく感じは、わくわくする感覚がした。(これは僕の感想です。)

会場を汚すわけにはいかないので、模造紙を横に2枚張り今回の集いの表現所をつくり、来る人を待ち受けることにした。
何もないのにお金を取るのは少し気が引けたので、ピザを用意した。ここに、僕のちょっとしたルーズさが出てしまっている。食はものすごく大事な要素であるとこれまでの経験からも強く感じている。飲み物と紙コップ。こないだまで言っていたアメリカで買ったナッツ入りのチョコレートもテーブルに並べ、待ち受ける。


待ち焦がれる。

集いを企画する上では、目的やコンテンツを決めないと参加者が参加しづらい者になってしまう。今回のイベントをつくる上で、ある本を読んで勉強した。(ある人からたまたま教えてもらった本で、とてもいい本だったのでおすすめしたい一冊だ)
「最高の集い方」という本だ。

イベントをやる上での気を付けることを教科書にように一つ一つ丁寧に教えてくれるものだった。あまりネタバレはしたくないので、全ては語らないがこの本の中でもイベントを催すことにおいて、やはり明確な目的は最重要事項として扱われていた。が、僕自身今回の集いを開催する中で、目的やコンテンツをつくって人を集めることに妙に怖がっていたのかもしれない。というのも、明確な目的を掲げた瞬間、人が集まらなかったり、期待を裏切ったりさせてしまう恐れがあったからだ。なので、慎重にココロを込めて準備するものをシンプルにしたのだった。
場所とピザと飲み物と紙とペン。これだけ。

この5つだけで臨むことにしたのだった。目的やコンテンツはつくらない。決めないということを決めたのだった。


さて、当日だ。今振り返るといろんなコトが起きていた。


覚えていることやおもしろかったこと、これから発展しそうなことなど取り上げて紹介していきたい。
まず、なにも準備しない(=フレキシブルに対応する、思考する、行動する)ことがうまくいった気がする。最初何をするかは決めていなかったが、あまりにお互いのことを知らない人がいたこともあり、自己紹介から始めることにした。そして、みんなの自己紹介がおもしろい。代が離れているとはいえ、僕らが何となく持っている共通言語があるからこそ、共感できることや理解できることがあるため、一人ひとりが無駄なくジブンのことアピールしていた。この時から、僕はかなりおもしろい場所にいることを自覚し始める。
準備をしなくても、仕掛けやなにかを振るだけで盛り上げてくれるゲストがいるので、そこに甘えることができたのだ。イベント主催者としては、諦めとも取れる姿勢なのでバッシングが来るかもしれないが、僕はこれでよかったと強く言いたい。

ピザと飲み物が足りなくなる事態が発生した。そして、予約した時間を延長することになった。つまり、なにが言えるかというと、僕は卒業生を見くびっていたといえるだろう。飲み物が足りなくなるほど、みんなが盛り上がってしゃべるとは思ってなかったし、時間を忘れるほど出会いや発見を純粋につかみに行くとは思っていなかった。18:30からオープンにして、21時まで(約2時間半)で十分かと思っていたら全然そんなことなく、1時間延長し、3時間半、静かになることが終始なかった。こんなにも卒業生が集まると強くなるということを知れる機会にはなるとは思わなかった。張り出していた模造紙も、いろんなアイデアが溢れる一枚となった。

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参加者の内訳も話しておきたい。
2007年度が最初の記念すべき1期生で、今まで12期までの卒業生がいる中で、
一番上は、3期生で下は、13期生(これから卒業する高校生)が参加してくれた。また、辞めた先生も、今活躍している先生も参加してくれた。こういう集いが、卒業生の強い想いだけで、学校を置いてきぼりにするのではなく、両者が同じ方向を向いてこの会を盛り上げることが僕の母校の良さだと思う。


今回のこの集いは、決起会としてこれからのアクションにつなげるための場所だったと思う。要は、いろんなアイデアがあるので、それを実現していきたい。具体的に、卒業生ネットワークとして何ができるのか、何をしていきたいと思っているのかその考えは違う記事としてまとめて残して置く予定だ。

タイトルは「新年に変な出身高校の卒業生たちを結集させた話」と付けましたが、「変な」という表現は人によって嫌だと感じるかもしれません。僕も嫌ですが、今回はあえてです。僕の出身高校の先生は、"変"(こういうイベントにも参加してくれるし、教員としてだけではなく大人としてこれまでのキャリアを隠さずに教員としてキラキラしているし、社会では一般的に変って言われることでもおもしろがってくれる)みたいな人たちです。ほかの型にはまった先生とはすこし個性的な人たちだと思う。そんな学校に通うので生徒も、もう。変を変なものとして認識しないで外に出ていくのです。まあ、普通に考えて今回のこのあやしいイベントに参加してくれるのは、とても普通ではない。そういう意味でも、すごくうれしかった。
だから、ぼくとしてはこのタイトルはリスペクトを込めてキャッチーにまとめたのではないかな。

声を大きくして「先生・卒業生のみなさん、協力おねがいします!」

そして、今週末。ボク、木伏聖陽は20歳になる。いよいよ、この時を迎えてしまったが、今回のイベントを開催し、少し大人になることをかみしめるのだった。さあ、2020のはじまりです。


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キブシセイヤは、どんな人なのかはこちらから見れます。


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