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kamisama

「きみは優しいね」

ちょっと前に別れたあの人は私を抱きしめ、今にも泣きそうな声でそう言う。


「きみはきっと心がすり減っているだけだ、なにかに満たされたら辛いことも全部忘れられるしこんな事しなくても笑って生きれるよ。辛いのは今だけさ。大丈夫。」

私はそう言ってきみの目を見つめ、小さく笑ったみた。


私は優しくなんかない。

私はきみの神様になりたかっただけ。この世で私だけはきみの非を許し、救いの手を差し伸べたかった。

きみにされたことは全部覚えている。
だからきみには私がされた真逆のことをしてやるの。


「大丈夫、きみはきみらしく生きていたらいい。」

「欠点の一つや二つ誰にでもあるよ。それを変えたいと気づけることは凄いことじゃないか。」

「きみはクズなんかじゃないよ。人間なんだから、仕方ないよ。」

「きみのことは全部全部許してあげるから。」



きみが私につけた傷を優しくすることによって嫌ってほど実感させてやるのさ。

ほら、痛いでしょう?

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