見出し画像

タイトルの伏線回収が見事なマンガ『遊戯王』

  『遊戯王』は、『ヒカルの碁』のように主人公・遊戯にもう一人のワイルドな人格が宿り、ブイブイいわせてカードバトルで勝っていく話だ。そして、『遊戯王』は熱い少年漫画であり、オカルト漫画でもある。

 主人公の遊戯は、古代エジプトの秘宝を手にしたことにより、当時の王の魂がその身に宿ってしまう。古代エジプトの強者どもの魂たちは未だ現代を彷徨っていて、1000年前に決着の付かなかった争いを、現代でカードによる代理戦争で決着をつけていく。そして、遊戯の最後の相手は、王。遊戯王のもう一つの人格であり、古代エジプトの王、アテム。

 遊戯と王。最後のデュエルは王の魂を成仏させるための、遊戯による王の弔いだった。最後の最後で『遊戯王』というタイトルの意味がわかる。これは「遊びの王」の物語であり、「遊戯と王」の物語でもある。「遊びの王」、はじめから一対だった。そこへ還ってゆく最終話。

 『遊戯王』というタイトルは一つの単語ではなくて、最初から遊戯の魂と王の魂が、混ざり、溶け合っていた。そんな見事なタイトルの伏線回収がされているマンガが『遊戯王』である。

遊☆戯☆王 モノクロ版 1 (ジャンプコミックスDIGITAL)


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?