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8/13 死ぬかと思った!

2018年8月13日
天気 はれ時々くもり
進んだ距離 115km
現在地 別府
目的地 北九州

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車の騒音
大自然の声
旅のお約束

野宿である。


まだ二日目の晩にして野宿…

今シーズンの成績は二打数一安打 打率5割を誇る

幸先の良いね、僕はそっと泣いた。


さて、本日の目的地は北九州にある僕のばあちゃんち

直行はしない。エンターテイナーな友人の夏フェス公演を観るべく、久住という山ガチ勢なルート経由で向かう。意気揚々と久住へ向けてカブを走らせる

しかし、本件がのちに大きな問題に繋がることを、僕は知る由もなかったのである。

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..
...

14:30-

久住到着。


DRUM TAOという世界的アーティスト集団をご存知だろうか。

引用元:https://toyosu.tokyo/event/drum-tao-rhythm-of-tribe-2018-toyosu-pit-report/


世界が賞賛するジャパニーズエンターテインメントだ。

そんなDRUM TAO 毎年八月は拠点の久住で夏フェスなるものを開催しているらしい。普段はステージの上でしか観ることのできないTAOのメンバーが公演もして、屋台で販売を行い、会話を楽しめるというファンにとってはたまらない一大イベントなのだろう

ここに大ちゃんという友人がいる。

引用元:http://www.pictame.com/tag/%E9%BA%93%E5%A4%A7%E8%BC%94

ひたすらにストイックでイケメンという非の打ち所のないあん畜生である

実は彼もクラウドファンディング時に背中を押してくれたひとりだ。
なので目的としてはふたつ。

・写真集を渡す

・今度は僕が背中を押す

今まで何度か公演には足を運んだことがあるが、夏フェスというものは初めてである。楽しみだ

くじゅう花公園からでているシャトルバスで

あっという間に

そこは夏フェス会場だった

すごい、こんな山奥に人が沢山いる…

グッズが売れまくっている

特別公演開始を待つ図

公演終了後、無事渡せて少しの時間やったけど色々話せた。次は東京でな!

ありがとう大ちゃん、お互い頑張ろう!

久住の景色も最高だった。

さて、暗くなる前に北九州に行かなきゃな。
またカブを走らせる、既に17時をまわっていた。
目指すは140kmほど先のばあちゃんち

しかし、ここからである。
山道は想像以上に複雑だった
走れど走れど思うようにいかない

ぐるぐると山道を行っては戻ってを繰り返していた。時間だけが過ぎてゆき、日は暮れた。すっかり暗くなってしまった森林の中、ガソリンも底を尽き、一度カブが動かなくなった。慌てて近くのガソリンスタンドを探した記憶がある

グーグルマップでは3時間16分と表示されているが、これは車での走行でかかる時間だ。当然カブではもっとかかるし、中にはクルマ専用道路を指示されていて通れないこともザラである。

段々と不安が焦りに変わる。
しかし急がなければとカブを走らせる

心にも行動にも余裕がなくなるとき、大抵の物事は良い方には転がらない。

刻々と時間も過ぎ、21時をまわった頃だったろうか。
また道が分からなくなり調べようとハンドルを左に切ったそのとき




キーーーーーーッ

ズズズズズズッドガガガガ ブオオオオオオン








カッチカッチカッチカッチ…






僕は勢いそのまま山道で転倒した。単独事故だ


ウインカーの音だけがその場に響いている


暗過ぎて何も見えない

この時間、こんな真っ暗な山道誰も通らない


痛いかどうかもよく分からない


自分が今どうなっているかも分からない


しかしカラダは上手く動かない

怖い。



何から着手すればいい?
何から解決すればいい?
今現状何が起こってる?


僕にのしかかったカブをなんとかどけて
何とか、何とか体を引きずって横道へ。

スマホでライトを点けた。
血だらけだった、本当に。

血だらけで、真っ暗な山の中で、ここがどこかも分からない。


どっからどう考えても無理ゲーだ。詰んでる



この状況下で果たして冷静でいられる人などいるのだろうか、どうしたらいいか本当にわからなくなってしまった。こんなとき、真っ先に思い浮かぶのが母なのだから、やっぱり親ってのは偉大だ

電話越しに状況を説明した
なるべく心配かけないよう、できる限り大丈夫そうな素振りで話したつもりだけど、おそらく声は震えていたと思う

「どうにかして一番近くの町に行きなさい」

そりゃそうだ。ボロボロのカラダを奮い立たせて、カブを起こそうと試みるが中々力が入らない。何度も起こしかけたカブをまた倒してしまう。
やけくそに叫んだ

やっとの思いで起こしたカブはミラーはオレ、足場は曲がり、ガードは割れていて痛々しかった(一応借り物…)

必死にエンジンをかけようとするが、かからない。

事故った当時の写真は1枚も撮っていなかったところを踏まえると、僕は真のカメラマンではなさそうだ

(起こして散らばった荷物を積んで、エンジンがかかり次第動ける状態にまでしたカブ)

心の中で何度も叫んだ。
いや、というか口に出して何度も叫んだ

「(エンジン)かかれ!かかれ。かかれ。かかれ!かかれ!かかれ!かかれ」

ぶおおおおおおおおん

かかった。絶対にこのエンジンを止めてはいけない
本当に力を振り絞ってカブを走らせた、幸い湯布院から遠くないことも判明した

もうアドレナリンが出すぎて、怪我も痛みも分からない。なんとか湯布院に到着した僕は、道を歩いていた第1町人に叫んだ。

「水場を貸してください!!!」

血だらけのカブにまたがった青年が、いきなり風呂場を貸してくれってんだから驚いていたけど、必死さが伝わってか貸してくれた

一通り水で洗った。

叫びそうなほど痛いし出血も酷いけど思ったよりも傷自体は深くなさそうだ

まずは消毒をしなければ。破傷風系が怖い

お礼を伝えて最寄りのコンビニで消毒やら何やらを一式買って駐車場で応急処置をはじめた。消毒が染み渡る度にカラダが痺れるほど痛くて一人で悶えていた。

そこに、救世主現る。

「キミ大丈夫?…じゃないね。これ、ハッカとワセリン調合したやつ。止血効果と消毒が見込める。んー、ひどいね。今日ウチ泊まってくかい?」

世の中捨てたもんじゃない
本当素晴らしすぎる人たちが沢山いる

名を山城さんという
力を振り絞って山城さん宅へ

ご飯をいただいたり

薬草などの知識が豊富らしく、その場で調合していただいたり(塗るとくっそ痛い)

シャワーも地獄やったけど、この一晩のおかげで、僕のその後が随分変わったものになったと思う。

(僕の処置に時間を割かれ、楽しみに買ったプッチンプリンも常温になってしまっていて思わず笑う図)

超応急処置を終えた僕は、死んだように眠りについた。


続く

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