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100日後に死ぬワニが好きだった私たち

「見た?」
『見た』
「まだ見てない」
『見たよ』

シェアハウス「サグラダマキティア」の今日のLINEグループにはこんな会話が流れていた。

内容は言わない
見たか、見てないか、だけの確認
このやりとりだけで話が通じるくらい私たちの生活には100日後に死ぬワニの存在がなじんでいた。

日頃のやりとりでも家の中で顔を合わせれば
「見た?」
『見た。〜のシーンがさ、』
「分かる、いいよね〜。そういえばさ、」
などと、ワニくんの漫画が糸口となって会話が始まることがよくあった。

そんなワニくんの連載も今日で終わってしまった。

私たちマキティア住民はそれぞれの予定を終え、みんなでワニくんの死をしのぶためにリビングに集合した。

お酒を飲みながら、どこで100日目のワニくんを読んだか、最期をどう予想していたかなどについて話したり、登場キャラクターのモノマネをしたり、似顔絵を描いたりして過ごした。

ワニくんが死んであんなにも悲しかったのに、気づいたら似顔絵が似てなさすぎてみんな爆笑していた。

私がワニくんの中で好きなシーンって、みんなでラーメン食べてたり、友達と、好きな人と楽しそうにしている日常の描写だったりするんですよね。なんかシェアハウスの日常ぽいなと思ってみたり。

こんなにみんなで一丸となって熱くなれる事ってあんまりないなぁと。

ワニくん、ありがとう


お肉が食べたい