完全自動運転配車サービスが実現する未来：Waymo（Google）とLyftが提携

世界の流れ

2019年6月9日 12:15

自動輸送の未来

2019年6月、LyftとUber TechnologyがNYSEに上場したばかりです。

株式が一般公開されたことで私達個人投資家も株式を購入できるようになり、関心を持っている個人投資家の方は多いと思います。

これら個別の企業の発展を予想することも大事ですが、もう少し広く、配車サービスの未来、自動車の未来、さらに広く、人と物の輸送手段の未来がどうなるのか考えることは、投資判断には有益ですし、なにより心がわくわくしてきます。

Uberの研究部門（ATG：Advanced Technologies Group）のページや、Waymo（グーグルの自動運転開発）のミッションを読むと、彼らの行動の動機が、新しい輸送の未来を創造することであることがわかります。

私も想像してみます。

近い未来では、たくさんの自動車が街中を無人で走っています。もはや個人で車を所有する必要はなくなっている。呼べば無人自動車が迎えに来てくれて、行きたい場所に連れて行ってくれる。

トラックも自動運転で毎日大量の荷物を輸送している。小さい荷物ならドローンが宅配してくれる。陸上だけでなく、海上も空中も大小様々なロボットが人と物を輸送している未来です。

ものすごい未来だと思います。でも、私は実現すると信じます。

近い未来にこのような未来が実現するのかどうして信じられるかと言うと、まず、自動運転システムは既存の技術の発展の先にあるからです。SF的な無重力浮遊とかではありません。

これまでに発展してきた半導体コンピュータ、センサー、ソフトウェアの複合技術で自動運転システムは作られてきています。

半導体コンピュータですと、Intel、AMD、NVIDIA、Qualcommといったメジャーな企業、センサーはFLIR、村田製作所など。ソフトウェアは、GAFAなどなど。大企業、中小企業、挙げればきりがありません。

研究開発は、アメリカの大学が研究領域を牽引しています。人間の科学技術の蓄積は個人では把握しきれないほど質と量どちらも膨大です。

完全自動運転システムはこの科学技術の発展の先にあるものです。自動運転の歴史はWikipediaによくまとまっています。一読すれば、確実な進捗があることがおわかりになると思います。

WaymoとLyftが提携して無人自動車の配車サービスをスタート

2019年5月にWaymoのJohn Krafcik, CEOは、WaymoとLyftの提携を発表しました。

Lyftユーザーがアプリで自ら選択すればWaymoカーを利用できます。Waymoは今後数ヶ月で10台のWaymoカーをLyftに提供するとのことです。場所は米アリゾナ州のメトロフェニックスです。

自動配車サービス市場は2030年に200兆円に？

Bloombergの記事に、UBS Evidence Groupのシミュレーションによると、自動配車サービスの市場規模は2030年までに$2 Trillion（約200兆円）に達すると書かれています。

この記事をよく読んだのですが、根拠となるUBSのレポートは提示されていませんでした。おそらく、BloombergがUBSにシミュレーションを依頼したのだと思います。シミュレーションは、ニューヨークをモデルに、ランニングコスト、サービス利用率、手数料などを考慮しているそうです。UBSのDavid Lesne氏がシミュレーションとレポートを行ったとのことですが詳細はわかりません。

レポートが公開されていないことと、シミュレーションは難しいことを知っていますので、私はこの金額に関してはそんなに信用していません。今後成長市場であることは間違いないとは思います。