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世界史&日本史、世界&日本をつなぐ公立高校教員。 通訳案内士(英語)。歴史を深く、わかりやすく翻訳。まずは総目次からどうぞ → https://note.com/sekaishi/n/nf718813a5362

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【全文無料】総目次 世界史/日本史のまとめ

基本コンセプト  昔と今を、今と未来をつなぐ。  世界の中の日本、日本の中の世界をつなぐ。  世界史を26ピースに「輪切り」にし、 深く、たのしく、わかりやすく”翻訳”する。 コンテンツの一覧【1】ゼロからはじめる世界史のまとめ(世界史×ゼロから) 【2】同時に学ぶ! 世界史と地理(世界史×地理) 【3】世界史のまとめ × SDGs(世界史×未来) 【4】"世界史のなかの" 日本史のまとめ(世界史×日本史) 【5】世界史の教科書を最初から最後まで(世

    • 【ニッポンの世界史】#35 進む「世界史離れ」:文化圏学習・ナチカル・共通一次

       これからいよいよ「ニッポンの世界史」にとってきわめて重要な1980年代に足を踏み入れます。  この10年を通して、世界史にいかなる意味がつけ加わり「世界史必修化」に至るのか。  ”公式” 世界史と ”非公式”世界史の輻輳を追うことで、経緯を浮かび上がらせていきます。 「文化圏」学習の徹底:1978年度指導要領改訂  そのためにまずは "公式" 世界史の動向から確認していきましょう。  1970年度の学習指導要領改訂で導入された「文化圏学習」は、古代文化につづく時代を、

      • SDGsとは一体、何だったのか?【世界史でよむSDGs】はじめに

        いまや日本のSDGsは、空虚な「記号」である  2015年に採択されたSDGs(国連持続可能な開発目標)は、スタートしてから早9年目を迎えようとしている。  SDGsの実施年限は2030年だから、まだあと6年ちょっと、残されていることになる。  にもかかわらず「SDGsとは一体、何だったのか?」などと問うのは、ちょっと時期尚早ではないかと思われるかもしれない。  最初に筆者の立場を明確にしておけば、日本におけるSDGsはすくなくとも本来の趣旨に沿った受容には失敗している

        • 【ニッポンの世界史】#34 1970年代のまとめ

           これまで1970年代に多くの回を費やしてしまいました。  それも無理はありません。  こうやってみてみると、1970年代の「ニッポンの世界史」には、これまでになかった多くの新しい要素がつけ加わり、そうした「転回」こそが、1980年代以降の転回に大きな影響を与えることとなるからです。  以下に整理しておきましょう。  たとえば ①文化圏学習は、比較文明論、国際化言説を通してビジネス教養的世界史へ。  ②マルクス主義批判(政治・経済史偏重)は、実証主義や社会史への関心

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          【ニッポンの世界史】#33 地政学化する世界史:キッシンジャー・『悪の論理』・高坂正堯

          2010年代の世界史ブーム  連載の第1回で、2010年代以降の世界史の一般書のトレンドに、(1)データベースとしての世界史、(2)文理融合的な世界史、そして(3)世界史のなかの日本史があると書きましたね。  この連載をお読みの方ならば、「おすすめの世界史の本」ということで手にしたことがある人も少なくないのではないかと思いますが、ここでのわたしたちの目的は、これらの書籍の内容をレビューすることにあるのではありません。  2010年代以降の一般向け「世界史ブーム」という状況が

          【ニッポンの世界史】#33 地政学化する世界史:キッシンジャー・『悪の論理』・高坂正堯

          世界史授業の教材研究:手元にあると便利なもの

          "まじめ" に教材研究をするにあたって、「こんなものが手元にあると便利」というリストです。 もちろん、一見授業の組み立てとは関係のなさそうな "ふまじめ" なものも含めて、関心を広く払っておくことが大事であるというのが、正直なところではあります(往々にして"ふまじめ" と "まじめ" は、それぞれの極北でピタッとくっつくものです)。歴史を学ぶ「意味」や「たのしさ」は、なるべく多面的にとらえたほうがよいですから。 ともかくこのリストは "まじめ"に、かつ、あんまり格好つけずに

          世界史授業の教材研究:手元にあると便利なもの

          【2024年版】世界史教科書 消えた用語、増えた用語:山川出版社・東京書籍の比較編

          これまで山川出版社の『詳説世界史:世界史探究』(ややこしいタイトルだ…)の索引をベースにして、ほかの教科書の索引の比較を試みてきた。 帝国書院の索引と比べる https://note.com/sekaishi/n/neeb8e1b5eae4 山川出版社『新世界史』の索引と比べる https://note.com/sekaishi/n/nf81a976401fb 実教出版の索引と比べる https://note.com/sekaishi/n/ned12e0c4dfbf

          【2024年版】世界史教科書 消えた用語、増えた用語:山川出版社・東京書籍の比較編

          【新学期】社会系授業で使えるかもしれないWebサービス50選

          GISを利用したインタラクティブ・マップやウェブ上のアーカイブ、生徒が自ら使えるツールなど、オンライン上で公開されている社会系授業で使えるかもしれないWebサービスをランダムに50個集めました。 「ネタ」としての提示は "打ち上げ花火"的 なものとなりがちですが、計画とアイディア次第で地理総合、地理探究だけでなく、歴史総合、世界史探究、日本史探究、公民科においても効果的に使えるものもありそうです。 *** 1. 文化財総覧WebGIS:身近な場所の文化財の場所を見せたい

          【新学期】社会系授業で使えるかもしれないWebサービス50選

          【ニッポンの世界史】#32 少女漫画がひろげた世界史の担い手:『ベルサイユのばら』を中心に

           はじめに結論から。  少女漫画『ベルサイユのばら』が、世界史をコンテンツとして楽しむことのできる広汎な読み手を育て、歴史の関わり手を男性だけでなく女性にひろげる役割を果たした。  今回ここで述べるのは、たったそれだけです。 *** 歴史を物語として楽しむカルチャー  歴史を物語として楽しむ行為自体には、口伝えの伝承や軍記物語など、それこそ長い長い歴史があるわけですが、日本ではとりわけ近世以降、商業的な出版や演劇、講談を主要なメディアとして、たとえば『三国志演義』の二

          【ニッポンの世界史】#32 少女漫画がひろげた世界史の担い手:『ベルサイユのばら』を中心に

          【2024年版】世界史教科書 消えた用語、増えた用語:山川出版社・実教出版の比較編

          今回比較するのは、山川出版社『詳説世界史:世界史探究』と、実教出版『世界史探究』の索引です。 実教出版の用語の選び方をみるため、山川にはないが実教の索引にはある用語のうち、気になるものをピックアップしていきます。 実教出版の特徴はウェブサイトによると以下の通り。 あ 愛国啓蒙運動 愛国派  アメリカ独立戦争における愛国派(パトリオット)  アウグスライヒアウスグライヒ(訂正:2024/03/19) アタワルパ  ローラン・ビネ『HHhH』に出てきますね。  実

          【2024年版】世界史教科書 消えた用語、増えた用語:山川出版社・実教出版の比較編

          【世界史教科書比較】山川詳説vs新世界史

          ながらく"定番"と目されていた山川出版社の詳説世界史と、のびのびとした ”攻める” 記述で知られる新世界史(採択数は少ない)の記述を、今回は索引の異同に注目して比較します。 参考にしたのは新世界史は見本(2022年検定済)と詳説世界史は2023年刊(2022年検定済)の索引。 「王の道」のように、索引にはないが本文には掲載されているものもあるが、すべてに目を通しているわけではないので、おおよその傾向として参考にしてください。 新世界史の特徴 初めに特徴を箇条書きにしておく

          【世界史教科書比較】山川詳説vs新世界史

          【2024年版】世界史教科書 消えた用語、増えた用語:山川出版社・帝国書院の比較編

          この記事の要約この記事は長い(約40000字)のではじめに要約を書いておきます。 以前、山川出版社の新しい世界史教科書の用語がどのように変化したのか記事を書いたことがあった。しかし、必ずしも単純に「増えた」「減った」と言えないのではないかという事実がみえてきた。 そこで今回は帝国書院の世界史探究教科書の収録語と、山川の収録語を比較することで、山川が収録しなかった用語とは何かをあぶり出してみることとした。 これによって、世界史の教科書にも多様な編集方針があり、その背後には

          【2024年版】世界史教科書 消えた用語、増えた用語:山川出版社・帝国書院の比較編

          【ニッポンの世界史】#31 学習参考書と世界史:なぜ世界史は「暗記地獄」化したのか?

           これまで私たちは、「ニッポンの世界史」は、アカデミズムや学習指導要領のような“公式”世界史と、それらと対抗関係にある“非公式” 世界史の綱引きによって形成されてきた経緯をみてきました。  “公式”の語りを、“非公式”の語りが突き崩すといっても、両者の間に厚い壁があったわけではありません。  ときに、ひとりの書き手が、両者を行ったり来たりすることもみられました。  歴史学者の土井正興(1924〜1993)がそれにあたります。 土井正興: スパルタクスの研究者から教科書執

          【ニッポンの世界史】#31 学習参考書と世界史:なぜ世界史は「暗記地獄」化したのか?

          【ニッポンの世界史】#30 文化圏の罠:世界史に「アフリカ」は入っているか?

          周縁の不在  1970年代の社会科教育に関する雑誌をみてみると、「好きな国」を聞くアンケートをとってみたり、何も見ずに地図を書かせてみたりして、「生徒たちの関心がヨーロッパにばかり向いている」という嘆き節が、よく掲載されています。  この地図くらい描ければ十分とも思えるのですが、たとえば職業系の高校において同じようなことをやらせてみても、全然描けない。  世界史の授業中に顔をあげさせるだけでも難しい。  そういった嘆きも聞かれるようになります。  国外に眼を向ければ、世界

          【ニッポンの世界史】#30 文化圏の罠:世界史に「アフリカ」は入っているか?

          【ニッポンの世界史】#29 「長い目」で世界史を見る:成長の限界・ノストラダムス・小松左京

          終末論から生み出された新しい「世界史」観  「ニッポンの世界史」には、その時代の日本人のものの考え方や精神性のようなものが反映されているのではないか。  そのような観点に立ち、今あらためて1970年代をふりかえってみると、これまでみられなかった新しい種類の想像力が立ち上がり、それが日本人の歴史に対する考え方を変え、「世界史」の再定義に向かっていったのではないか、と思うのです。  まあ、1970年代のサブカルチャーや社会の変化については、すでにひととおり多くの人によって語り尽

          【ニッポンの世界史】#29 「長い目」で世界史を見る:成長の限界・ノストラダムス・小松左京

          【ニッポンの世界史】#28 それぞれの「近代」批判:吉本隆明・阿部謹也・謝世輝

          謝世輝のヨーロッパ中心主義批判  さて、今回は謝の世界史構想の全容に迫っていきます。  謝の構想を一言でいえば、「これまでの世界史はヨーロッパ中心主義的で、まちがっている」ということに尽きます。  たとえば、1974年の時点では次のように主張しています(謝世輝「世界史の構築のために」『歴史教育研究』57、1974、70-71頁)。  箇条書きににしながら、その特徴をあぶりだしてゆくことにします。 1.世界史にとって重要なのはアジア(東洋)だ  文明圏(文化圏)にわけて

          【ニッポンの世界史】#28 それぞれの「近代」批判:吉本隆明・阿部謹也・謝世輝