マガジンのカバー画像

"歴史" 系 note まとめ

1,158
運営しているクリエイター

2018年12月の記事一覧

高輪ゲートウェイ その2 ー隣接する二つの区画が異る地層を形成する

 山手線の品川新駅、名前が「高輪ゲートウェイ駅」に決まったという話である。  あのあたりは、学生時代に何年も通い、ウロウロ歩き回っていた場所で、個人的にはちょっとした親しみを感じている。 旧東海道品川宿 特に気に入っていたのは、品川駅を西口に降りて、ゲートウェイとは逆の南に向かい、八ツ山橋から旧東海道沿いに歩いた、北品川から新馬場あたり。  寺社や商店の看板、そして道幅やそのかすかなカーブの具合から浮かびあがる、旧品川宿のかすかな面影。そして明治の近代化による埋め立てと

再生

高校日本史333 北条時頼と後嵯峨上皇

北条泰時に推されて皇位についた後嵯峨天皇は、鎌倉幕府と協調路線をとります。北条時頼は摂家将軍を廃し、親王将軍を迎えました。地方では地頭が荘園で勢力を拡大、仏教界では禅・阿弥陀・法華など新しい動きが現れます。

ペルー・メキシコ 遺跡巡りの旅 ① 〜ナスカの地上絵〜

12月22日から9日間、中南米に行ってきた。 今回の旅の目的は、マチュピチュ遺跡とナスカの地上絵を見ること。 そして、初めて訪れる南米大陸の文化や人々の生活を垣間みること。 メキシコシティでの乗り継ぎを含めると23時間の旅。 地球の裏側に行くのだからと覚悟してはいたが、 やはり身体が辛い。 結局、1泊目のリマのホテルにチェックインしたのは深夜2時。 そして翌日はほとんど寝ずに、早朝5時ナスカの地上絵のあるビスコへ出発だ。 ビスコに着くと、搭乗手続きをし小型のセスナに乗

古代中国・韓国風の寺院や宮

 飛鳥時代には、中国古代の度量衡や唐尺、高麗尺(こまじゃく)などを使った、中国や韓国のような大陸風の建築様式の寺院や天皇の宮などが造営されていたようです。 https://www.eonet.ne.jp/~kotonara/kentiku-asuka.htm http://sanmao.cocolog-nifty.com/reki/2017/09/post-8215.html https://ameblo.jp/ykawakami/entry-11984782445.html

今年の一冊は『初期仏教』馬場紀寿、岩波新書

 今は現役時代に読みきれなかった古典などを中心に読み返していて、その合間に新刊を読んでいる感じでしょうか。  とはいうものの、ずっと続けているので2018年の書評年度の新刊から今年の一冊を決めようかと思います。  いろいろ考えましたが『文選』は全巻が完結してからにしたいので、『初期仏教』馬場紀寿、岩波新書にしようと思います。  『初期仏教』で得た知見はインドは文字の成立が遅れ、最古の資料はアショーカ王の碑文だったということ。改めて言語は数多くあるにしても、文字を持つもの

過去と今とをむすぶ歴史本

歴史の勉強をすると、いま活躍している人から必要以上に影響されなくなる。 影響されることはあっても良いし、ヒトは生きているかぎりいつまでも誰かに影響され、誰かに影響を与えていく生き物だと思うけど、歴史の視点がないと必要以上に誰かを崇拝してしまう。影響が強すぎると誰かを神のように崇め、宗教のようになる。そこまで来ると、自分の頭で考えられなくなってしまう(本人はそう思ってない)ので危険だ。 歴史を学んでいて価値あるなと思うのは諸行無常を感じられるところ。奢れるものも久しからずと

女神イシスとパリシイ族

COBRAの2018年12月16日の記事「Yellow Vests and the Vortex of Paris」で紹介された記事「The Parisii of Isis」を翻訳しました。翻訳料は300円です。 ”1793年11月10日に、パリのノートルダム寺院で理性と自由の女神の活性化が行われました。 その教会は、ローマ時代にイシスの寺院があった場所でした。 女神の神秘のイニシエーションは、現在でもそこで行われています。 理性の女神の活性化からちょうど225年後に

有料
300

『網野善彦を継ぐ』中沢新一、赤坂憲雄

 『蒙古襲来』『無縁・公界・楽』などの著作に触れる前に、この対談も書いておこうかな、と。 『網野善彦を継ぐ』中沢新一、赤坂憲雄  網野さんは学問を大衆に開いていた学者さんだったと思いますが、その特徴は、やはり処女作である『蒙古襲来』に出ていて、「いかんともなしがたい、えたいの知れない力」が歴史には強烈に働いているという主張だと思います。  しかし、多くの人たちが網野さんの著作に触れたのは、『異形の王権』ではないでしょうか。その後は専門の中世史というよりも『日本社会の歴史

"世界史のなかの" 日本史のまとめ 第15話 北東アジア・中国・朝鮮・アイヌ・琉球・日本の交易ネットワークの拡大(1200~1500年)

Q. この時代の日本は、ユーラシア大陸東部のなかで、どのようなポジションにあったのだろうか? 【1】北の世界は、遠くモンゴルまでつながっていた! この頃の北海道はどんな状況でしょうか?―北海道には北方系の狩猟採集民であるオホーツク人と、本州の文化を受けた擦文文化の人々が、北と南に分布していたよね。  この時代になると、北海道周辺からサハリン(樺太)にかけての地域に、アイヌ人が従来のオホーツク人の文化を継承し、さらに鉄器など日本列島の文化の影響も受けながら、狩猟採集を基盤

パンの話

 イランではキャバーブやホレシュ(各種煮込み料理)と一緒にご飯をよく食べるけれど、主食は何かというと、やっぱりナンと呼ばれるパンのようだ。テヘランでは、ラバーシュ、サンギャク、バルバリー、タフトゥーンという4種類のパンが普通で、サンギャクならサンギャクを焼くパン屋さんと、それぞれ専門のパン屋さんで売られている。パン屋さん(nanva)では朝、昼、夜の3回にわたってパンを焼き、食事時にはいつも焼きたてのパンを買う人たちの行列が見られる。  テヘランはタブリーズなどアゼルバイジ

コンクリートの平成史

平成が終わろうとしています。 この、1989年から2019年にかけての30年ほどの間に、コンクリートには何が起きたのでしょうか。 平成が始まる100年前の1889(明治22)年、日本初の近代港湾として横浜港の築港工事が開始されます。 その防波堤用の材料として、セメントという粉に石と砂と水を混ぜて作製するコンクリートという近代材料が使用され、日本におけるコンクリートの歴史が幕を開けました。 (当時の言葉では摂綿篤・混凝土と書きました。) それからの殖産興業の時代、コンクリー

ホモ・デウス図解

どうも、きょんです。 一年の集大成として、今年の初めに公開した『サピエンス全史』の図解の続編である、『ホモ・デウス』の図解を公開します! サピエンス全史と同じく、人類の将来についてディストピア的なことが描かれています。でも人類の未来について一縷の望みを抱いて書かれた本です。 本書は、これからの人類の歩みについて深い示唆を提供してくれて、未来を描き・創造する我々にとって欠かせない教養を得られる書籍となっています。 ぜひ、本の内容が重すぎてなかなか読めなかった人や、サピエ

再生

高校日本史341 足利尊氏と南北朝

後醍醐天皇が鎌倉幕府を倒そうとした背景、足利尊氏の家系から解説を始めます。後醍醐天皇と足利尊氏の軍事力が協力して鎌倉幕府を滅亡させますが、やがて両者は対立して尊氏は九州へ逃走、赤松則祐は感状山城で追走する新田義貞軍を阻止しました。

再生

高校日本史345 応仁の乱

応仁の乱では、細川勝元の東幕府と山名宗全の西幕府が争った。斯波家・畠山の家督争い、播磨守護職をめぐる赤松と山名の対立がからんで乱は長期化する。乱の結果、守護在京制が崩れ室町幕府は衰退に向かう。