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"歴史" 系 note まとめ

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2019年9月の記事一覧

『誰も教えてくれなかった「死」の哲学入門』幻のあとがき

宗教思想や葬送文化の研究者、はたまたデヴィッド・リンチ・マニアの哲学者として熱狂的ファンを持ち、「内藤仙人」と親しみを込めて呼ばれる内藤理恵子氏。この度上梓した意欲作『誰も教えてくれなかった「死」の哲学入門』に載せられなかった「あとがき」をここに掲載します。 「死」を前にして、くるくる回るしかなかった私 さまざまな哲学者、宗教者などの死生観を探った本書は、信仰のあるなしに関わらずフラットな気持ちでお読みいただける「死」についての哲学本に仕上がったと思います。また本書は、私自

#全文公開 『現代エッセイ訳 徒然草 - すらすら読めて、すっきりわかる -』著:山口謠司

暑かったり寒かったり寒暖差がつらい時期ですが、秋ももうすぐそこまで近づいてきています。 出版社としては「読書の秋」を推していきたい!! 令和最初の秋は、温故知新の精神でこちらの書籍を読んで見ませんか? 『現代エッセイ訳 徒然草 - すらすら読めて、すっきりわかる -』 著者は、9月に最新著書を発売される大東文化大学准教授の山口謠司先生。 誰にでもわかりやすく現代エッセイ風に超訳された『徒然草』を 今回はなんと全文公開!! 読んだ事がある人も、ない人も、秋の夜長にぜひご一読

911 アメリカ同時多発テロを振り返る (2001年当時の日記から) ー その 2

5日前の投稿に続き、2001年の 911 アメリカ同時多発テロを振り返ります。振り返る目的は追憶ではなく、問題の根源はいまだ何ら変わっておらず、いやその問題は悪化しているともいえ、かつ以降の世界情勢はあの出来事の延長上にあると考えるからです。 今回も、2001年の夏に本を買って数日間 html を独学した上で開設した、しかしその後は特に仕様を変えていない旧態依然とした自前のホームページに載せてある当時の日記(2001年9月16日付 および 9月23日付)を、ここに転載します

911 アメリカ同時多発テロを振り返る (2001年当時の日記から)

今日、note に新規登録しました。今日は 911, 拙者の誕生日、個人的には良い日、ついでながら 1965年の 911 は Bashar al-Assad, 現シリア大統領の誕生日、まぁ他人の誕生日だから「ただの日」、彼の下で苦しい日々を送っていると考えている、あるいは母国シリアから脱出した人々にとっては「喜ばしくない日」だろうけど。さらに言うと、1973年の 911 は、チリの当時 民主的に選ばれた大統領サルバドール・アジェンデが、アメリカ合州国の CIA が背後から動か

【現代麻雀への道】81 字牌の歴史

字牌が整理されたとき麻雀が誕生した福地 今回は字牌の特集ということで、字牌の歴史をテーマにしたいんですが。 浅見 はい。どこから話しましょう。 福地 まずですね、字牌はいつからあったんでしょうか? 浅見 麻雀が誕生したときからありましたよ。というよりも、字牌がそろったことを麻雀が誕生したことの一条件として考えていいと思います。 福地 といいますと?  浅見 19世紀なかごろに陳魚門(ちんぎょもん)という人が麻雀を作ったとされてますよね。でも、この人がいきなり作って

【図解】[歴史]002 ローマ世界 (2) 内乱の1世紀・カエサルの時代・ローマ帝国の成立

「リベラル・アーツ カフェ」にようこそ。 このカフェは、YouTubeチャンネルも運営しています。 アニメーションと文章による動画が見られますので、 ぜひそちらもご覧ください。 1.内乱の一世紀 地中海世界を手中に収めたローマでしたが、長く続いた征服戦争で、普段は自作農民であった平民は重装歩兵として従軍し、何年も故郷に帰れませんでした。 その結果、農地は荒れ果て、残された家族やようやく帰還した兵士たちは、農業をあきらめ、農地を売って生活費の足しにします。 その土地を買い

経験に学ぶかレキシに学ぶかそれが問題だ

「歴史ってあんまり面白くないなあ」 学生の頃、授業で教わる歴史について、いつもこんな風に思っていた。1mmの興味も持ったことのない事柄について、なんの前置きもなく、ただただ教わる。というか、教えられて覚えないといけない。やってるうちに興味をもつ人もいるし、当時流行したテレビゲームと関連させて歴史に興味を持つ人もいた。でも、俺は全然興味を持つことは無かった。未だに歴史という勉強については世界史だろうが、日本史だろうが興味をもつことができない。 でも、昨日読んでいたモノで語ら

「中国史史料研究会」会員数200人突破!

おかげさまで「中国史史料研究会」の会員数が200人を超えました。 ありがたいことに現在も順調に登録者数は増え続けております。 現在も会員は募集中ですので、興味がある方は是非ご登録下さい。 学会・研究会というとなんとなく敷居が高いイメージがあるかもしれませんが、 中国史史料研究会の門戸はどなたにも広く開かれております。 入会はWebからのフォーム入力、会費もクレジットカード払いと簡単です。 もし自分には合わなかったな……という場合でも退会はメール1本で済みます。 会員になっ

作家の功罪と歴史の誤謬

これは241回目。歴史というものは、審判の場ではありません。純粋に科学です。しかし、間違った解釈がどうしても多いのです。安易に断定することは、厳に戒めなければならないでしょう。今回は、あらゆる非難と屈辱に耐え、黙って最善の仕事をしようとした男の話です。 ::: 司馬遼太郎ほどの人物が間違った評価を下したら、その社会的責任は大きい。日本人の歴史観に、大きな影響を与えるような作家であるからだ。いい例を挙げよう。乃木希典(のぎまれすけ)陸軍大将のことだ。乃木大将といえば、日本の

大河「いだてん」の分析【第35話の感想】 ベルリンで露呈する“人種や民族の諸問題”とオリンピックの可能性

いだてんの全話の感想ブログです。今回は第35話「民族の祭典」の回の感想や分析を書きとめます。第35話では、ヒトラー政権下にある1936年ベルリンオリンピックが開幕する。 (他の回の感想分析はこちら↓) 〜第35話「民族の祭典」あらすじ〜 1936年夏。ベルリンで4年後の次回大会の開催地を決めるIOC総会が始まり、嘉納治五郎(役所広司)は「日本で平和の祭典を!」と熱く訴える。その直後に開幕したベルリンオリンピックは政権を握るナチスが総力をあげて運営する大規模な大会となり、田

【図解】[歴史]001 エーゲ文明・ギリシア文明・ヘレニズム時代

「リベラル・アーツ カフェ」にようこそ。 このカフェは、YouTubeチャンネルも運営しています。 アニメーションと文章による動画が見られますので、 ぜひそちらもご覧ください。 ヨーロッパの文化の源流は、地中海のギリシア文明にあります。 1.エーゲ文明その前に、エーゲ海で、エーゲ文明が栄えました。 (1)クレタ文明 最も古いのが、エーゲ海に浮かぶクレタ島のクレタ文明で、紀元前2000年から1400年頃栄えました。 中心地のクノッソスでは、クノッソス宮殿跡が発掘されて

【図解】これならわかる! ゼロからはじめる世界史のまとめ㉕ 1953年~1979年の世界

世界の歴史を26ピースに「輪切り」し、人名を登場させずに「大きな流れ」をつかむシリーズの第25番目の時代。 1953年~1979年の世界は、超大国であるアメリカとソ連の影響力は継続するものの、国際関係はその枠にはまりきらない「複雑さ」をみせるようになります。アジア、アフリカでは多くの国が植民地から独立し、未来に向かって一歩前進しようとするのですが― 「植民地だらけ」の世界が崩壊し、アメリカとソ連の「にらみ合い」が続くが、国際関係が複雑化する時代 ―この時代、国連からのプッ

カウンター・カルチャーの歴史と思想から見えてくる、人間中心のコンピューターの起源

社会を大きく変えた情報テクノロジーが普及した時代をジャーナリストとして40年もの間、見つめてきた人がいる。 服部桂(はっとり・かつら)さん。 私たちが普段使うパーソナル・コンピューターが生まれた時代の空気や影響を与えた人々、それらも含めたテクノロジーの進化をどうみているのかを自在に語ってもらった。自著、コラム、訳書を織り交ぜながら紹介する。 服部)私は1951年生まれで、団塊のちょっと後で戦後の若者文化の第一波を経験した世代です。戦後、社会とテクノロジーが劇的に変わる状

クリ、翡翠、土偶=暮らし、交流、信仰。3つの視点で縄文世界を捉える-夢枕獏・岡村道雄『縄文探検隊の記録』

先日、國學院大學博物館で開催された、縄文文化発信サポーターズ主催の「縄文の思考~小林達雄×夢枕獏~」という対談イベントに行ってきました。 その対談は、小林達雄先生が「縄文はユートピアではない」「土偶は人じゃない」といつもどおりの持論を展開し夢枕獏さんがそれをなだめるという展開で、いろいろな話が出てなかなか面白かったです。 ですが、今回はその対談の話ではなく、その中で紹介されていた夢枕獏さんの著書『縄文探検隊の記録』の話。夢枕獏さんと「縄文ユートピア説」を推す岡村道雄さんが