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"歴史" 系 note まとめ

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カザフスタンの世界遺産は、何もない大草原だった

その朝、ホテルで簡素な朝食を食べながら、そこへ本当に行くべきかどうか、迷っていた。 春のカザフスタンの旅の途中、タラズという小さな町で迎えた朝だった。 何もなさそうな町で1泊してみるのもいいかもしれない……と立ち寄った町だったけれど、そのタラズは想像以上に、何もない町だった。 前の日の夕方、カザフスタン鉄道をタラズの駅で降りても、どうやら観光客は僕一人しかいないようだった。 駅を出て、夕暮れの町を歩き始めても、心を動かされる風景は何もない。 陰鬱な曇り空の下、彩りを

たまらない!歴史と仏像を巡る『奈良旅』

こんにちは!まりぞうです。 去年あたりから、夫婦の間で『奈良ブーム』がキテます。 住みたい… とまでいうように(笑) そこまで突き動かした奈良愛とは。 きっかけは、奈良に住む人の声から 前職でウェブ関係のセミナーにちょいちょい登壇しており、数年前、中小企業庁さんでの講演に、奈良県職員の方が聴きにきてくださり、 「みなさん、東大寺・興福寺には修学旅行では来てくださるのですが、その他の方は日帰りが多くて…。泊まったとしても一泊で…。」 とおっしゃっていました。 奈良

歴史上の人物から読み取る命の定義

みなさんこんにちは!とらねこです('ω')ノ 今回は『歴史上の人物から読み取る命の定義』とその他3編について書いてみました。 命の定義というのは、歴史上の人物はどのように捉えているのでしょう? 諸葛孔明、中岡慎太郎、山本五十六、ソクラテス、天草四郎が残している言葉から推測していきたいと思います。 少し長いので、音楽でも聴きながらご覧ください('ω')ノ Chapter1 歴史上の人物から読み取る命の定義Part1 優れた人は静かに身を修め、徳を養う 誰の言葉かご存じでし

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続編2:2022年ウクライナ情勢をより深く理解するための歴史文化背景雑学

当方はウクライナやスラブ研究者では無く、米国大学にてホスピタリテイ・観光経営分野で研究系博士教員をしている日本人学者・米国永住者です。ウクライナには縁があって旧ソ連崩壊後数年であった1995年から往訪しており、渡航回数は30回程度です。過去5年は年に数回のペースで渡航していました。 自分の研究領域専門分野ではありませんが、比較的現地情勢に詳しいので、約一か月前に掲題の雑学メモを書きました。現地に行かずに欧米メデイアを分析・評論するような日本語メデイア、或いは親ロシア派の自称

2022年ウクライナ情勢をより深く理解するための歴史文化背景雑学

当方はウクライナやスラブ研究者では無く、米国大学にてホスピタリテイ・観光経営分野で研究系博士教員をしている日本人米国永住者です。ウクライナには縁があって旧ソ連崩壊後数年であった1995年から往訪しており、渡航回数は30回程度です。過去5年は年に数回のペースで渡航していました。 普段ウクライナの名前が出るのはチェルノブイリ原発事故に関連した話程度で、ここ数か月のロシア軍国境集結と侵攻のニュースで突然によく名前を聞くようになった人が多いのではと思います。 ウクライナとロシアの関

“仏教が始まった地”を訪れた日のこと

 七年前、俺がネパールに行った最大の目的。  それは仏教が誕生した地、すなわち“ブッダ”“釈尊”と称される仏教の開祖:ゴータマ・シッダールタの生誕地を訪れること。 仏教八大聖地の一番目:生誕地ルンビニは、閑静な田舎の村に存在する。広大な畑が一面に広がり、住人や観光・参拝客の数もまばら。時折見かける個人商店に、のどかな村のささやかな賑わいを見ることができた。ユネスコ世界遺産がある村だとは、一見すると信じがたい。  所変わって、聖地“ルンビニ園”の入り口。敷地内には肝心の“ブ

「ベルリンの壁」跡地を走破して気付いたこと(1)

 東ドイツから西ドイツへの逃亡を防ぐために「ベルリンの壁」が築かれたのが1961年。そして「ベルリンの壁」が崩れたのが1989年のことでした。それから東西ドイツは統一されて、負のシンボルであり無用の長物だった「ベルリンの壁」は街から姿を消していきます。今では市内の数カ所に残されているのみ。そんな「ベルリンの壁」の跡を2020年から2021年にかけて自転車で走破したのですが、幾つかのことに気付きました。 ベルリンの壁の西側周辺に大きな変化は少ない 「ベルリンの壁」を走破し

2ndロックダウン前と現在のウィーン【写真日記】

オーストリアは11月3日より2度目のロックダウンです。 その前にシェーンブルン宮殿公園を散歩してきました。 ウィーンは秋も終盤。じきに冬です。 丘を昇ってこちら"Gloriette"へ。当時は祝宴ホールや朝食ルームとしても使用されていた建築物で、現在はカフェとなっています。 1775年、シェーンブルン宮殿の庭園を構成する最後の建築物として建立された。設計は建築家ヨハン・フェルディナント・ヘッツェンドルフ・フォン・ホーエンベルク(1732-1816)。庭園の中でも最も人

ボッカチオとホットヨガ

こんにちは、“鳩”です。 今回はルネサンス期の散文家「ボッカチオ」の話をします。 いきなり本題に入るのはなぜかというと、ボッカチオが『デカメロン』の著者だからです。 『デカメロン』 世界史のクラスに緊張が走ります。 この講師は、あの愚かしくも下品なギャグを発するのだろうか。 生徒たちは固唾をのんで状況を見守ります。 僕は授業中に不道徳なダジャレを使うことはありません。 下品な言い回しって、時と場合によってはコミュニケーションの円滑化を図ってくれるのですが、とかく予備校の

パリで警察と「イエローベスト」デモとが衝突する真っ只中にいた

パリで土曜日に行われたイエローベストのデモと警察との衝突はかなり暴力化し、逮捕者200人超、6万人もの警察と国家憲兵隊が出動したと言われている。自分はその真っ只中にいた。 最近の動向と同じく穏健な形で終わるかと思って見に行ったのだが、キリスト教のイースターに重なったこと、また大火災に遭ったノートルダムへの大富豪らによる高額寄付に対する怒りが高まっていたこともあり、今回のデモは再び激しさを増した。 警察側の暴力性はかなりのものだった。 催涙ガスを散布するだけでなく、スタン

菟田野と阿騎野

 奈良の宇陀市にある菟田野。吉野から伊勢に向かう経路の一つである。「ウダ」と「ウタ」は同じ語源と考えていいだろう。今回は(2016年6月)菟田野にある入谷(にゅうだに)が主な目的地。「にゅう」は「丹生」に通じる。実際,ここには「丹生神社」がある。「丹生」といえば,吉野に丹生川上神社がある。上社,中社,下社の3つがあり,水神を祀っている。菟田野にも水神を祀る宇太水分神社がある。  近鉄榛原駅前から自転車を持ってバスに乗る。目的地までは上り坂になるので,こういう場合はバスを利用

アンティークコインの世界 〜古代ローマのミステリーコイン〜

図柄表:ガレー船 図柄裏:ローマ軍旗 発行地:ローマ 発行年:168年 額面:デナリウス 材質:銀 直径:20mm 重量:3.32g 分類:RC5236, RSC830, RIC443 五賢帝マルクス・アウレリウスとその共同統治帝ルキウス・ウェルスがアクティウムの海戦の二百周年を記念して発行したデナリウス銀貨。二人の連名で発行されたことが刻印されたラテン語銘文から読み取れる。連名での発行は、かなり珍しい例だ。 このコインは謎だらけである。まず、なぜ二人がアクティウムの海戦

アンティークコインの世界 〜ニュースタイルアテナ〜

アテナイが発行したアテナとフクロウを刻む4ドラクマ銀貨は、アンティークコイン収集家の中で最も人気の高いコインのひとつである。ギリシア関連のあらゆる書籍、学校の教科書でも紹介される古代ギリシアを代表するコインだ。だが、一般的に紹介されるアテナイのコインは前5世紀の繁栄期に発行されたタイプで、本当は少しずつデザインを変容させながら前1世紀まで発行されている。今回紹介するコインは、アテナイがローマに造幣所を閉鎖される少し前に発行されたものである。この時代に発行されていたものは、アテ

グアテマラ山奥の秘境トドスサントスへ

【グアテマラ旅行記 vol.6】 旅をしていると時々、あれは夢だったんじゃないか?と思う場所に出会う。 トドスサントスもそんな場所のひとつ。これまで旅した中で一番、ここ東京から遠い所に存在するような気がしています。 女二人で旅に出るもともとこのTodos Santos Cuchumatán(トドス・サントス・クチュマタン、以下トドスサントス)は地球の歩き方で知ってからずっと「行きたいなぁ」と思っていた村ですが、なにせけっこう遠いので、まぁ行けないよなと半分諦めていました