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#日記

パパと私

パパと会わなくなって7年経った。 死んでしまったわけではない。パパは私が住む家から歩いて1分ほどの場所に住んでいる。でも会わない。 喧嘩をしたからだ。 私が18になったとき、私とパパは警察が来るほどの大喧嘩をして、それ以来いちども顔を合わせていない。 私のパパはセネガル人だ。アフリカの西の、イスラムの国の人間だ。 私の本名には苗字がふたつ付いていて(戸籍上片方の苗字は名前扱いになっているけど)、パパの家系の苗字はセネガルの由緒ある聖人の家系の印として付けられているら

音楽と知識とカーストと

自分は音楽が好きで、小さい頃から息をするように鍵盤と触れ合ってきた。 それなのに、どの界隈に対しても知識が足りず、話に入れず、共感できなかった。 流行りの音楽、マニアックな世界、サブカル、ハイカルチャー、、、それぞれの場所に、それぞれの聴き方・楽しみ方があって、それぞれの「良い音楽」という「正義」を盲信している。僕はそのどれにも染まりきれない。 どれが「正しい音楽」で、どんなものが「良い音楽」なのか。そんな問いに、1つの正解なんてものはあるはずがない。けれど、自分が「音

新書が1冊できるまで ③:書籍の「顔」をどうするか?

こんにちは、光文社新書編集部の江口です。先日、来年4月に弊社入社予定のみなさんとお会いする機会がありました。ちょうど1年前には、私も「内定者」としてひとつ上の先輩方のお話を聞いた覚えがあるのですが、それにしても時が経つのは早いですね。もう「新人」ではいられないわけなので、あらためて気を引き締めなければ……と焦っている今日この頃です。 さて、この「新書が1冊できるまで」も3回目の更新です。「原稿整理編」「入稿&校正編」につづき、今回はついに「完成&発売編」になります!……と予

なんの意図もなく作られた、わけのわからない芸術を鑑賞しよう、という人がいるものだろうか?

"midjourney"というサービスがネットで話題になっている。 いわゆる「絵を描いてくれるAI」という触れ込みで、文章でお題を指定すると、それに沿ったイメージをAIが絵で表現してくれるというのだ。そのクオリティは非常に高く、かつ、人間にはなかなか真似のできない発想で描いてくれるということで話題を呼んでいる。 "midjourney"と検索すれば、いくらでも創作物が出てくるので、興味があれば参照されたい。 現代の技術は日進月歩なので、日々いろいろなウェブサービスが誕生

柴田敏雄と鈴木理策/Transformation 越境から生まれるアート【アーティゾン美術館】

・展覧会に関する個人的な感想を備忘録的に残している記事となります。 (撮影OKだったので、記事内の写真はすべて本人撮影) 柴田敏雄と鈴木理策 写真と絵画−セザンヌより これまで写真家の展示にあまり触れてこなかった…というよりも 写真の鑑賞の仕方がなんとなくわからず敬遠していたところがあった。 しかし、今回は【写真と絵画】という副題もあり写真展の魅力、絵画との親和性をみることができた。 ●柴田敏雄さんの作品 画面の中の対象物や背景など全体のバランスに調和が取れているイメ

再開館の国立西洋美術館へ。松方コレクションに、改めて感謝を

 上野・国立西洋美術館のリニューアルオープン記念展「自然と人のダイアローグ」(9月11日まで)を鑑賞してきた。ドイツのフォルクヴァング美術館の協力を得て、印象派、ポスト印象派、ドイツロマン主義~現代までの100点超が展示されている。常設展で観られる作品も多いため迷っていたのだけれど、行ってよかったというのが感想だ。 ■画家が捉えた自然の美しさに浸る  はじまりは、ブーダンから。「モネの先生・・・」というささやきがあちこちから漏れ聞こえてきて(ブーダンは、若き日のモネに屋外

ちっちゃい離島の、お昼ごはん事情!

皆様こんばんは、離島ライターあっきーです。 旅をすると、やっぱり気になるのがその土地の「ごはん事情」。 どんなお店があるのか、事前に調べる方も多いと思います。 ということで。 離島、多良間の「お昼ごはん事情」について迫ってみます。 多良間では、お昼ごはんはどうしているの? 島に来て、いちばんここが内地と違うなぁと思ったところです。 前職が事務職だったこともあり、基本的に昼食はお弁当を持参かコンビニ弁当を買い、事務所の休憩スペースで食べることがほとんどでした。 外食は、あま

母校へ|聴こえない母に訊きにいく|五十嵐 大

〈12月某日――三日目〉 目が覚めると快晴だったので一安心する。今日は母の母校である「宮城県立聴覚支援学校」の取材をする予定になっていた。15時半から約2時間、校内の見学やインタビューに対応してくれるという。  取材の前はいつもそうだけれど、今回は特に緊張してしまった。「失敗できない」という思いよりも、母や父が通っていた学校を訪れることができることへの感動や興奮が大きく、故に落ち着かない。支度を終え、出発時間まで母と雑談しながら過ごすも、ソワソワしていた。  実家から学校

情報を削ることを武器にする

YouTubeチャンネルの「有隣堂しか知らない世界」で、地図を制作している会社の人をクローズアップした動画があった。 かつては普通に手に取ることの多かった「地図」も、いまではスマホで事足りるということもあって、発行部数は激減している、とのことだ。それでも、完全になくなってはいない。僕も、本屋に置かれている地図は逆に新鮮なので、ちょっと手にとったりすることもある。   「地図の未来」って、どういうものだろう?  いわゆる、普通の地図に該当するものならば、Googleマップで

飽きっぽいから、愛っぽい|遺書が化けて出た@日本海上空

キナリ☆マガジン購読者限定で、「小説現代5月号」に掲載している連載エッセイ全文をnoteでも公開します。 表紙イラストは中村隆さんの書き下ろしです。 生まれて初めて、遺書を書いた。書く羽目になった。 三月二十一日、午後六時。押し寿司みたいな分厚い雪が張りついている札幌での取材を満喫し、すみれの味噌ラーメンと、コーン茶のパックをお土産にぶらさげ、わたしは新千歳空港の搭乗待合室をブラブラしていた。 いつもなら新幹線は三本に一本、飛行機は五本に一本くらいのペースで盛大に遅刻し

2022年1月ベストアルバム10選

もう4月になってしまいましたが、今年も月間ベストを選ぶことにしました。 2月3月も早いうちに選んでいきたいものです。そうこうしているうちに5月になっていしまいそうですが。。。 1月のランキングは以下の通りです。

有料
100

新書を読んでみよう!

こんにちは、Yukiです。 新型コロナウイルスの感染が拡大してから早くも2年が経ちました。その間、様々なことが起きましたが、その1つが独学に対する注目が高まったことだと思います。 そのきっかけは、読書猿氏の『独学大全 絶対に「学ぶこと」をあきらめたくない人のための55の技法』が発売されたことではないでしょうか。 現在では20万部を超え、電子版のみですが公式副読本も発売されています。この本の発売をきっかけに独学への注目が高まったことで、岩波書店は独学フェアを開催しました。

平日の夕方、役所のトイレで泣いてしまった

この文章は、ツムラ#OneMoreChoiceがnoteで開催する「 #我慢に代わる私の選択肢 」コンテストの参考作品として主催者の依頼により書いたものです。 数年前にできたのであろう、白を基調とした清潔感たっぷりのトイレで、私は泣いていた。なるべく息が漏れないように、歯を食いしばり、顔を手で覆いながら涙が止むまでじっと耐える。めんどくさいヤツだと思われるだろうが、小学生の時からたまにトイレに閉じこもって泣いてきた。公の場で突然目頭がカッと熱くなったとき、私は我慢ができない

【旅】本好きが痺れる旅館・蓼科親湯温泉♨️

少し前にTwitterで、こちらの写真を紹介したらいろんな方に見てもらえました。 (岩波書店さんにリツイートいただき、嬉しかった…) 毎年2回通っている蓼科親湯温泉についてもう少しがっつり書いてみます! 蓼科親湯温泉とは?公式サイトはこちらです。もう、トップ画面を見てしまうと行きたくなる。。。 一泊二日でやってきました。11月、週末を利用してやってきました。本当は連泊してみたい。 大好きなラウンジ。親湯温泉に来た!といつも嬉しくなります。 ここでチェックインします