見出し画像

Sekar Gendisのこと

京都を中心にガムランのグループをはじめたのは2014年のこと。始まった当初はどんなグループにするか、とても漠然としていた。大阪にもガムランの古典音楽を演奏するグループはあるし、京都でやるならわたしにしかできないガムランの活動をしてみたかったのがきっかけ。大阪のマルガサリというグループの中川眞さんにお願いをしてガムランをお借りし、ジャワ舞踊家の佐久間新さんのご紹介で、今お借りしている場所「金一志韓国伝統芸術院」さんとのご縁もいただき、そこでほぼ水曜日の夜に音楽の活動をはじめることができた。

Sekar Gendis (スカル グンディス)というグループの名前は、わたしのジャワガムランの先生、パニョト先生がつけてくれた名前。’甘い花’という意味がある。女性を中心にしたグループになるだろうから、ということで可愛い名前をつけてくれた。しかし、濁点が多いので、案外厳つい。そんな語感も今いるメンバーのユニークさを物語っているのかもしれない。
先生は伝統音楽の人。わたしが即興やらなにやらやるのは10年前だったら許せない気持ちだったけど、伝統を守るのはわたしたち。あなたは外国人でガムランに出会ってこうして音楽しているのだから、どうぞその可能性を生かしてどんどん展開してみてください。と先生のやわらかなお言葉でした。伝統の中にいる人間はそれを逸脱するだけで、角が立ってしまう。わたしが先生にお願いしたら、教え子の頼みだからとようやく逸脱のチャンスを得ることができる。外国人が民族音楽に関わるということは、思わぬところで何かが広がるチャンスなのだと、先生に教わった。
写真をご覧になってお分かりなるだろう。ガムラン、どこやねん。

イギリスの大学院で共同作曲の研究をしていた。その時にガムランに出会い、ガムランのもつ柔軟性と音色の豊かさに気がついた。これは、プロの音楽家とそうでない人が共演できるのに最適な楽器だと。そこからガムランのグループをつくる構想は始まっていたと思う。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?