滋賀県内の石造物⑯:正寿寺宝篋印塔

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名称:正寿寺宝篋印塔

伝承など:なし

所在地:滋賀県東近江市柏木町 正寿寺


東近江市の正寿寺は、田園の中の集落の一角にあり、現在は本堂があるだけの小さな寺院であるが、公卿・飛鳥井氏の屋敷があったと言う伝承があり、境内には鎌倉時代の宝篋印塔が二基ある。

本堂裏の一角に並んで建つ二基の宝篋印塔は、ともに鎌倉時代後期のものであり、特に向かって右側の塔(二枚目)は正応四年の銘文を持つ。

塔の高さは二メートル弱で、基礎が低いせいもあって全体的に安定感があり、完形で在銘塔と言う点から、鎌倉時代の宝篋印塔の基準となる石塔である。

正応四年と言う銘文は、滋賀県の在銘塔としては二番目に古く、かつ完形の石塔としては最古で非常に貴重である(在銘最古の草津市の新善光寺の宝篋印塔は笠と塔身のみ)。

向かって左の宝篋印塔(三枚目)は、造立時期は右塔よりもやや下ると思われるが、近江地方には珍しい基礎に反花座を持ち、格狭間内には孔雀のレリーフが刻まれているなど、装飾の点では見るべきもののある石塔と言える。


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