北関東の石造物⑪:東岩崎五輪塔

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名称:東岩崎五輪塔

伝承など:伊王野氏、あるいは蘆野氏造立の五輪塔か?

所在地:栃木県那須郡那須町東岩崎 東岩崎集会所前


奥州街道の伊王野と芦野のちょうど中間ほどの所に位置する東岩崎に、中世の五輪塔が存在する。

東岩崎の集会所(一枚目後方に写っている赤い屋根の建物)のすぐ前のあぜ道に建つ五輪塔は、鎌倉時代末期から南北朝時代頃の作と考えられ、火輪の破損が激しく、また地輪が埋まっているが完形の五輪塔である。

かつて水田の中から発掘されて現在の場所に移されたことから、「田の中五輪塔」とも通称されている。

この石塔は伊王野と芦野の中間にあることから、那須一族の支流である蘆野氏、あるいは同じく那須一族の伊王野氏のいづれかが造立したものと想像される。

なお、この東岩崎から南にしばらく下った那須町の伊王野には、伊王野氏の菩提寺の専称寺がある。

伊王野氏は那須本家四代の那須頼資の次男を祖とする家系で、比較的早い時期に本家から分かれた一門であるが、専称寺の門前にある伊王野氏の墓所はいづれも戦国時代の宝篋印塔で構成されてる。

専称寺自体は鎌倉時代に創建され、鎌倉期の仏像も伝わるので、あるいは初期の当主の石塔はすでに失われてしまい、戦国期以降に造立されたものだけが残ったのかも知れない。

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