神奈川県内の石造物⑤:安養院宝篋印塔

名称:安養院宝篋印塔

伝承など:尊観(忍性?)の墓

所在地:神奈川県鎌倉市大町 安養院


春は躑躅の名所として知られる鎌倉の安養院には、鎌倉最古の在銘宝篋印塔が存在する。

本堂裏にある躑躅の中に建つ三メートルを超える大型塔がそれで、鎌倉時代後期の徳治三年の銘文がある。

隅飾りの一部が破損し、相輪は後補であるが、ほぼ完形の宝篋印塔と言って良いであろう。

尊観の墓とも、良観(忍性)の墓とも伝わるが、いづれにせよ鎌倉を代表する宝篋印塔であり、初期関東形式宝篋印塔の代表的作例でもある。

なお、安養院は北条政子の法号に由来し、徳治三年の宝篋印塔の傍らにある小型の宝篋印塔(二枚目)は北条政子の墓と伝わる。

基礎には政子の没年を刻むがこれは追刻であり、宝篋印塔自体は室町時代の造立と思われる。


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