京都府内の石造物⑧:安養寺宝塔(慈円の墓)

名称:安養寺宝塔

伝承など:慈円の墓

所在地:京都府京都市東山区円山 吉水(円山)弁財天堂


京都の円山公園の奥に「円山弁天堂」と通称される弁財天をまつった吉水弁財天堂があり、その堂裏に一基の宝塔が建っている。

弁財天堂は、北に隣接する安養寺の境内外仏堂であるために、宝塔は「安養寺宝塔」と通称され、安養寺を開いた平安時代末期から鎌倉時代初期の高僧・慈円の墓とされている(案内板には慈円の諡号である「慈鎮」の名で記されている)。

安養寺にあることから、開山の慈円と関連づけてまつられたのであろうが、実際には慈円との関わりは不明であり、石塔の造立年代も鎌倉時代後期であるために慈円の時代とは少しずれがある。

石塔の来歴はさておくとしても、鎌倉時代後期の宝塔の特徴をよく示し、塔身に二尊を刻むなど、石造美術としても優れている。

基礎が欠損している点が惜しまれるが、鎌倉時代の宝塔を代表する名品であろう。


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