近畿地方の石造物⑪:西室院五輪塔(伝・源氏三代供養塔)

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名称:西室院五輪塔

伝承など:源氏三代(源頼朝・源頼家・源実朝)供養塔

所在地:和歌山県伊都郡高野町 高野山西室院


空海が開いたさながら仏教都市と言うべき高野山には、金剛峯寺を中心に数多くの塔頭寺院が建ち並ぶが、その中でも西室院には高野山内でも最古と考えられる五輪塔がある。

南海電鉄高野山ケーブル駅から高野山の中心部に向かい、女人堂を過ぎて間もなくの、高野山の「入り口」あたりに位置する西室院は、空海が開山に当たって中院を中心に東西南北に設置した支院の一つで、高野山でも最初期の寺院と言う。

鎌倉時代初期に仏門に入った源頼朝の庶子・貞暁ゆかりの寺院でもあり、五輪塔は貞暁が頼朝と頼家、実朝を供養するために造立したと言う伝承を持つ。

銘文がないので、あくまで伝承の域を出ないが、五輪塔はいづれも鎌倉時代前期の様式を持つ古様の塔で、源氏三代の供養塔と見ても違和感はない。

特に、向かって左端の五輪塔(三枚目)は、地輪が低く火輪の反りは京都市右京区の神護寺にある文覚の墓とされる五輪塔とよく似ており、三基の中でも最も古い作であろう。

なお、現在五輪塔は西室因の山門前の庭園に安置されているが、庭園内は立ち入り出来ないため垣根越しにしか拝観が出来ない。


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