近畿地方の石造物⑲:宝林寺宝篋印塔(赤松則祐逆修塔)

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名称:宝林寺宝篋印塔

伝承など:赤松則祐逆修塔

所在地:兵庫県赤穂郡上郡町河野原 宝林寺


上郡町の宝林寺は、南北朝時代に足利方の有力武将として活躍し、室町時代における赤松氏隆盛の基礎を築いた赤松円心が開いた赤松氏の氏寺で、居城の白旗城にも近い場所にある。

境内には、赤松円心の子でその後を継いだ赤松則祐の逆修塔と言う宝篋印塔がある。

二基並ぶ宝篋印塔の向かって右側の塔(二枚目)が則祐の逆修塔で、左側の塔は赤松則祐の娘(一説に円心の娘とも)の覚安尼の墓(三枚目)と伝承される。

覚安尼の墓は、同じ上郡町の岩木にある明徳元年銘の宝篋印塔(通称「鍛冶宝篋印塔」)と酷似しているため、おそらく同時期のものであり、則祐の逆修塔とは微妙に形式が違うため、逆修塔の方がやや古い時期の造立と考えられる。

寺伝では、則祐が六十歳の際に造立した逆修塔であると言い、応安三年がその年にあたるが、石塔の年代はその時期によく合致するので、伝承の通りと考えて良いであろう。

なお、境内には「円心館」と称される宝物館(四枚目)があり、赤松円心や則祐の木像など、赤松氏ゆかりの貴重な文物が展示されている(ただし拝観は要予約)。


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