東北地方の石造物⑦:千手堂有頸五輪塔(伝・源義経妻子の墓)

画像1

画像2

画像3

名称:千手堂有頸五輪塔

伝承など:源義経妻子の墓

所在地:岩手県西磐井郡平泉町 千手堂


奥州藤原氏三代藤原秀衡が築かせたと言う伝承がある金鶏山の麓には、秀衡の木像と千手観音、そして藤原氏三代の位牌をまつる千手堂がある。

その千手堂の後方に、源義経と衣川で運命をともにした妻子(妻は河越重頼の娘とも、平泉で娶った別の女性とも言う)の墓と伝わる石塔二基がある。

二基ともに大きく欠損し、現在は塔身が残るだけであるが、平安時代末期から鎌倉時代初期にかけて、平泉を中心とする地域で造立された有頸五輪塔と呼ばれる形式の石塔で、近隣の中尊寺や毛越寺塔頭などにも類似の石塔が複数ある。

伝承の真偽はともかく、年代的には義経が没した頃の作と考えても違和感はなく、鎌倉時代以前の石塔で、石塔の年代と被供養者の没年がほぼ合致する珍しい事例である。

なお、千手堂前にも同型の有頸五輪塔が二基あるが(三枚目)、こちらは時期的には少し下るであろうか。


#岩手 #平泉 #金鶏山 #千手堂 #藤原秀衡 #源義経 #源義経妻子 #有頸五輪塔 #平安時代 #鎌倉時代 #奥州藤原氏 #石塔 #歴史 #日本史



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?