第1回 T Crossroad 短編戯曲祭<2020年の世界> Aプログラムをみました

『永久に記憶する煙』について。
劇中の設定に感心した。外は危険なウィルスが蔓延している。一人ぼっちで安全な場所に逃げ込んでしまって、そこには本しかない。という設定は自分の過ごした2020年に思い当たる節があって、良い題材だと感じた。全体的に恐怖を感じるような、ぞっとする空気に包まれているのが好きだった。ただ私は、最後外の世界が焼失して行く煙を見て「綺麗」と感じる、という部分は良く分からなかった。そんな感覚に出会う時があるのか興味深い。
また、舞台の立ち上げ方、演出で面白かったのが、全てのセリフがマイクを通して聞こえてくること。生で観ているのに、全くそこに実体を感じない。これも2020年の記憶、オンラインで芝居を観た時に似ていると思った。

『ラスト・シーン』は「終わりが分からない」という社会状況を捉えたテーマが良かった。そしてこの芝居の終わり方も非常にカッコ悪くて面白かった。むしろ潔い。

2021/02/13/15:00観劇

T Crossroad 短編戯曲祭HP
http://www.tfactory.jp/data/t_crossroad1.shtml

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