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旧公衆衛生院研究

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内田ゴシック建築の私的な解釈
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2019年6月の記事一覧

空想対話1

空想対話1

建築家 内田祥三との空想対話を続けている。

築81年の歴史的建造物は、ついついディテール、デザインに気をとられてしまうが、何日も空間の中で過ごしていると、
「先生、どうしてこのような構成なのですか?」と、無意識に聞いているような気持ちになる。
もちろん、天国から答えてくださるわけがないのだが、
「きみはどう思う?」
「△◯◇の構成がベーシックにあるのではないでしょうか?」
「うーむ、ではこれはど

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設計者との対話

設計者との対話

内田祥三先生が編み込まれた建造空間の研究が続いている。

関係資料に目を通しながら、実際の空間と対話をする。

対話と言っても、わからない箇所を眺めながら、仮説を立て意味付けができるかどうかの繰り返しであるが。

構造はともかくとして、意匠・デザインはじっくり観ていると何かしらの「私はこう思うのですが」のイメージが浮かんでくる。

安藤忠雄氏は、設計図は言葉だと話された。
ではリアルな空間は?おそ

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復原の基本方針

復原の基本方針

旧公衆衛生院の復原工事についての基本的な考え方。
文化遺産に関する世界的、歴史的文書に述べられてた主要な原則、理念性に基づいて、以下のことに注意。

①建物の本質的価値の明確化

②手を加える際の新旧の区別と可逆性(リバーシビリティ)

③復原時の推測の排除

④不可や改変など手を加える範囲を最小限に抑えることをインチベーション

⑤オリジナル撤去の際は記録と保存を残すことに配慮

こう考えると、

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