本屋でバイトがしたかった

ずっと残るものを作る仕事がしたいけど
ずっと残るものなんて ないのかもしれないから


すべて記憶として残る と思えば

なんだって大丈夫なのかもしれない




消耗品も 食べ物も飲み物も
ファストファッションも


すぐに買えるものほど
すぐに飽きられて捨てられるのが悲しくて
いつも大体選べない



いつかはゴミになるのが分かっているのに
ずっと大切にされると信じて
笑顔で「ありがとうございました」




でも すこしでも 一瞬でも
ほんとうに大切にしてくれるなら
その人の思い出に残るのなら
きっと 間違いじゃない




雑貨屋
ショップスタッフ
レコード会社


憧れていた職業には大体チャレンジした



カフェや飲食店や美容師は
アトピー体質ではきびしいと判断した




ずっと憧れていたのに
唯一できなかったのが
本屋のバイト



理由は
「立ち読みされてボロボロになる本を
毎日見るのが嫌だったから」



毎日立ち読みで消耗されて
雑に置かれた本たちを
本が好きな人たちが
きれいに直していく


悲しくなってしまうだろうと思った



選ばれなかった本を
返品する仕事も
きっとつらいだろう



体力勝負だと言うけど
たぶん私は、精神的な勝負に


負ける



好きなのに、好きだからこそ
それを引き受けてくれている
本屋の人たちみんなに
ありがとうと言いたい



できればまだ
好きを消耗したくない



でもそれも
すべて 
思い出としては
ずっと残るんだよな



消耗のすべてが 悪なわけではないし

捨てられない性格が
大事な写真を掘り起こすこともある



切り取って
アップして


毎日を思い出で満たす
私たち



幼稚園で大好きだった
キツネのぬいぐるみの
色や形や手ざわりを
覚えているように


役目を終えた、という表現は

あくまで人間の都合だけれど



ボロボロになった本と
すぐに飽きちゃう流行り物にも
彩ってくれてありがとうって


「ありがとうございました」って
人から人へ渡っていくものだから




ずっと残るものを作る仕事がしたいけど
ずっと残らないものを
とびきり輝かせることができるのも


私であり
あなたなのかもしれない



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