夏の使命

夏は黄昏の幻想
夏は真っ新な純情
ひかりが生む暗がりに
キミとワタシ
キミの体温で
蘇るノスタルジー
溶けるアイスキャンディー
流れ流され惚けている間にふたり
忍びごとささやく虫の声  

はにかむ逢瀬に
隠した下心
今夜棘さして
伝わる微熱がはがゆい
悩ましいヒト
一糸も纏わないで野暮はなし
小指が結ぶ
適切な体温だけを
たぐり寄せたいの
朱き唇褪せぬ間に  

夏よ 夏よ
蟬時雨ながれせし間に
仮初めは流され
如何しようも無い
まぶしく揺らぐ
君といたい したい
夏の産物にワタシ
なり果てて
短すぎる夏の終わりのような始まり
さようなら はじめまして 
一か八かの花真っ盛り


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