しずく

しとどに雨が降る夜は

何処かであなたが泣いている気がして

うまく眠ることができません


今日は一日どうでしたか

やさしすぎるあなたのことだから

今宵も胸を痛めているでしょう


たとえいま

はなればなれで

目の前にあなたがいなくとも

窓に打ちつけた雨のしずくが

したたり落ちてゆくのを

あなたの涙と思って

見まもっています


あの日誓ったように

わたしはあなたの味方です

それはいかなる境遇も

揺るがすことはできない

あなたがかなしいとき

そのかなしみはぜったいに

まちがっていない


だからつらいときは

泣いてもいいんですよ

かなしみは溜めこまずに

流してしまったほうがいい

空っぽになるまで泣いたら

その胸の空洞にはやがて

虹が架かるかもしれない


しとどに雨が降る夜は

がまんしないで がんばらないで

思うぞんぶん泣いてください


だいじょうぶです

涙が枯れ果ててないひとは

生きてゆけます