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0509 ラーメン空想

ラーメン屋のスタッフは何故チンピラ上がりのような風貌の方ばかりなのだろう。

ふと不思議に思って、ずっとその事について考えていた。結論は喧嘩やバイトが終わった後にラーメン屋に駆け込んで大将に閉店時間ギリギリに…ったく…と言われながら出されたスープの味が染みた、か、肩を骨折して野球の道を絶たれ自分の存在意義を見失い荒れに荒れ学校中のガラスを割って回りしこたま怒られた後寒い冬のなか問いながら帰宅し、母親の遅かったね、何かあったのかい?という質問には別に、と沢尻並みに無愛想に答え出されたラーメンをひとくち、ふたくちすすると何故か味が濃くなっていき、嗚呼自分は傷ついていたのだと気付きその瞬間に、学校であったことを担任から電話で聞いているにもかかわらず何も言わずにいてくれる母親の優しさに心が震えた、かのどちらかだと思う。もしくは極道を出所と共に辞めた後、何をしようと考え見回すと腕には鯉が、首には龍の頭がおりこの姿でも一人前でシャバを堂々と歩けるような仕事は何か。嫁や子供には苦労をさせた、安心させたいと強く空の向こうにいるかも分からない仏に祈り、ふとラーメン屋の従業員急募!と書かれたチラシを見つけのれんをくぐり、その年齢でこんな洗練された味を、こんな杯数を、とただただ驚くしかない親方のストイックさにこれまでの自分の生き方の半端さや、跋扈さに羞恥の心が湧き上がりその日のうちに親方に弟子入りしたか、のどれかだろう。有りがちだがドラマティックさに感動する。じーん。

だからなに?
かいじゅうちゃん

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