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NICEHCK RedLava / GalaxyLab のイヤホンケーブル簡易レビューとイヤホン線の傾向

中国製のイヤホンの中にはケーブルを変えられるものがあります。
イヤホンケーブルで音が変わるなんて嘘だと思っていた時期がありました!
原理的には変わるのは信じられなかったけれど、実際変わるんだからしょうがないのです。測定の仕方などで現状では差がわからないけど聴覚上は変わる…というのがケーブル交換の世界なのですが…

今回はNICEHCK RedLava と GalaxyLabのレビューなのですが、まずはケーブル交換でどう音が変わったのかという傾向についてお話ししたいと思います。

ケーブル変更は「変わりはする」けれど、「いい方向に変化する」とは限らなく、イヤホン個体との相性というものがどうしてもあります。
ケーブルを交換するときの私の把握している大まかな傾向というののは以下です、参考にしていただければ幸いです。


イヤホンケーブルの線材ごとの特徴


無酸素銅線(OFC):

標準的なケーブル。高音域のスネアなど、ザクザクとした感じがある。純度が高まると音の細かい部分が聴き取れる感じや空気感がより濃密になる感じなどが得られる。純度が高い場合はOCCより良い場合もあり。

銀メッキ無酸素銅線(Silver Coarted/Plated OFC):

標準的なケーブルより高音域が伸び、高音域が出てくる

金メッキ線(Gold Plated OFC):

おそらく金の純度などに関係あるかもしれないが低純度の場合は雑味のある高音の伸びの仕方がする。
全体的に華やかだったりメリハリがつきやすい印象。やや銀メッキよりは厚みや温かみの高音の伸び方をする印象の線もある。

グラフェン線(Graphene):

メリハリの効いた感じで、ドンシャリを引き立たせる傾向のことが多い。スピード感が増す感じがある。音のノリの感じ、グルーヴ感が増す感じのことが多い。音域の伸びに関しては中間的な気もする。平面駆動のイヤホンに使うと合う印象もある。低音域はタイトな感じに。

純銀線(Starling Silver):

高音域が伸びる。高音域のザクザク感はOCCと同じくなくなるが、透明感のある高音域。
低音がやせる(低音が少なくなる)中音域に低音がかぶって見通しが悪くなるのを防げる。
芯数が増える(4芯→8芯)になると低音が減るのが少ない(低音が多い)

単結晶銅線(OCC):

OFCに対して、高音域のスネアなどのザクザク感が減り、なめらかな高音域になる傾向。低音は増えがち。中音域は、線数などにもよりけり。低音は締まる。

銀メッキ単結晶銅線 (銀メッキOCC):

OCCに対して、高音域が伸び、ザクザクした感じもない。低音は純銀に比べて太い。お気に入り:JIALAIのJLY2,TRN T6など

パラジウムメッキ (PaladiumPlated):

※まだあまり特徴がよく分かっていない線材。
私ではなく人の感想だが、「彩度と解像感が上がるような感じ」という人もいた。よりビビッドになる点ではグラフェンとも似ているのか?

ミックス線(Mixed):

+と-(GND)側で違う線材をミックスさせてあるケーブル。
両方の傾向がミックスされる感じ。RedAg,Jialaiのミックス線JLH2など
単発の線材の中間的な感じになる事が多い。
場合によってはこっちが良いこともよくある。

純度、 N数:

99.99%なら4N。99.999%なら5N 99.9999%なら6N,99.99999%なら7N
という風にN数が多いと純度が高い線材になり、純度が高い材料を作るには高い技術、工業力が必要。
N数が増えると、より線材は電気信号をよく通すようになり、抵抗が減る。
OFCなどでも純度が高いもの6Nや7Nなどになると、空気感や音空間のハリツメ感、空気感、音のつやなどが出てくるなと、試してみて思っている。純度が高いと価格も高くなる😇
7Nであればさらにその差はわかりやすいが超高い。

生かすにはアンプやDACの側もいいものであることが望ましいと思う

バランス接続(Balanced):

通常の3.5mmプラグは-側(GND側)が左右で共通になっている。
バランス接続させると、左右を別々に駆動させることができるようになる。
現状4.4mmがデファクトスタンダードとなっている。
一般的には左右のセパレーションがよくなる。
クロストーク(左右信号の混ざり)が原理的になくなり、中心の音の定位感などに関係してくる感じがするが、バランス接続のほうが必ずしもいいと感じるものではない。
これもイヤホン+ケーブル+アンプとの組み合わせでの相性が大きい。
バランス接続もいいDACを使わないとご利益があまり感じられない

線数、その他のTIPS:

特にマルチBA機では、線材の線数が多いものは音がぼけることがあり「多芯=音よい」ではない。ここは機材との相性。純度の高い線で少ない芯数のほうが音がクッキリハッキリしやすい。

DDとBAでは明確にケーブルに対する反応は違う。
BA機は純銀線のご利益はDDより大きいことも。

他芯の線は情報量が増えるような反面、音のキレに関してはボケる印象もある。線数が増えると、低音が強く感じられる印象になる。

平面磁界駆動(プレーナー)のイヤホンはケーブルに対する反応はDDよりも少なめ。変わることは変わるのだが、どのケーブルでも中高音域の変化はDDよりは少ない印象。低音域の質感についてこだわる場合はリケーブルの恩恵は得られることもある。

平面ドライバとよばれるものでもSPDとよばれるタイプのドライバについては、リケーブルの傾向は未検証です。持ってないため。


RedLavaの簡易インプレ

今回はNICEHCKから戦艦級のアップグレードケーブルを2本入手したので、簡易なインプレとして残します。

NICEHCK Redlavaとコカコーラの比較。とても赤い。

NICEHCK Redlava。7N 焼きなまし銅(OFC?)を使用している。
NiceHCKのRedLavaは 、ボーカルの領域の綺麗さが際立つ傾向のケーブルだという気がした。
高音域の伸びやかさや強調感は銀メッキ系や純銀線に比べてそれほど激しいものではないが、きちんと伸びる。
もちろん高音域も犠牲にはなってないが、特にボーカルがハッキリする感じがします。

この状態で届く

全領域で情報量が上がる感じがあり、音に力強さがある感じ、勢いある感じがあります。

傾向としてはOCCよりOFCを思い出す高音域の「ザクザク感」があります。

「太さ」はけっこうあり、取り回しは「5段階で3」くらいの取り回しの良さです。 取り回し最高に悪いCoaxial Sirのような硬さでは無いし、埋め込み2pinの2pinコンタクトもそれなりに長いおかげでだいたいの2pinのイヤホンに適合します。

高音域低音域の「解像度」が上がる… といっていいのかは分かりませんが、 情報量が多い感じはすごくします。

個人的な印象は高純度無酸素銅(OFC)の方向性で上位ケーブルという感じの音。

GalaxyLabの簡易インプレ

NICEHCK の立派なケースつき

おまけの立派なイヤホンケースもついています。
GalaxyLabは見た目にも綺麗なケーブル。

線材も絶縁材料はPC-TRiple c/EX 線材は 7N銀箔メッキOCC(厚み9um銀箔メッキコート)+ 銀メッキ焼きなまし銅のミックス線とのこと。

太さに関してはRedRavaと似ている。取り回しはRedLavaの方が硬くGalaxyLabはもう少し柔らかく感じる。

金属筐体のイヤホンと合わせると響きがとても綺麗だ〜!!

GalaxyLabの音質は、高解像度で中高音域にフォーカスしつつ、低域も深いところまで出ます。
(サブベースはそれほど強くならないが低音は出ます。純銀と銅のミックス線に似た傾向と感じます。OCCと銀メッキ焼きなまし銅のミックス線といわれればらしい音)

同社NICEHCKの、安価な純銀線と銅線のミックス線であるRedAgを強くしたようなケーブルと言えます。 また前述のRedLavaより好みな傾向です。

RedLavaの方が普通のOFCのケーブルのような方向でのアップグレード感があると思います。

GalaxyLabについてはOCC系と純銀系との音を足して2で割ったような傾向だと聴いて判断しました。

濃密感や迫力、強力感のようなものが出てくる傾向は他のケーブルと似ています。

高価なアップグレードケーブルですがそれだけの価値は感じられるものかなと思います。

特に高音域が見通しがよく、かつ低音が締まってくれるため、GalaxyLabはRedLavaより好きな傾向です。

とても好評を博していた同社のMissLeafより音がいいぞ! という話だったんだのですけど、 Missleafもこんな感じだったのかな?
個人的にはRedLavaよりこっちのが圧倒的に好き。

実物はすっごいきれい

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