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僕はケンタに恋をした。③(後悔)

*ここからご覧になる方は、是非一番最初からご覧頂くと前後関係が分かるかと思います*

今考えると、本当に後悔している。

たった一度しか無い中学生活。せっかく出会えた友達。そこでしか過ごせない時間・・・

だが、当時の私は極端な行動に出た。

自分なりに当時のことを整理してみると、確かにケンタはとてもとても大切な存在だった。だが、勉強もせずにメールばかりしていたことも事実。
家に帰っても学校でも、ケンタの存在は大きかった。

このままでは受験勉強に集中出来ない・・・

ただそれは言い訳であって、今の受け入れたくない、目を背けたい状況から逃れるために受験勉強へ逃避していたのかもしれない。いや、絶対にそうだ。

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そこから自分は、自分で言うのも恥ずかしいが本当にすごかったと思う。

学校のレベルを上・中・下の3つのカテゴリーに分けるとすると、私の当時の実力は【中】だった。

自宅から自転車で20分ほどの場所に【中】レベルの手頃な高校があり、地元が好きな友達はとりあえずそこの高校に入れれば良いという傾向があった。担任からもそこの高校なら入れると言われ、そこを受けることを薦められた。

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だが、自分はその高校では満足出来なかった。

そんな高校じゃ、ケンタに勝てない。見返せない。

だから、担任も塾の先生にも厳しいと言われていた【上の中】の高校を受けることにした。

もちろん、親の理解もあったのも事実だが、ケンタを犠牲(というか一方的に敵対視していただけだけど・・)にしてまでこんなレベルの高校に入れない。あいつをギャフンと言わせたい。

ただ、それだけだった。

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そして、私は合格した。

あの時ほど嬉しいことはなかったと思う。
自分の実力以上の高校に入れたのは、ケンタを見返したいという思いだった。
色々とあったが、大好きだったケンタをシャットダウンして受験勉強に望んだ自分は本当にすごかったと思う。

だが、目的を果たした後、ケンタとどう接すれば良いのか分からなくなっていたのだ。

当たり前のことかもしれないが、これまでのようにメールをしたり、遊びに行ったり出来る関係にももう戻れなかった・・・

そしてケンタにとっても、ケンタの中の私はもう居なくなっていた。


自分は合格を手にする一方、完全にケンタを失ったのだった。
その代償は大きいものだった。


つづく

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