ぼくのTHE BAND論

 THE BANDの曲作りの中心的メンバーであったロビー・ロバートソンが亡くなった。これで存命しているオリジナルメンバーはガース・ハドソンただ一人になってしまった。
THE BANDに関しては高校の頃にボブ・ディランを聴いていて、その流れでその名前を目にしていたので必然的に彼らのサウンドを耳にしたものだ。
リヴォン・ヘルムを除き全員がカナダ人という事もあるが彼らの音にはアメリカが感じられるのだ。その理由は何なのか、考えを張り巡らせているとほんの少しだが答えが見つかった。
それは彼らの音楽そのものがアメリカを旅しているのだ。
"土煙が立ち上る荒野を横になれる隠れ場所を探しにバイクを走らせる。
眠りから覚めると「生と死の境目」のロッキー山脈が目の前に聳え立つ。
この山を越えて川を下るとネイティブ・アメリカンが住むクリプルクリークに辿り着く。
酔っぱらいがベッシーを振り向かせるにはドーナツを紅茶に浸しながら花束とギャンブルで儲けた金を渡すんだ。
クリスマスの夜にストロベリーワインをくべながら物思いに耽ると遠く南十字星から聖母マリアが幸せの光を運んでくれる"
彼らの音楽を聴く度に失われたアメリカがまだ生きてる感じがするのだった。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?